家族の幸せ |
今日の仕事を終え、海人は家に向かっている。 とはいえ、家はいつも乗っている車なのだが・・・・ 仕事場の真ん前に止められた我が家に向かって海人は歩いて行っている。 家に帰ってからの幸せな時間を想像しながら・・・・ おそらく家の戸を開けたとたんに咢が挨拶と言わんばかりに殺気立ったタックルを喰らわせてくるだろう。 それをひらりとかわし、そしてすれ違いざまにラリアットを軽めにかます。 ひるんだ咢を勢いよく担ぎ上げ有無を言わさなくする。 しかし、これはもう、すでに35回もやっている。 咢もバカではないのでそろそろ学習しているはずだ。 今日からかわす方法を考えねばならないと海人は思った。 ・・・咢を担ぎあげるのはまんざら悪くないと思うのだが・・・・・ いつも家に帰るとまず、アキラと目が合う。 アキラはしっかり者で母親の手伝いをしている。 大概皿を机に並べたり、箸を並べたりしている。 時には、母親がドハデに失敗する料理の代わりにアキラが食べれる物を作ったりしている。 おそらくこの器用さは父親似だろう。 性格は、咢が父親似なら、アキラは母親似かもしれない。 そしてそのまま歩を薦めてキッチンに入ると、そこには愛しの亜紀人が一生懸命料理をしている。 海人が帰ってきていると知ると、天使の微笑みで迎えてくれる。 背後にものすごい煙を吐きながら鍋に居座っている物体を除けば、それは天国にいるような錯覚を覚える。 その笑顔を見ると自然と頬が緩む。 煙の臭いで眉はつり上がっているかもしれないが・・・・ 家族でテーブルを囲んでの食事は最高だ。 亜紀人の料理は食べれる物ができたときには旨い。 昔、真紫をしたカレーが出てきたときには正直驚いたが。 その時、咢は気持ち悪いから食べないと駄々をこねたが空腹に耐えかねて、渋々食べていた。 亜紀人はにこにことそれをたいらげ、アキラは顔を歪ませながら食べていた。 海人曰くおいしいカレーだった。 アキラの味覚はおかしいのではないかと海人は思った。 寝るときは雑魚寝だ。 あまり車にスペースが無いのでどうしてもギュウギュウ詰めで寝なければならない。 海人は壁際に寝る亜紀人に腕枕をし、軽く引き寄せる。 腕越しに亜紀人の鼓動を聞くことができる。 ・・・ホントは大人の時間を過ごしたかったりするが・・・ 反対側にはいつも咢がいる。 此奴は寝相が最悪で、起きたときには枕に足が乗っているときもある。 だが、咢を一番はしにするとベットから落ちる。一晩中泣き叫んだ事があった。 そして、その向こうにはアキラが眠る。 そのポジションは咢の足が枕まで移動する時に一番いたい場所でもあった。 だが、アキラは弟がベットから落ちないようにするためにもそこで眠っていた。 朝起きたときに口の端から血が出ていたり、頬が赤くなってたりはよくあることだった。 そんな幸せな時間を想像しながら海人は家の戸を開ける。 |
あとがき |
アキラにとっては辛い家族に違いない・・・・まぁいいや(おい ほのぼのさを表現したかったのですがこれが限界です・・・・ 文才無いですから(汗 とにかく幸せ家族の第一弾です。 本編で言うならアキラと咢が決別する前ですね☆ 兄やアキラが本編で登場したらネタが浮かぶでしょう。 一応まだネタはあります。 気合いと根性で頑張ります。 |