練習問題1
問1
次の文章を読んで〔 1 〕〜〔 5 〕に入れるのに最もよいものを1〜4からひとつ選びなさい。
現在、世界ではどれくらいの数の言語が使用されているだろうか。この問題にはっきりした数字で答えることは難しいが、さまざまな研究の結果から見ると、約5000というのが妥当な数字だろうと思われる。
このように世界では多くの言語が使用されているが、多くの使用者を持つ言語はかなり少ない。人々が日常的に使用している言語についてみても、使用人口の多い順から10の言語で全体の80%以上、20の言語では94%〔 1 〕。これは、世界の言語を5000語と考えた場合、たった0.4%の言語を世界の94%もの人々が使用しているということである。
いわゆる「少数言語」の中には、使用人口が数人未満の言語、なかには2人というもの〔 2 〕あるといわれる。現在、半数を超える言語が絶滅に向かっているといわれており、将来的には現在存在する言語の90%以上が〔 3 〕と考えられているのである。
言語の数が減ること〔 4 〕、メリットとデメリットがあるといわれている。まず、少数言語の使用者が自らの言語を捨てて英語などの大言語を選択することは、より多くの人を経済のマーケットに取り込むことにつながり、経済的な面からは好都合である。〔 5 〕、文化的な面からは、少数言語の絶滅は望まれるものではない。言語は、コミュニケーションの手段であるのみならず、人類の知恵が詰まった巨大なデータベースでもあり、一つの言語が失われることは多くの知恵が失われることを意味するからである。
- 〔 1 〕
-
- が占めている
- が占められている
- を占めている
- を占められている
- 〔 2 〕
-
- さえ
- には
- だけ
- しか
- 〔 3 〕
-
- 絶滅するおそれがある
- 絶滅するわけにはいかない
- 絶滅しないにすぎない
- 絶滅しないものではない
- 〔 4 〕
-
- とは
- なら
- でも
- には
- 〔 5 〕
-
- および
- いっぽう
- それとも
- しかも
問2
次の文章を読んで〔 1 〕〜〔 5 〕に入れるのに最もよいものを1〜4からひとつ選びなさい。
ブロークン・ウインドウ・セオリー(割れ窓理論)と呼ばれる考え方があります。これは、アメリカの心理学者が1980年代に発表した説で、小さな規則違反を放っておくと、やがて大きな規則違反が増えてしまうというものです。
たとえば、建物の窓ガラスを割ることは小さな犯罪です。ですから、多くの人〔 1 〕、建物の窓ガラスを割ることは心理的に抵抗の大きいことだといえます。〔 2 〕、建物の窓ガラスの1枚が割れたままになっているとき、隣の窓ガラスを割ることは心理的な抵抗が非常に少ないものになるというのです。割れた窓ガラスがそのまま〔 3 〕されていることは、その建物に管理者がいなかったり、あるいは、だれもその建物に関心を持っていないことを意味するものとなるわけです。みなさんにも、そこがゴミ箱〔 4 〕、他の人が捨てているという理由でゴミを捨てた経験はないでしょうか。
社会においても、落書きやゴミのポイ捨てなど、小さな規則違反(ごく軽い犯罪)が放っておかれると、不道徳なことへの心理的抵抗が非常に少なくなり、さらに規則違反が行われるようになると考えられます。その結果、社会の道徳が低下して、さらに大きな規則違反(重い犯罪)が行われるようになるというわけです。
これを逆に考えれば、たとえ小さなもの〔 5 〕、あらゆる規則違反に注意を向けることで、重い犯罪を未然に防ぐことができるということになります。1990年代にアメリカのニューヨークでは、この考えをとりいれることで、犯罪を大きく減らすことに成功したといわれています。
- 〔 1 〕
-
- にあたって
- にとって
- にかんして
- によって
- 〔 2 〕
-
- だから
- つまり
- しかし
- そして
- 〔 3 〕
-
- で
- の
- も
- に
- 〔 4 〕
-
- でないにもかかわらず
- どころではないけれど
- ではないことによって
- にほかならないので
- 〔 5 〕
-
- であっても
- というより
- はなくても
- だからこそ
問3
次の文章を読んで〔 1 〕〜〔 5 〕に入れるのに最もよいものを1〜4からひとつ選びなさい。
みなさんは、こんな手品を見たことがあるだろうか。〔 1 〕図形が書かれた4種類のカードが用意されている。観客のひとりが、その中から1枚のカードを選ぶ。手品師は目隠しをしていて、どのカードが選ばれたのか見ることはできない。観客は自分が選んだのがどのカードかを会場の人たちに見せてから、そのカードを隠してしまう。その後で、目隠しを外した手品師が、観客が選んだのがどのカードか見事に〔 2 〕のである。
この単純な手品は、そのタネ〔 3 〕単純である。たとえば、アシスタントや司会者が「さあカードは?」と言ったらAのカード、「どのカード?」ではBのカード、「カードの種類は?」ではCのカードといった約束を事前に決めておけばよいのである。それだけで、100%の確率で手品を成功させることができる。もちろん、協力者がウソをつかないことが条件ではあるが。
しかし、こんな単純なタネでは観客にすぐに見破られてしまうだろう。そこで用いられるのが「サイレント・コード」、直訳すれば「無音の暗号」と呼ばれる工夫である。これは、選択可能な数より一つ少ない数の約束を使うということで、たとえば、4種類のカードならば3種類の約束しか決めないということになる。〔 4 〕、その3種類以外のすべてのものが最後の4番目を指し示す「サイレント・コード」となるのである。
上の例で言えば、「何だかわかりますか?」「カードが見えていますか?」などの語が、すべてDのカードを示すというわけだ。たったこれだけの工夫で、単純なタネが複雑で見破られにくいものに〔 5 〕不思議である。
- 〔 1 〕
-
- 同一の種類の
- 1枚のカードと
- 異なる数字か
- 4枚のカードに
- 〔 2 〕
-
- 当ててあげる
- 当ててくださる
- 当ててみせる
- 当ててもらう
- 〔 3 〕
-
- を
- も
- では
- には
- 〔 4 〕
-
- そして
- しかも
- ならば
- にもかかわらず
- 〔 5 〕
-
- 変わるにしても
- 変わらないだけに
- 変わらないのなら
- 変わるのだから
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