トップへ

アイムの森 ー散策のすすめー

2008年 アイムふじみ野自然観察会代表

 【アイムふじみ野自然観察会】アイムには広大な緑地がある。私は平成11年度理事会の植栽担当であった。当時は管理費の合理化とタワー館建設の遅延が問題になっており、開発販売会社側との交渉に必要な資料作りのために隈なく都市邸園の植栽物を調べて回った。その経験からアイムの庭の植物の素晴らしさを認識し、これを全居住者に享受して貰うとともに自然環境を末永く維持したいと考え、平成12年5月(2000.5)に本サークルを設立した。

 【アイムの庭は植物園】アイムのシンボルツリーのユリノキ、県の木のケヤキ、神社などに多いクスノキ、湿地帯を好むラクウショウ、さらにモミジバフウ、タイサンボク、カツラなどは、大木になる。ハナミズキとヤマボウシ、ソメイヨシノとヤマザクラ、クヌギとコナラ、ベニバナトチノキとマロニエ、さらにはサルスベリ、ヤマモモ、ユズリハ、カエデ類など、野山のように混在する人工的な雑木林であり、今では森になってきた。特に、アイムスクウェア周辺と東館プライベートガーデンは素晴らしい。ピンク花のアベリア、キチジョウソウ、フッキソウなど、これまで知らなかったものまで多彩である。現在、約210種類の植物が生育している。私は、『駅前の都市邸園は植物園』というキャッチフレーズで自然観察会のホームページを開設し植物を紹介している。また、アイムふじみ野植物園構想も提唱してきた。

これまでに自然観察会では、大学植物学研究室の先生の指導の下、名木を観察して目を養いアイムの樹木などのあるべき姿を考えるとともに、自然を大切にする心を育むために、アイム内および近隣地域で観察会を実施してきた。勝瀬の榛名神社、川越台地、竹間沢こぶしの里、平林寺、武蔵野丘陵森林公園、越生駅周辺、新宿御苑などであり、アイムが手本としたい樹木の宝庫である。文化祭にも3回参加した。先生の解説によるアイム内の植物写真の映写会では約180種類の植物を紹介。また、植物観察スタンプラリーでは、15種類の植物を探し、葉の写真シールを貼るとともに植物名を記録した。さらには、アイムの庭で木の葉を集め、子供たちや親子連れとアイムの秋を満喫した。

 【野草と雑草】アイムの庭にも当然のことながら植栽した草木以外の植物も入り込んでいる。一度アイム内の雑草の観察会を行ったことがある。栽培品種の花は大きく優美であるが、雑草の花もそれに負けないくらい清楚できれいであった。植えた草木と雑草との共生を推奨したい。植えた草木より大きくならない程度に雑草をコントロールし、実らせないようにすれば、一部の雑草を除き、野草として十分受け入れられる。

 【私のチェックポイント】休日には私は時間をかけて敷地内の植物を観察している。毎回新しい発見がある。東館の裏庭斜面には、秋のヒガンバナ、冬から春にかけてニホンズイセンとフクジュソウが咲き、上部の落葉広葉樹が葉を茂らせる初夏まで、これらの多年草は葉を広げて日光を吸収する。アイムの森でも自然の営みが毎年繰り返されている。野草では、5月の連休過ぎにハルジオンとヒメジョオンが交代し始めるが、これを観察できると楽しくなる。数多いツツジの中で花が朱色のヤマツツジ、薄赤紫色のミツバツツジ、クリーム色のキレンゲツツジは、アイムでは貴重である。ヤマボウシでは、小さな黄緑色の総苞片が次第に白く大きくなり、初夏にはハナミズキ同様花びらのようになる。中心の緑色の、模様がサッカーボールに似た集合果も、秋には熟してイチゴを連想させる赤い食用果実となる。紅葉も美しい。風車のような形の青紫色の花が咲くツルニチニチソウには赤紫色の花の個体もある。同じ仲間の白花で芳香があるテイカカズラ。クスノキの花はとても良い香りを放つ。新緑と紅葉がきれいなウリハダカエデ、ハウチワカエデ、イタヤカエデ。眩しいくらいなスプリングスターフラワー。タンポポが群生した後、5月初めには、上方のハンテンボクがチューリップに似た花を付け、楽しませてくれる。

 【今後の森】アイムの森を永く維持していくためにも管理が必要である。とりわけ、今後行われるのは大木の剪定である。樹木の生理上好ましくなく、見た目も明らかに不可解な剪定は望まない。また、植物園化という考え方は、この森を残すためにも意義がある。今後は、子供たちと一緒に植物のラベル作りなどのサークル活動を進めていきたい。大切なことは、多くの住人が四季折々に都市邸園を散策し、しばし足を止めて自然の息吹を感じ取り植物を愛でることである。

アイムふじみ野自然観察会