教育史・学力観論争の原資料として

T書院の中学校歴史教科書(2002年度版と2006年度版)の編集に関わりました。この教科書は、新しい学力観に基づいて作られた画期的な教科書だと思っています。大正自由教育と戦後初期社会科が日本の教育にもたらした新しい理念を受け継いだ、教育史に残る教科書ではないかと思っています。その編集過程で関わった私の作った素原稿などの資料を少しずつ整理してここに記録しておきたいと思います。
 将来、社会科教育、教育学・教育史に関わる方にとってきっと興味深い資料となるだろうと思います。
 また、現在・今後の学力観論争や歴史教育の動向を考える上で、この資料の公開は意味のあることだと思っています。

2002(平成14)年版教科書
全体を歴史博物館に見立て、キャラクターとして歴史博物館の先生、学校の先生、生徒を登場させ、資料を通して自分たちで学ぶ構成を提案しました。また、新指導要領改訂の中心となった「歴史の学び方と地域の歴史」を作りました。
歴史博物館構想の原図

2006(平成18)年版教科書
前回の版で提案しながら実現できなかった、歴史イラストを単元の冒頭にもってきて、イラストから課題を設定して学ぶという教科書の構想が「タイムスリップ」という形で実現しました。
また、前回同様第1章を担当し、歴史スキルの学習内容をより発展させ使いやすくしました。



歴史イラスト(タイムスリップ)古代の原画

歴史イラスト(タイムスリップ)中世1(農村)の原画

歴史イラスト(タイムスリップ)中世2(港町)の原画(博多を想定)

歴史イラスト(タイムスリップ)近世1(農村)の原画(検地)

歴史イラスト(タイムスリップ)近世2(都市)の原画(江戸)