第13回 日本山岳耐久レース−長谷川カップ(2005.10.09)

◆第2関門まで
雨だ。6月に第1関門まで試走したときに2時間47分で走れたのだが、トレーニング方法が根本から誤っており、その後の上積みはなく本番を迎えることになった。雨となれば山慣れている者が有利、少しは順位もあがるのではないか。
トレーニング方法に続き、その期待すらも完全に誤っていた。泥道で走りにくいなと思いながら2時間52分で通過した浅間峠、順位はなんと27位。悪路は上位選手の走りにまったく影響していなかったということだ。
笛吹峠にいたる途中で女子選手2人に抜かれる。競争しているみたいですごいスピードだ。情けないことにまったくついていけず、歩いているかのようなペースで走り続けた。三頭山の登りは43分ほどでこなし、数人の選手を抜く。だが、月夜見にむけての下りはスピードが上がらない。風張峠の登りかえしで何度も立ち止まる。道は前を走る20人ほどの選手にかき回され、泥の池のようになっている。
◆ゴールまで
第2関門に5時間47分で到着。22位まで上がってきた。ここからが勝負だと気合を入れる。
御前山の頂上で食糧を入れ替える。給水所でやっておくべきだった。霧雨が吹く頂上の空気は冷たく、あっというまに体温をさらわれる。再び走り出すが震えが止まらない。この下りで3人抜いて19位。
体力も気力もここまでだった。大ダワ以降は完全な消化レース。行けども前の選手は見えず、もう19位をキープできればいいと思い出す。タイムもこのままでいけばだいたい9時間30分くらい。まあそんなものだろう。抜かれないようにだけ気をつけ、何度も後ろを振り返りながら長い長い金比羅尾根を下り、9時間34分、総合19位でゴール。


◆こんな走りで納得できるか
まったく納得できない。タイムや順位ではない。人のことばかり気にし続けてしまった自分の走りが、だ。途中でタイムをこのくらいと想定し、それを超えようという努力も一切しなかった。その結果、1年間思い続けた長谷川カップをこんな面白くないものにしてしまった。
わざわざレースに参加する意味はどこにあるのか。それは、レースという場の力を借りてどこかで自分の枠を超えていく、自分の想定を超えたものを経験する、ということなのだと今回気づいた。そのような意志をもたないレース参加は無意味だ。というより、レースでなく普通に山に行ったほうがいい。来年も長谷川カップに参加するならば、この点をよく考え直してからにしたい。


◆タイム
      区間    合計
浅間峠  2:52  2:52
月夜見  2:55  5:47
長尾平  2:25  8:12
ゴール  1:23  9:34


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