条件をあらわす表現
「AならBだ」や「AすればBだ」、「AするとBだ」のように、あるできごと[A]が、別のできごと[B]の条件となることを示す表現を条件表現という。
お菓子を食べると太ります。
画:劉書賓
条件表現:「AするとBだ」 = AがBの条件
お菓子を食べると太ります。
条件表現の文型
条件表現には、次のような文型がある。
- 「〜たら……」 【→条件表現の『たら』】
- 「〜なら……」 【→条件表現の『なら』】
- 「〜(れ)ば……」 【→条件表現の『(れ)ば』】
- 「〜と……」 【→条件表現の『と』】
条件をあらわす表現の使い分け
条件表現の使い分け
Bが過去の出来事を表わす場合 |
A | B |
窓を | 開けたら | ○ | 雨が降っていた。 → 過去の出来事 |
開けるなら | × |
開ければ | × |
開けると | ○ |
AとBが同時に生じる出来事である場合 |
A | B |
今 | 出掛けたら | × | 傘を持って行きなさい。 → 出掛ける・傘を持っていく=同時の出来事 |
出掛けるなら | ○ |
出掛ければ | × |
出掛けると | × |
AとBの前後関係が明確な場合 |
A | B |
家に | 帰ったら | ○ | いつも手を洗います。 → 家に帰る(前の出来事)・手を洗う(後の出来事) |
帰るなら | × |
帰れば | ○ |
帰ると | ○ |
AとBが連続する動作である場合 |
A | B |
彼女は | 立ち上がったら | × | 部屋を出て行った。 → 立ち上がる(動作1)・出て行く(動作2) |
立ち上がるなら | × |
立ち上がれば | × |
立ち上がると | ○ |
Aが具体的な時を表わす場合 |
A | B |
これから家に | 帰ったら | ○ | まず手を洗います。 → これから家に帰る=具体的な時を表わす |
帰るなら | × |
帰れば | × |
帰ると | × |
Bが命令を表わす場合 |
A | B |
勉強が | 嫌いだったら | ○ | 出て行け。 出て行きなさい。 → 命令の表現 |
嫌いなら | ○ |
嫌いならば | ○ |
嫌いだと | × |
Bが依頼や勧誘を表わす場合 |
A | B |
明日 | 晴れたら | ○ | 海に行ってください。(→ 依頼) 海に行きましょう。(→ 勧誘) |
晴れなら | ○ |
晴れれば | ○ |
晴れると | × |
Bが意志や希望を表わす場合 |
A | B |
明日 | 晴れたら | ○ | 海に行こうと思う。(→ 意志) 海に行くつもりだ。(→ 意志) 海に行きたい。(→ 希望) |
晴れなら | ○ |
晴れれば | ○ |
晴れると | × |
Bが禁止や忠告を表わす場合 |
A | B |
明日 | 晴れたら | ○ | 海に行くな。(→ 禁止) 海に行ってはいけません。(→ 禁止) 海に行く方がいい。(→ 忠告) 海に行かない方がいい。(→ 忠告) |
晴れなら | ○ |
晴れれば | ○ |
晴れると | × |
Bが推量や判断を表わす場合 |
A | B |
明日 | 晴れたら | ○ | 暑くなるだろう(→ 推量) 暑くなるかもしれない。(→ 推量) 暑くなるはずだ。(→ 判断) 暑くなるに違いない。(→ 判断) |
晴れなら | ○ |
晴れれば | ○ |
晴れると | ○ |
条件表現の意味合いの違い
- 春になったら花が咲きます。
- 『次の春には花が咲く』という意味合い。特定の出来事の間のつながり。
- 春になるなら花が咲きます。
- 『もしもこれから春になる場合は花が咲くだろう』という意味合い。仮定した出来事の間のつながり。
- 春になれば花が咲きます。
- 『春には花が咲くものだ』という意味合い。必然的で当然なつながり。
- 春になると花が咲きます。
- 『いつも春には花が咲く』という意味合い。常識的で自然なつながり。