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『もっと早くに…』



いつもはそんな、軽〜いナンパとかにはのらない。
ましてや気分が悪くなるほどに飲んだり、まさかまさか一緒にホテルに入ったりなんかはしない。

……はずだったのにな〜〜

「じゃあなんでこうなってるのさ。」
裸で抱かれる彼が聞いてくる。
「それは〜〜…… やっぱり、感じかな。 なんか、気が合いそうっていうか……」
「で? 体に聞いた相性は?」
「にゃはは、バッチリだったね。」

というわけですでに一回戦を終えて、イチャイチャするように寝ころんでいた。



「ちなみにどういう風にイイと思った? 実際にしてみて。」
囁くように聞いてくる。 それがまたゾクゾクさせる気持ちよさを感じさせた。
「んふ〜〜…… こう、エッチが上手いって言うか、感じるところがわかってるって言うか…」
「それは光栄だね。」

「遊び人、じゃないよね?」
「うん。普段はナンパなんかしないんだよ。」
「じゃあ、なんでこんな気軽に誘ったのよ。」
「……こう言うと受け売りみたいだけど、俺も『あ、なんか気が合いそう』って思った。」
「へ〜〜……」
「もちろん体の相性もね。」
そう言ってさらにキスをしていく。 甘い感覚が、また繋がることを欲求させていた。



「君も、普段はこの辺で遊んだりとか、ナンパにのったりなんかはしないんだろ?」
「うん……」
「……なんか、あるの? 悩みとか。」

「……明日ね、両親が、よりを戻すんだ。」
「へぇ… 離婚してた?」
「さあ… 別居してて、疎遠だったのは確かだね。」

「……で?」
「なんかね、私にはお兄ちゃんがいるんだって。」
「ふーん… 実の?」
「うん。」



「それでさ… なんかプレッシャーって言うか、ストレス感じちゃってさ……」
「……それで街に出て遊んでたワケだ。」

「ね、あなたは兄妹とかいるの?」
「う〜〜ん…… 知らない。」
「知らない?」
「うん。 家には親父しか居ないし、家族関係とか話そうとしないの。」

しばらくして彼が切り出してきた。
「あのさ、明日の予行演習とかしてみない?」
「予行演習?」
「君が妹で、俺がお兄ちゃん。」

「それでヤることするワケ?」
「そ。 そういうのもなんか燃えるだろ?」
「近親相姦プレイ? ……うん。いいよ。」



「どう? ヌルヌルするの気持ちいい?」
「ああ、いいよ。 そっちもたっぷり濡れてきてる。」
風呂にあったローションを使ってお互いにお互いを愛撫する。
肌を擦り合わせ、手を這わし合い、性器を触り合う。

バスタブにお湯を溜めて一緒にお風呂。
温かいお湯と温かい胸板に挟まれ、包まれる。
「なんか、こういうのいいね。

 お、おにい……」
「むむ、まだ照れがあるぞ。もっと勇気を出して。」
「だって、そんなの呼んだこと無いし…… そっちは別に呼び方とか変わらないじゃん。」
「あはは。 俺はあまり関係無いから気にしないで。」



汗を拭ったところでベッドに戻ってプレイ再開。

「私ね、やっぱり…… お兄ちゃんとか、欲しかったんだ。」
「こんなエロいお兄ちゃんが?」
「あはは、それはどうかな…
 物心付いたときには一人だったし、お兄ちゃんがいるってわかったときから……」

「ま、とにかく今は俺をお兄ちゃんだと思って。」
「……うん。」



ゴムに覆われた性器が進入してきた。
その大きさは、大きくて痛いことも無く、小さくて物足りないことも無い。
ちょうど私の性器にぴったりとハマって、なんとも気分が良かった。

「うん…… やっぱり、イイね……」
「むふふふ… 本当のお兄ちゃんとはこんなことしないようにな。」
「やぁ、そんなイジワル言わないでよ。」
「じゃあその分をいまのうちに甘えておくんだね。」

暖かい気分が体中に拡がっていく。
「あ、あ…」
「ほら、『お兄ちゃん』って呼んでみな。」
「え、お、お兄ちゃん……」
「そうそう、その調子だよ妹ちゃん。」



体を突き動かされるのにつられるように、言葉が漏れ出る。
「お、お兄ちゃん… お兄ちゃん…!」
「あ〜 今のなんかカワイイな〜… 俺も妹とか欲しかったかも。」
「……いまは、私が妹、でしょ?」
「あはは、そうだったね。
 うん… 可愛がってあげるよ。」

「にゃ、にゃぁぁ… お兄ちゃん、気持ちいいよぉ…」
一番敏感な部分を触られて、軽い絶頂を感じる。
「ん… そう、そうやって動かすように……」
「お兄ちゃん… 気持ちいい?」
「うん…… なんかね、相性ピッタリで……」
「兄妹、だから?」
「ははは、そうだね。」
そうではないのになぜか興奮する。
ホントに……気も合うし、体の相性もピッタリで……



ぐちゅぐちゅと激しく掻き回されて、意識が吹っ飛びそうになるのを必死で堪えて、
「お兄ちゃん… もう、イっていい?」
「うん。 俺もイきそう。」
「じゃあイって… 妹の膣内にイッパイ出してぇ…!」

思わず飛び出た言葉がトドメになったのか、熱い感覚をゴム越しに感じる。
「イ、く… お兄ちゃん…」
本当にお兄ちゃんに、抱かれてるみたいにって、思って、抱きついていた。



「……これで明日の予行演習はバッチリだな。」
「……うん。」


「ケータイの番号、聞かないの?」
「いいよ。 次に会ったときに、な。」
「うん。 次に、ね。

 ……その時は、生でしてもいいよ。」
「ははは。 大きく出たね。」

そんな冗談みたいな約束をして別れた。
またすぐに会えそうな、予感で……



当日… お母さんと一緒に、待ち合わせの場所へと向かう。
「それがケータイの番号だって。」
「うん。 登録した。」
『お兄ちゃん(はぁと)』って。

「かけないの?」
「どうせすぐに会うんだし。 あっちからかけてくるよ。」

「ほら、あれがお父さんとお兄ちゃんよ。」
「あれ、が……?」



呆然と相手を見つめ合う。 まるで辺りの空気が凍ってしまったみたいに、動けなかった。

電話がかかってくる。 相手は『お兄ちゃん(はぁと)』

「……おにい、ちゃん?」
「……そうだよ。」
「こんな…… こんなのって……」

「…………。


 もっと前に、もっと早くに会えていたらな……」
その顔は笑っていたけど、声は少し震えていた。
それは昨日感じていた声と顔……





「ねぇ……

 約束だから…… 生でしても……いいよ。

 お兄ちゃん。」




もう、止まらない……

終わり