平成20年度  活動報告

 

Purity のぞみ愛媛支部 合同講演会実施報告

 

日 時;2008年8月30日(土)13:3016:30

場 所;松山市男女共同参画推進センター

    (愛媛県松山市三番町6丁目4-20

 

第一部       講演会 13:3015:00

「愛媛小児がん経験者グループ Purity(ピュアティ)の紹介」 永井 功造(Purity代表)

 主な活動は、月に1回の定例会と年に1回の懇親会であり、その中で情報交換やお互いの経験・悩みを分かち合えるような機会をもっている。仲間づくりや、小児がんに対する正しい認識が広められるよう社会に働きかけも必要だと考えている。

 グループメンバーの中には、就職のこと、晩期障害のことなど様々な悩みを抱えている経験者がいる。はっきりした答えが導き出すことはできないが、そのことを共有する中で、意見を交わしたり励まし合っている。そういった過程で、就職について強力な援助の手がかりを得ることができた。

 また、年に1回は(小児がん経験者の会の)リーダー会に参加して、他の仲間とも交流を続けている。

 

「小児がん経験者の今」             MN(みんななかま)プロジェクト 小俣 智子

 小児がん経験者として、発症から現在までの経験と活動をもとに話がすすめられた。

 闘病生活においては、告知はできるかぎり早い段階で行った方が望ましいこと、治療が終了して学校に復帰する際には、身体的な変化や体力の低下などから、とても大変であったことが話された。

 小児がん経験者としての活動のきっかけは、守る会でボランティア活動を始めたことであり、守る会のソーシャルワーカーとの出逢いであった。進学や就職の際には、自分が経験者であることを周囲に伝えるかどうかとても悩むが、経験者が集まるとそのことは全く考えなくてよい。がんの種類は異なるが、同じような経験をしているので、お互いのことが理解できる。また、経験者として活動をすすめる中で、両親の気持ちや多くの人たちの支えがあったことを知ることができた。

 少しずつ経験を積み重ね、当事者として他の経験者とつながることから、経験者同士をつなげる場を考えたり、小児がんに幅広い理解が得られるような活動を行っている。

 

関西 小児がん経験者の会『まいど』から               小高 恵治

 関西でも数名であるが活動を行っている。結婚・育児や仕事の都合などの理由から継続的に活動していくことは難しいが、セルフヘルプグループの「必要でなくなればその時点で終了」と言う考えも必要である。試行錯誤しながら会を支えていきたい。

 

第二部       懇親会 15:2016:30

 懇親会では小児がん経験者のみの出席としに限定して行った。

 出席者11

     

          




講演会


日 時;2008年6月15日(日)13:00 15:30

場 所;愛媛県立医療技術大学 教育棟1F 117教室

    (愛媛県伊予郡砥部町高尾田543

 

講演会1 『小児の造血幹細胞移植について』

愛媛県立中央病院小児科部長 徳田桐子 先生

 

 はじめに,血液の成り立ちから造血幹細胞移植の種類(骨髄移植,末梢血幹細胞移植,臍帯血移植)の説明があった。骨髄提供ドナーを探す必須項目であるHLAの仕組みについて説明があった。一致率は兄弟間で25%,両親・親戚では1%,他人同士では数百から数万人に1人しか適合しない。HLAが一致しないと移植片対宿主病(GVHD)や生着不全がおこる。また,骨髄バンクに登録しても実際に移植できるまでには,3〜6ヶ月を要するため,すぐにでも移植する必要がある場合や骨髄バンクにドナーがいない場合には,臍帯血バンクに登録する。

また,移植の流れにおいては,前処置関連毒性(薬剤や放射線による副作用)や生着不全,GVHDに注意する必要があり,細やかに観察することと薬剤による対応が重要である。特に,移植後100日以降におこる慢性GVHDでは,肺への影響はダメージが強いため要注意である。晩期障害においても,治療から数年以降におこる場合があり,移植後の人生が長い小児を対象とした場合には心にとめて診ていかなくてはならない。

 

講演会2 『骨髄ドナーになって 〜 road to donor

まつうら小児科(西条市) 松浦俊人 先生

 

 医師として,ドナー提供者としての経験からの講演であった。

 ドナー登録後,最終候補者に決定して最終同意までには2〜4ヶ月を要し,骨髄採取日が決定して提供手術日までには1〜2ヶ月の期間が必要であり,この間の3〜5ヶ月はある程度生活が拘束されることになった。

 骨髄提供手術の場所と日程はドナーの希望が優先される。愛媛県には骨髄バンク経由の手術を受けられる施設は3カ所であり,講師の生活圏にあわせて施設を選択したが,日程はレシピエント側の希望に沿った形で行った。入院後から退院までを患者の目線に立って,症状やデータの経過を説明され,すべての臨床症状は一過性とのことであった。

 採取のための入院費用は,レシピエント側の健康保険で支払われるため,ドナー側の負担はない。支度金5,000円が支払われ,万一の事故に対しては骨髄移植推進財団加入の傷害保険が適応されるが,仕事の休業補償はなく講師も自営する医院を2.5日休業することになった。

 最後に,ドナーは大部分の人が骨髄提供に対して不安を感じているが,「もう一度提供を依頼されたらどうするか」には80%近くの人が提供すると答えているデータ(日本骨髄バンクニュースVol.29)を示し,自身が手術終了後にレシピエントからの手紙のとても前向きなことばに,骨髄提供できたことに満足感に満たされたと話されていた。

 

2つの講演終了後には,会場の幹細胞移植を経験した方より,『自分が移植を受けるまでには,色々な人の支えや援助があったのだなと感じることができた。 改めてこの場でお礼が言いたいです。』という言葉や,看護学生の『大学の授業では学べないことがここに来て勉強することができました。貴重な時間でした。』などの感想が述べられた。

 

文責:西田