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050803 TOEIC500点以上向き
 
☆☆ペーパーバックに挑戦。☆☆
 
今日のテーマは2つです。訳すことの難しさと、ペーパーバック
 
 
 ペーパーバックについては、後半なので、
 
そっちに興味のある方はそこから読んで下さい。
 
 
 日本語に訳すということ。和訳の難しさ。
 
1.それは、単語の意味が一つではない、ということ。
 
 ‘Man is the only creature that consumes without producing.
  男       生き物    消費する     製造する
  人       同情     破壊する     生産する
  人類      人      食べ尽くす    子を生む
  一人前の男   手先     夢中にさせる   示す
  最適任者    創造物             引き起こす
          見慣れない生き物
 
 この文の4つの単語にはそれぞれ4つ以上の意味があって、
 
その判定が難しいですね。
 
 
 
2.そして、「日本語と英語は違う」ということ。
 
 例えば、上の文に続く、次の文の he は、全て、訳してはいけないんです。
 
この he は「人間」という意味であって、「彼」では全く意味をなしません。
 
animals をさす they も訳さない方が日本語になります。「彼ら」という語は
 
僕の生徒の間では禁句です。「一切使うな」と教えています。
 
 でも、日本語でなく、英語そのものの勉強なら、訳す必要はなく、英語を理
 
解して、英語を覚えればいい。幸い、みなさんは受験生ではないですからね。
 
では、次の文を理解して覚えてみましょう。
 
 
  He does not give milk, he does not lay eggs, he is too weak to pull
 
 the plough, he cannot run fast enough to catch rabbits. Yet he is
 
 lord of all the animals. He sets them to work, he gives back to them
 
 the bare minimum that will prevent them from starving, and the rest
 
 he keeps for himself.’
 
 
    2.‘Man is the only creature that consumes without producing.
     生産せずに消費する生き物は人間しかいない。
 
 He does not give milk, he does not lay eggs, he is too weak to pull
 牛乳を出すわけでなく、卵を産むわけでもなく、弱すぎて鍬も引けない。
 
 the plough, he cannot run fast enough to catch rabbits. Yet he is
      ウサギを捕まえられる程速く走れるわけでもない。 なのに、
 
 lord of all the animals. He sets them to work, he gives back to them
 全ての動物の上に君臨している。動物を働かせ、   その見返りには
 
 the bare minimum that will prevent them from starving, and the rest
  動物が飢え死にしないぎりぎりのものしか与えず、残りは全て
 
 he keeps for himself.’
 自分のためにとっておくのだ。
 
 
 Man is the only creature (生き物は人間しかいない)
       only = 〜しか…ない
 
 that consumes without producing. (生産せず消費する)
 
 He does not give milk, (乳は出さない)
 
 he does not lay eggs, (卵は産まない)
 
 he is too weak to pull (弱すぎて引けない)
 
 the plough, (鍬)
 
 he cannot run (走れない)
 
 fast enough (十分速く)
 
 to catch rabbits. (ウサギを捕まえるのに)
 
 Yet (なのに)
 
 he is lord (君主だ)
 
 of all the animals. (全ての動物の)
 
 He sets them to work, (動物を働かせ)
 
 he gives back to them (動物に返してやる)
 
 the bare minimum (最低限のもの)
 
 that will prevent them from (動物にさせない)
 
 starving, (餓死すること)
 
 and the rest (そして残りは全部)
 
 he keeps (取っておく)
 
 for himself. (自分のために)
 
 
 
 上の文は僕の好きな本、Animal Farm の中に出てくる一場面です。
 
 
☆★☆物語☆★☆
 
 イギリスのある農場で、農場主の夫婦が眠りこけている。
 
 納屋で年老いた豚の「メイジャー」が他の動物たちを前に演説をする。
 
その内容は、「動物の自由をいつか手にするんだ。」というもので、
 
その一部が上の文です。
 
 その後まもなく、メイジャーは死ぬが、その遺志を継いだ豚たちを中心に、
 
人間を追い出すことが出来てしまう。
 
 そして、自由平等の名の下に動物達の自治が始まる。
 
だが、成り行き上、豚が支配階級になっていき、最後には、、、、。
 
 
 どうですか。興味が持てそうなら是非、英語で読んでみて下さい。
 
100ページほどの短い作品です。
 
もうある程度ストーリーは分かりましたね。だから、
 
辞書を引かなくても、結構楽しめるはずです。
 
Jeorge Orwell の作品です。
 
 
 
 
ペーパーバックの薦め。☆
 
 例えば、上の本を読むとしましょう。ペーパーバックでは、
 
最初のほうのページに知らない単語が一杯出て来ることが多い。
 
だから、学生さんなどは、ここであきらめて「つん読」の書庫
 
にその本は行っちゃいます。
 
 
 どうすれば、それを避けられるのでしょう。簡単です。
 
知らない単語は無視すればいい。でも、これがなかなか
 
出来ない人もいますね。
 
 
 極端な言い方をすると、最初のほうのページは、登場人物
 
さえ把握すればいいんです。
 
 
 でも、ペーパーバックの最初のほうのページには難しい単語
 
が結構多い。これは、文学作品における場面設定の重要性とい
 
う点から仕方のないことなんですが、外国語として学んでいる
 
者にとっては、ここが最大の壁になってしまう。
 
 
 この本を初めて読んだ時、僕はドイツからポルトガルに向かう
 
列車の中でした。幸い(?)辞書は持ってませんでした。
 
 
 でも、その頃すでに僕なりのペーパーバック読書法を編み出
 
していたので、なんの問題もなくこの本を楽しんで読みました。
 
その方法はこうです。
 
 
1. ラインマーカを準備する。(当時は赤鉛筆でしたが)
 
  それで、知らない単語の下に線を引く。
 
  知らない単語は、2回目に読む時に辞書を引くつもりで
 
 そのために印だけを付けておくのです。一切辞書は引きません。
 
 
2. 次に、「この文いいジャン」とか「この文覚えよう」って
 
 思ったらその文に線(文字の真ん中、文字に重ねて)を引く。
 
 ラインマーカなら、塗りつぶす。それでどんどん読み進んで
 
 いきます。
 
 
3. 上で言ったように、登場人物は大切です。特にこの本では
 
 たくさん動物が出てくるので、途中で分からなくなっちゃわな
 
 いように、表紙の次の白紙のページペンで書き込んでおきます。
 
 ノートとか、メモ帳ではなく、そのものに書いちゃうんです。
 
 
 たったこれだけです。つまり、辞書を引かないことなんです。
 
確かに、この方法で内容を楽しむことが出来るためには、TOEIC
 
言うと、最低600点前後の力がいります。英検なら2級くらい
 
ですかね。でも、ある程度内容を知っていれば、500点準2級
 
くらいでも、この方法で、かなり楽しめます。
 
 
 さて、大切なのはその、楽しみ方です。知らない単語は確かに
 
一杯出てきます。でも、知ってる単語だけの文もかなり多い。そ
 
の文を楽しめること。それが大切です。知ってる単語ばかりで出
 
来ている文に1つくらい知らない語があっても、何とか意味は分
 
かります。それで十分、楽しんで読むことが出来ます。
 
 
 そうやって、自分が知っている語だけで出来ている文の中に、
 
お気に入りの文を見つけて、それを勉強したり、暗記したりします。
 
そういった勉強が、実は外国語学習にはとても大切なんです。
 
 
 もちろん、どうしても辞書を引きたい語はその場で引いても
 
かまいませんが、あまりそのことにこだわって、楽しめない、って
 
ことがない程度にしましょう。
 
 
 自分が気に入った文で、前置詞や文法を確認して学びなおす。
 
そしてその文を覚えて自分のものにする。色々な参考書や表現集で
 
あまり興味のない表現を覚えるより、ずっと楽しめると思いませんか。
 
 
 それでもし、本当に2回目を読んだら、その時は辞書を引く。
 
(実は、僕は今まで、この、2回目で辞書を引いた本が半分もありません。)
 
 
 そうやって楽しんだ本の中で、自分が線を引いた語だけを後で辞書
 
で引き、その単語や熟語を勉強すると、他のものを使うよりも頭に入
 
りやすいし、使い方まで身につけることが出来ます。
 
 
 この方法で、自分が知らない単語を探すために読書する。あるいは、
 
覚えるためのお気に入りの文を探すために読書する。そういう読書が
 
結構役に立つんです。
 
 
 お気に入りの本は、読書上手の人でもなかなか見つけるのが難しい
 
です。英語の本ならなおさらです。だからそれを見つけるための読書
 
をする。
 
 
 それほど気に入らない本でも、単語学習にはなるし、どんな本に
 
だって、お気に入りの文が1つや2つは見つかります。それだけで
 
も結構価値があります。
 
 
 そうやって見つけた文をパソコンに打ち込んでためていくと、
 
自分用の暗記例文集が出来上がる。
 
 
 それに、電車の中とかで、パーパーバックを読んでると、それだけ
 
でもちょっと気分良くないですか。
 
 
 本立てにペーパーバックがあるだけでも、他の飾りよりかっこよか
 
ったりしますよね。
 
 
 どうですか。少しは読んでみようって思いましたか。
 
 
 そう思ったら早速今日、本屋に行ってみましょう。
 
 
 Never put off till tomorrow what you can do today.
 「思い立ったが吉日」=今日できることを明日に延ばすな。
 
では。
 
 
 
 P.S.
  それでは、テストです。
 
    空所に適語を記せ。
     ‘Man is the only (       ) that (       ) without
 producing. He does not (     ) milk, he does not (     ) eggs,
 he is too (      ) to pull the plough, he cannot run fast
 (      ) to catch rabbits. Yet he is lord of (      ) the
 animals. He (      ) them to work, he (      ) back to them
 the bare minimum that will prevent them (      ) starving, and the
 (      ) he keeps for (      ).’
 
 
 
 
    ‘Man is the only creature that consumes without producing.
 He does not give milk, he does not lay eggs, he is too weak to pull
 the plough, he cannot run fast enough to catch rabbits. Yet he is
 lord of all the animals. He sets them to work, he gives back to them
 the bare minimum that will prevent them from starving, and the rest
 he keeps for himself.’
 
 1. creature 2. consumes 3. give 4. lay 5. weak 6. enough
 7. all 8. sets 9. gives 10. from 11. rest 12. himself
 
 
 


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