人にやさしい器
〜笠間焼き・ユニバーサルデザイン食器〜
身体障害者の就労支援活動はNPO法人活きるの大切な本来活動のひとつであります。 障害者であるがゆえに、能力があるにもかかわらず就労のチャンスが非常に少ないのが現実です。 また、家族の中に重度の障害者が居てその介護のために働く環境を失う方も居ます。 現行の障害者制度では、なかなかそれらの方たちに就労環境を提供することができません。 また、ただ単に働く場を希望するだけでなく、自分の能力に適した職種に就きたいのは当たり前のことです。NPO法人活きるでは、何とかそのような方たちの夢が実現できるようにお手伝いをしたいと考えています。
そこで、NPO法人活きるでは、就労の場を提供するために平成18年度より準備を始めました。 実際には、多くの職種を用意することは現実的ではないので、いくつかの選択肢を提供するつもりです。 あまり効率的ではありませんが、ある程度希望する職種に従事することで、働く意欲にもつながるし、あきらめていた夢の実現にも近づくことが出来ると考えています。
まず、取り組んだことは、移動困難者のための外出支援(移送サービス)です。障害者にとって外出のために手段を提供することがとても大切です。 そしてその事務所運営は障害があっても出来ることは多いです。 しかし、行政からの協力依頼で、移動困難者が簡便に利用できるようにするために単価が非常に安く、収益にはなりません。 ただ、働く場の提供にはなって就労訓練にはなっていると思います。 今後、運営方法を行政側と相談しながら、収益につながるように考えていきます。
次に計画した事業は、販売事業です。 注文から仕入れや在庫管理、通信販売のウェブ管理など障害があっても出来ることがいっぱいあるはずです。 同じ販売でも、やはり障害と地元産業に関わりのあるものを考えました。 そこで、目をつけたのがユニバーサルデザインの食器です。 理事長の友人で陶芸作家の方にお願いしたところ、そのような食器の研究製作を行っている茨城県・工業技術センター窯業指導所を紹介してくれました。 早速、担当者に電話をして面会を求めたところ快く応じていただきました。 約束の日に、担当の方とお会いして、NPO法人活きるの活動目的や就労支援についてお話したところ、とても共感していただきました。 実際に研究、製作をしているのは窯業指導所の下で笠間在住のユニバーサルデザインに興味のある作家さんや歯科医師さん、食の研究家、介護関係で構成されたKDS(KasamaDesignSpirit)という研究グループです。 その場で、協力していただけることを約束していただいた上にその研究グループKDSの会員として迎えてくれることになりました。
その後、KDSの会議に出席し、会員の方たちに紹介していただき、今年度の取り扱いについて説明をしました。 まず、取手市のイベントに参加し、そこでKDSの作品を展示し、お客さんにユニバーサルデザインの食器を実際に手にとっていただき、その感触を確かめてもらいます。 そして、販売も行うことにしました。