第1学年1組 社会科学習指導案
                                  指導者 野島恭一
1 日時・場所  2002(平成14)年10月16日 3校時   1年1組教室
2 題材名    中世の歴史D 東アジアの変動
3 単元構想
  今時の新指導要領では、従来の日本一国の通史と異なり、時代の大きなまとまりをつかみ、 アジアとのつながりの中で日本の歴史をとらえるという、新しい試みがなされている。その方 向性が最も表れるのが中世であり、この単元では、従来の通史の羅列をやめ、4つの視角〜貴 族と民衆(武士・農民)・東アジア世界・自由民と交易・信仰と文化〜から当時の東アジアと 日本列島の様子を探るという構成をとった。本時は従来の通史の典型だった「元寇」を、広く 東アジア史全体の動きの中に位置づけて新しい視野の元で眺めることで、中世の多様な動きを 見る視点を養いたい。
4 本時の目標
  B 日本の中世の背景にある東アジアの変動のあらましを説明することができる<知識理解>
  A 日本列島の中世が東アジア全体の変動と結びついていることを、元寇が負けずにすんだ理   由を考えることで説明できる。<思考力>
5 学習過程
        学習活動        支援と評価
・「北条時宗」の文永の役のVTRを見る。
・元寇の経過を確認する。
・元寇が負けずにすんだ理由を発表する
・3回目が未遂に終わったことを知り、なぜ負 けずにすんだのかを考える
・小学校の学習の確認として従来の通俗通史 的「元寇」の話をし、台風・武士の努力な どを確認する。
・3回目の遠征軍が準備されていたことを知 らせる。
・ベトナムの元寇の例を挙げ、国内・自然要 因ではなく、東アジア全体で調べなければ いけないことを示唆する。


・律令国家唐の滅亡後、アジア各地に地域民 族国家・文化が生まれる動きがあった例と してウイグル文字・ひらがなを知らせる。
・宋銭を見せる。
・ヨーロッパが元をどう見たか知らせる。
・清明上河図を見せ、中世の中国の豊かさに 気づかせる。
◎東アジアの中世の各民族の自立と交流の動きのあらましをまとめられたか。<知識理解>
◎元寇の勝因をアジアの諸民族の抵抗に求めることができたか<思考力>
 
  なぜ日本は負けずにすんだのか  

・唐以来の10世紀から13世紀の東アジアの
動きを調べる。

・宋・高麗・ウイグル・ベトナムの成立など東 アジアの新しい動きを知る。
・日宋貿易・博多の住蕃貿易・日元貿易など東 アジア交易の増大した様子を知る
・世界帝国元の版図拡大の様子、帝国内交易
 の活発化の様子を知る。
・元滅亡後の東アジアの様子を知る
・東アジア俯瞰図に調べたことをまとめる。

・日本が負けずにすんだ理由を発表する。