日文文書処理
文書処理とは?
文書処理document processingとは、電子文書electronic documentに対してコンピュータを使った処理processを行なうことをいう。
電子文書とは?
電子文書とは、言語情報を電子的に記録したもののことである。
一方、言語情報を紙に記録したものは、紙の文書と呼ぶことができる。
紙の文書と電子文書の比較
| 紙の文書 | 電子文書 |
便利な点 |
- 閲覧に特別な道具は不要
- 利用に特別な技能は不要
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- 情報を可変的に保持する(修正・加工が簡単)
- 保管や移動に便利である
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不便な点 |
- 情報を固定的に保持する
- 保管や移動に不便である(場所と時間が必要)
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- 閲覧に特別な道具が必要(コンピュータが必要)
- 利用に特別な技能が必要(コンピュータ技能が必要)
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また、HTML、XML、TeX(テフ)のように、タグtagなどによって論理構造が明示された電子文書を構造化文書structured (electronic) documentという。構造化文書には、保管や交換が効率的に行なえるなど多くの利点がある。
電子文書の種類
電子文書には、さまざまな種類がある。以下に、代表的なものを性質によって分類した表を示す。
電子文書の種類
| 印刷用にレイアウトを保持する | 印刷用にレイアウトを保持しない |
タグによる構造化あり | 主に印刷して利用 | Tex(テフ) | |
主に画面上で利用 | | HTML |
タグによる構造化なし | 主に印刷して利用 | ワープロ文書(.docなど) 整形済みテキスト(.rtfなど) PDF | プレインテキスト(.txt) |
主に画面上で利用 | PDF | プレインテキスト(.txt) プレゼンテーションファイル |
電子文書の機能
それぞれの種類によって電子文書としての機能に違いがあるので、目的にあうものを使うようにする。
主な電子文書の機能の比較
種類 | 拡張子の例 | 環境への依存度 | レイアウトの自由度 | データの大きさ | ウェブでの利用 | 印刷して利用 | 記録や保管 |
電子文書 | テキストファイル | .txt | ○ 弱い | × 低い | ◎ 小さい | ○ 可能 | ○ 可能 | ○ 可能 |
ワープロファイル | .doc | × 強い | ◎ 高い | × 大きい | × 不適当 | ◎ 適当 | × 不適当 |
HTMLファイル | .html | ○ 弱い | ○ 中くらい | ◎ 小さい | ◎ 適当 | × 不適当 | ◎ 適当 |
PDFファイル | .pdf | ○ 弱い | ◎ 高い | ○ 中くらい | ○ 可能 | ◎ 適当 | ○ 可能 |
プレゼンテーションファイル | .ppt | × 強い | ◎ 高い | × 大きい | × 不適当 | × 不適当 | × 不適当 |
参考:紙の文書 | --- | ◎ なし | ◎ 高い | --- | × 不可能 | ○ 複写 | ◎ 適当 |
たとえば、ワープロ文書は、利用環境への依存が強い(同じアプリケーションがないと表示できない)。そのため、マイクロソフト・ワードMicrosoft Wordで作ったワープロ文書などを電子メールに添付して送りつけたりすべきではない(たとえば、PDFを使うのは、より優れた選択である)。
また、ワープロ文書は印刷して使用することを前提とするものである。そのため、重要なデータをマイクロソフト・ワードのワープロ文書で保管したりするのも好ましいものではない。
電子文書の処理とは?
文書の『処理』とは、本来は、文書の作成や編集、整形や組版、検索や加工、表示や印刷、保存や記録、配布や公開など、広い意味を持つものである。つまり、コンピュータで電子文書を利用したり、電子文書を使って何かの作業を行なったりすることは、いずれも『文書処理』であるといえる。
一方、ビジネスの現場(たとえば、会社のなか)で「文書処理」というときには、コンピュータを使ったビジネス文書の作成業務(文案作成→データ入力→整形→印刷)、特にワープロソフトでビジネス文書を作成することを指す。それに対して、文書の記録、整理、集計、保管などの業務は、「文書管理」Document Managementと呼ばれる。
『文書処理』の2つの意味
- コンピュータで電子文書を取扱うこと:広義
- コンピュータでビジネス文書を作ること:狭義
文書処理の授業内容について
ビジネス作文の授業でビジネス文書の作成について学ぶことになっている。
そのため、文書処理の授業では、ビジネス文書の作成だけでなく、より一般的な文書処理について学ぶことにする。