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050720
 
今日、生まれましょう。
 
 
  今日は、初心者の方々に説明したいことがあって、ちょっと睡眠時間
 
 削って書いちゃいます。
 
 
  僕がイギリスで学んでた時、同じクラスにとても英語学習に積極的
 
 で、授業中にも一番意見を言う場面の多い女性がいました。ギリシャ
 
 人のかわいい人なんです。
 
 
  もう一人ギリシャ人の、今風に言うとイケメン君がいましたが、彼
 
 の方はそれほど積極的ではなく、僕たちと同じくらいの回数しか発言
 
 はしませんでした。
 
 
  あとフランス人でとても美しい女性がいて、彼女もかなり積極的で、
 
 発言数は多かった。
 
 
  最初のギリシャ人女性も、フランス人女性も英語の力自体は、他の
 
 僕たちとあまり変わらなかったんですが、3ヶ月もすると、この2人、
 
 周りの僕たちにも分かるくらい、進歩が早かったんです。
 
 
 
  さて、いったい何が言いたいか。
 
 
  この2人は、実は周りのみんなからあまり好かれていませんでした。
 
 他の人の発言時間まで横取りするくらい自分の意見を言うことが多か
 
 った。
 
 
  でもそのことが原因で、みるみるうちに力をつけていったのがこの
 
 2人でした。もちろん、ただのおしゃべりさんではなく、2人ともす
 
 ごく努力家でしたよ。
 
 
  やっぱり、言葉を上手に使えるようになるには、たくさん言葉を使
 
 わなきゃいけないみたいですね。
 
 
  泳げるようになるには、理論を理解するより、飛び込んで泳ぐのが
 
 1番です。
 
 
  大学時代にスイミングのコーチとして3歳児を受け持ちました。そ
 
 の時の僕の指導法は、見込みのある子には、十分にヘルパー(浮き)
 
 をつけて、「高い高〜い」と持ち上げて、そのままプールにどぶーん。
 
 そう、投げ込むんです。中には泣いちゃう子もいましたが、泣きなが
 
 らも必ず手足を動かして、いつの間にか動いている自分に気づくと、
 
 みんなすぐに一生懸命に泳いでましたよ。ガラスの向こうで見ている
 
 お母さんはびっくりしたでしょうね。
 
 
  帰ってきた子供達を「すごい。上手だったよ。」ってほめてあげる
 
 と。中には「もう1回!」って言う子までいました。
 
 
  泳げるようになるには泳ぐこと。話せるようになるには話すことで
 
 す。間違いなんてどうでもいい
 
 
  水に投げ込まれた子供達は、水泳のスの字も知りません。泳法のか
 
 けらも分かってません。でも頑張って泳いでくれました。そして、5m
 
 泳いで僕のところまで戻ってきました。泳ぎ方などどうでも良いんです。
 
 とにかく泳ぐことです。格好を気にしなくても良い。初心者に出来ない
 
 のは当たり前です。出来ないことは恥ずかしいことではありません。
 
 
  最初のギリシャ人の女性もフランス人の女性も、ちょっと日本人に
 
 は真似しにくいタイプですよね。だから、出しゃばりにまでなる必要
 
 はないんですが、彼女たちの精神は見習うべきかも知れません。
 
 
 
  さて、今日のテーマです。
 
 今日生まれましょう。Let us be born today.
 
   ☆☆「生まれる」は必ず受け身で使います。bear は「産む」。
 
  自分で自分を産むことはありませんね。
 
  お母さんに産んでもらうんです。「産まれる」の「れる」は、
 
  実は「受け身」なんです。
 
 
  「赤ちゃんが母国語を学ぶように」と言うのは、よく言われる
 
 ことですが、ここでは、一般に言われていることとちょと違った
 
 観点から見てみます。
 
 
  赤ちゃんは、言葉を「聞き」ます。「話し」ません。もちろん
 
 「読み」ません。まして、「書く」ことはないです。
 
 今日、産まれましょう。まず、「聞き」ましょう。
 
 10年後、ちゃんと聞けるようになって話せる(10歳の英語を)
 
 ようになるのが目標です。20年後は二十歳の英語を「読み」、
 
 「書ける」ことを目標にしませんか。
 
 
  次に、赤ちゃんが「聞く」言葉は「基本」ばかりなのでしょうか。
 
 「ゆっくり」話される言葉ばかりでしょうか。
 
 
  違いますよね。もちろん、赤ちゃん本人に語りかける時には、誰
 
 もが、ちょっとだけゆっくりになったり、易しい単語を使ったりは
 
 します。でも、赤ちゃんがいるからといって、お父さんとお母さん
 
 の会話の速度は変わりますか。赤ちゃんの周りだけ、言葉のレベル
 
 が下がって基本表現を使ったりしますか。
 
 
  そうです。赤ちゃんは、普通の速さの、普通の会話を、いいえ、
 
 難しい会話さえ耳にしているのです。赤ちゃんは、自分のレベルに
 
 あわせて欲しいなどど言わないし、思ってもいません。
 
 赤ちゃんが聞いている言葉の9割以上が、普通の速度の普通の会話
 
 なのです。だから、普通の会話の速度に「慣れて」いけるのです。
 
 
  自分のレベルに合わせてもらっていては、赤ちゃんよりずっと成
 
 長が遅くなります。成長出来るかどうかさえ怪しいかも知れません。
 
  初心者の方々、今日産まれて、赤ちゃんになりましょう。
 
 
  次に、間違いですが、5歳くらいの子供を想像して下さい。
 
 間違うことを恥ずかしいと思っているでしょうか。いいえ。言葉の
 
 間違いは周りの大人が直してくれて「当たり前」くらいに思ってま
 
 すよね。周りの大人も、間違ったら「丁寧に」直してあげる。ただ、
 
 この段階で、間違ったことで叱られたりすると、子供の言語の成長
 
 に支障が出ます。
 
 
  ほとんどの場合、自分が間違った言葉を、周りの人間が笑っても、
 
 自分も一緒になって笑ったり出来るのがこの段階です。そういう
 
 子供になっちゃいましょう。
 
  自分の間違いを、正しい言葉を学ぶチャンスと考える。難しいこ
 
 とだけど、これが出来ると言葉の達人になる道がどんどん開けてき
 
 ます。
 
 
  こう考えましょう。
 
 They are not laughing at me. They are laughing with me.
 
  笑われてるんじゃなくて、一緒に笑ってるんだ。
 
  laugh at 〜は「馬鹿にして笑う」 laugh with は「一緒に笑う」です。
 
 
  もっと進んで、 I am making them laugh. 僕が笑わせてやってるんだ。
 
 なんて考えられるといいんですが。これはちょっと難しいですね。
 
 
 
  僕の生徒の中に、たった1年で偏差値を30以上も上げる生徒が
 
 います。
 
  そうした生徒に共通した特徴の一つがこの「間違いから学ぶ姿勢」
 
 です。もちろん、思春期の子供達ですから、「恥ずかしい」という思
 
 いを完全に捨てきれている訳ではありません。でも、「恥ずかしい」
 
 思いよりも、そこから学んでやろう、という姿勢の方が大きいんです。
 
 
  ついでに言うと、そうした生徒達のもう一つの特徴が、「知ってる
 
 こともちゃんと聞く」という姿勢です。偏差値が60〜65位になる
 
 と、鼻が高くなって、自分は周りより出来る、とか思ってしまって、
 
 「そんなの知ってる」という態度が出始めます。ところがそうした生
 
 徒はそこで成長が止まることが多い。「知ってる」と思ったことの間に
 
 出てきた「知らない」ことを聞き逃してしまうからです。偏差70を
 
 越してどんどん伸びる生徒は、「謙虚」です。「自分はまだまだだ」と
 
 思っているので油断をすることが少ない。だから、知ってることは
 
 「そうそう、そうだ。」と思って聞き、知らないことが出てきた時、
 
 キラッと目が輝く。「そうなんだ!」と思った瞬間にもうそのことを
 
 覚えてしまう。すごい子供達です。
 
 
  この「謙虚」な姿勢と、「学びたい」という意欲を持って、そして
 
 「間違い」を何とも思わない、というよりむしろチャンスと考えるく
 
 らいの子供になってみましょう。
 
 
  そうすれば20年後には確実に二十歳の英語を身につけられますよ。
 
 
  初心者の皆さん。あなた達はみんな、今日産まれた僕の子供です。
 
 お父ちゃんに何でも聞きなさい。このお父ちゃんは厳しいけど優しいよ。
 
  なんか、、、新興宗教みたいかな?
 
 
  さて、今日産まれたとして、これから2、3ヶ月はちょっと単語と
 
 基礎に集中してみませんか。このホムペで単語と、☆21 の文型を勉
 
 強してみて下さい。中級の人でも、文型が苦手な人は多い。でも、英
 
 語の文には必ず文型がある。だったら1からやり直してみましょう。
 
 
  自動詞って何。他動詞って何。補語って何。目的語って何。そんな
 
 知識も実は上級になればなるほど必要なものなのですが、そうなった
 
 頃には、何だか「恥ずかしくて質問できない」なんて思ってる人が多
 
 い。だったら今のうちにもう一回復習しておきましょうよ。
 
 
  TOEIC500を目指す人は☆0の基本単語を1ヶ月に付き300個。
 
 その上を目指す人は重要単語を1ヶ月に300個。1年で1500全部
 
 消化する、というのはどうでしょう。忙しい人はまず、最初はカードを
 
 作るだけでもやってみましょう。
 
 
  ホムペのカードそのままでも、穴を開けてもいいし、市販の単語カー
 
 ド等に貼り付けて使ってもいい。希望者がいれば、試験を作っても良い
 
 かな、と考えてます。
 
 
では。
 


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