第3学年1組 社会科 学習指導案
指導者 教諭 野島恭一
1 日時・場所 2004(平成16)年11月1日(月)第4校時 3年1組教室
2 題材名 経済5 国際経済@ 「貿易をしよう」 (本時1/3)
3 単元構想
経済分野は本来日常生活に直結するおもしろい内容なのだが、通常の授業だと講義中心で難しくなりやすい。今回の指導要領から、日常生活との関係を重視するねらいから、家計(消費者教育)を増やし国際経済が削除されるという大きな変更があった。私は、このねらいは正しいが、内容の変更や削減ではなく、知識注入という授業形式を変えることこそが必要であると考えている。そして、そのために、ここ数年は経済の授業を完全に再構成し、教室に授業用通貨と商品を用意し、生徒が生産者と消費者になって、仮想の市場経済をつくるというシミュレーション中心で行っている。各クラスで政府が折り紙を1枚千円で売り出し、生徒が企業を作ってそれを購入し折り鶴に加工し販売する。生活班でそれを購入し千羽鶴をつくるというものである。このやり方だと、国際経済も無理なく扱うことができる。むしろ削除しない方が楽しく学習が続けられるのである。大人の入り口に立っている生徒たちは、日常の経済行為にとても興味を持っている。このシミュレーション体験を通してふだんのの行動の背景にある原理や社会科学的なものの見方にふれると、飛躍的に興味関心や科学的思考力・合理的行動力を伸ばすことができる。
本時は第5単元「国際経済」全3時間中の1時間目に当たる。シミュレーション活動で、鶴のクラス間貿易をはじめようとすることから、貿易と国際分業のプラス面とマイナス面を考えさせるのである。また、情報機器の活用例として、現実の国際経済の生き生きした現実にふれさせるために新しく教室に設置された校内Lanでインターネットの為替相場を中継する。
4 本時の目標
B 貿易の意味と役割を知り、日常生活を世界経済の視点からとらえることができる。<関心意欲>
5 学習過程
学 習 活 動 |
指 導 ・ 支 援 と 評 価 |
・シミュレーション活動を行う
鶴を生産し売り買いする。
・政府の生徒が「貿易をするか、鎖国するか」生 徒に意見を聞く。 |
・政府役の生徒に「貿易に参加するかどうか」 国民の意思を尊重して意志決定をするよう あらかじめ伝えておく。
・家計と企業にわけて貿易をするときのプラ ス面とマイナス面を整理させる。
・貿易を開始した場合の企業のプラス例とし て日本の工業製品の市場席巻、マイナス例 として日本の食料自給率の減退、家計のプ ラス例として100円ショップ、マイナス 例として、国内企業倒産による失業増を説 明する。家計と企業の両方のマイナスが重 なった場合植民地と同じであることに気づ かせる。
◎貿易が日常生活にどう関係するかを整理し て説明できたか <関心意欲>
・外貨の準備をしながら、為替相場について 簡単に説明し、相場の生々しい動きをイン ターネットで知らせ、次時につなげる |
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貿易のプラスとマイナスは何だろう |
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・家計と企業の両面で考える。まず、企業で話し 合い、次に家計で話し合う。
・どちらがいいか個人で意志決定する
・鶴の例を離れて、日本と世界の経済の具体例で 貿易のプラスとマイナスについて考える
・多数決でクラスの意志決定をさせる
・貿易を開始する場合は、外貨を準備する。(鎖 国する場合は、教師の説明を聞く)
・インターネットで為替相場の動きを見る。
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