自動詞と他動詞
自動詞と他動詞の違い
日本語の動詞は、自動詞と他動詞の2つに分けることができる。
自動詞と他動詞とは?
- 自動詞(じどうし)
- 〈「を」+動詞〉の形にならない動詞
- 他動詞(たどうし)
- 〈「を」+動詞〉の形になる動詞
「ラーメンを食べる」のように〈「を」+動詞〉の形になる動詞を他動詞という。一方、「行く」や「会う」のように〈「を」+動詞〉の形にならない動詞を自動詞という。
- 自動詞(じどうし)
- 学校 に 行く。:「行く」→自動詞
- 子供 が できる。:「できる」→自動詞
- 友達 と 会う。:「会う」→自動詞
- 他動詞(たどうし)
- ラーメン を 食べる。:「食べる」→他動詞
- 本 を 読む。:「読む」→他動詞
- テレビ を 見る。:「見る」→他動詞
〈名詞+「を」〉が表わす意味
他動詞で、〈名詞+「を」〉の部分は、動詞が表わす動作の対象を示す。
- 「ラーメンを食べる。」:食べる(動作)→→(対象)ラーメン
- 「本を読む。」:読む(動作)→→(対象)本
- 「テレビを見る。」:見る(動作)→→(対象)テレビ
なお、〈「を」+動詞〉の形でも、〈名詞+「を」〉の部分が場所を表わすものは他動詞ではない。
- 「駐車場を通る。」:駐車場=場所・「通る」→自動詞
- 「電車をおりる。」:電車=場所・「おりる」→自動詞
- 「空を飛ぶ。」:空=場所・「飛ぶ」→自動詞
- 「グランドを走る。」:グランド=場所・「走る」→自動詞
- 「廊下を曲がる。」:廊下=場所・「曲がる」→自動詞
- 「部屋を出る。」:部屋=場所・「出る」→自動詞
- 「育達大学を卒業する。」:育達大学=場所・「卒業する」→自動詞
自動詞と他動詞の対
自動詞と他動詞には対になっているものが多くある。以下に、例を示しておく。
自動詞と他動詞の対の例
〜が | 〜を |
自動詞(漢字) | よみ | 他動詞(漢字) | よみ |
起きる | おきる | 起こす | おこす |
落ちる | おちる | 落とす | おとす |
倒れる | たおれる | 倒す | たおす |
汚れる | よごれる | 汚す | よごす |
壊れる | こわれる | 壊す | こわす |
直る/治る | なおる | 直す/治す | なおす |
回る | まわる | 回す | まわす |
返る/帰る | かえる | 返す/帰す | かえす |
変わる/代わる/替わる/換わる | かわる | 変える/代える/替える/換える | かえる |
破れる | やぶれる | 破る | やぶる |
切れる | きれる | 切る | きる |
折れる | おれる | 折る | おる |
割れる | われる | 割る | わる |
集まる | あつまる | 集める | あつめる |
決まる | きまる | 決める | きめる |
始まる | はじまる | 始める | はじめる |
閉まる | しまる | 閉める | しめる |
開く | あく | 開ける | あける |
付く/点く | つく | 付ける/点ける | つける |
消える | きえる | 消す | けす |
入る | はいる | 入れる | いれる |
出る | でる | 出す | だす |
溶ける | とける | 溶かす | とかす |
増える | ふえる | 増やす | ふやす |
冷える | ひえる | 冷やす | ひやす |
温まる/暖まる | あたたまる | 温める/暖める | あたためる |
焼ける | やける | 焼く | やく |
煮える | にえる | 煮る | にる |
沸く | わく | 沸かす | わかす |
見つかる | みつかる | 見つける | みつける |
浸かる/漬かる | つかる | 浸ける/漬ける | つける |
まちがいやすい表現
自動詞と他動詞の使い方をまちがえないように注意しなければならない。
まちがいやすい表現の例
×正しくない表現 | ◎正しい表現 |
彼は人形を集まっている。 | 彼は人形を集めている。 |
彼の趣味は人形が集まることだ。 | 彼の趣味は人形を集めることだ。 |
彼はカゼで倒しました。 | 彼はカゼで倒れました。 |
風で木が倒しています。 | 風で木が倒れています。 |
パソコンが壊しています。 | パソコンが壊れています。 |
テレビが壊したので、見られません。 | テレビが壊れたので、見られません。 |
先生がカンニングを見つかりました。 | 先生がカンニングを見つけました。 |
お金を見つかって、警察に届きました。 | お金を見つけて、警察に届けました。 |
もうテストが始めています。 | もうテストが始まっています。 |