相手が名乗らない場合
電話のとりつぎを頼まれても、相手がだれかわからないままとりついではいけない。相手が名乗らない場合は、必ず相手がどこのだれなのかを確認するようにする。
相手が会社名も名前も言わないとき
※「失礼ですが」と断ってから名前を聞くようにする。また、そのときにも「×誰ですか?」、「×名前を教えてください。」などとはいわない。
相手:「すみません。企画課の真田さんいらっしゃますか。」
自分:「失礼ですが、どちら様でしょうか?」
相手:「富士食品の角と申します。」
自分:「ありがとうございます。富士食品の角様でございますね。」
相手が会社名しか言わないとき
「失礼ですが、[相手の会社名]のどちら様でしょうか?」
相手が会社名しか言わないときは、相手の名前を聞くようにする。
相手:「三給電器の者ですが、高松係長いらっしゃいますか?」
自分:「失礼ですが、三給電器のどちら様でしょうか?」
相手:「上田と言いますが。」
自分:「ありがとうございます。三給電器の上田様でございますね。」
相手が名前しか言わないとき
「恐れ入りますが、どちらの[相手の名前]様でしょうか?」
相手が名前だけを名乗ったときは、間違いを防ぐために会社名を聞くようにする。
相手:「わたくし、鈴村と申しますが、課長の柳川様いらっしゃいますか?」
自分:「恐れ入りますが、どちらの鈴村様でしょうか?」
相手:「竹北運送の鈴村です。」
自分:「ありがとうございます。竹北運送の鈴村様でございますね。」
相手の名前が聴きとれなかった場合
「恐れ入りますが、もう一度お願いできます(でしょう)か。」
「恐れ入りますが、もう一度おっしゃっていただけます(でしょう)か。」
「恐れ入りますが、もう一度お伺いできます(でしょう)か。」
声が小さくて聴きとれない場合
「恐れ入ります。({少々/少し}){お電話/お声}が遠い(ような)のですが……」
※「×えっ?はい?何ですか?」などとは言わないこと。また、「×少し声が小さいので、もう少し大きな声でお願いできませんか?」などと相手に直接要求する表現を使うのは失礼である。「お電話が遠いようなのですが……。」のように婉曲に表現するべきである。
相手の名前がはっきりわからなかった場合
「[相手の名前]様{ですか/でしょうか}?」
相手の名前がはっきりわからなかったときは、自分が聴きとった発音を復唱して確認するようにする。
相手:「アイダ設備の間と申しますが……」
自分:「間様ですか?」
相手:「はい。そうです。」
相手:「アイダ設備の間と申しますが……」
自分:「風間様ですか?」
相手:「いいえ。間です。『アイダ』と書いて『ハザマ』です。」
自分:「あ、間様でしたか。大変失礼いたしました。」
アルファベットだったとき
「恐れ入りますが、スペルでお願い{できますか/できますでしょうか}。」
欧米系の外国人は、自分の名前を日本式に発音しなかったり、そもそも日本語の発音が悪かったりするので、アルファベットの綴り(スペル)を質問するのが無難である。
相手:「B & G company の Andersenですが」
自分:「恐れ入りますが、スペルでお願いできますでしょうか。」
相手:「A、N、D、E、R、S、E、N、Andersenです。」
自分:「アンダーソン様ですね。失礼いたしました。」