--ある福祉関係の研修会に参加して--
平成17年8月10日
宮脇 貞夫
 先日、ある福祉関係の研修会に参加してきました。
 その研修会は、福祉用具を扱ったり、ヘルパー・ケアマネージャーを目指す方たちに対する講座です。
 その講座に招かれて、私の家庭をモデルにし、在宅障害者の生活状況を伝えてきました。
 私の家庭状況は、家内の満理子がクモ膜下出血による後遺症で全介助の障害者になりました。運動機能はほぼ全廃、食事は介助によって普通食、そして重度の高次脳機能障害があります。自分から要求や判断ができません。(詳しくはhttp://www.d1.dion.ne.jp/~miyawaki「まりこの車椅子」
 退院直後は、障害者の世界も福祉のこともまったくわからず、五里霧中の中、在宅介護が始まりました。しかし、満理子が障害者施設に通うようになり、そこの利用者であった現NPO法人活きる理事長の染野氏と知り合い、障害者世界のことを教えてもらい、また、福祉の世界に興味を持つようになりました。
 在宅介護は家族だけの力できるものではなく、地域の仲間、制度を有効利用して成り立つことを教えられ、それを少しづつ実行し、おかげさまで生活環境や精神状態も安定してきました。
 どうしても障害を持ってしまうと、人前に出ることに抵抗を感じたり、外出したくても手段がなく、働きたくても障害手帳があるというだけで就労のチャンスが拒まれたりしてしまいます。また、当事者だけでなく、介護者も同様の悩みがあり、それが増幅すると引きこもりになります。
 いくら悩んでも、現状が大きく変わることがないなら、人生楽しまなければ損です。目を外へ向け、明るく生きればおのずから道は開けてくることを自覚しました。
 仕事からも退き、時間の余裕が少し出て、今までお世話になった地域の障害者・福祉に恩返しのつもりで始めたボランティア活動が、今、「NPO法人活きる」で形になろうとしています。
 そんな話を皆さんに聞いてもらい、生活・身体機能状況から、ケアプランを立ててもらうことになりました。それは、介護保険の枠に縛られず、現有サービスを利用し、また、利用できるサービスがなければ、新たなサービスを考えて、どうすれば私たち家族が人間らしい生活をおくれるようになるかを考えることです。とてもユニークな企画です。
 1週間の期間で皆さんが考えたプランが提出されます。今まで考えられなかったサービスが出てくるかもれないので、非常に期待しています。
※1週間後
 前述の研修会での宿題が発表されるということで、満理子は欠席で私だけお邪魔することになりました。
 受講者を4グループに分け、各グループで考えたケアプランが披露されました。 情報は前回での私の話した内容と一応ホームページアドレスを教えたので、それも参考にされたと思います。
 
 主眼は私の就労機会の確保と満理子の楽しみを得るためのプランになっていました。 特に、今回の受講者の半分くらいは女性ということで、満理子に対する思いが伝わりました。
 その一部をご紹介すると、「訪問エステ」「ネールアート」「美容院」「白髪染め」「ショッピング」「コンサート」「カラオケのための発声練習」「介助犬の利用」そして「ホストクラブ」!!
なかなか、男では思いつかない新サービスを考えてくれました。
 私の就労に関しては、どうしても在宅での就労をが多く、介護から完全に開放されることはやはり難しそうです。 その中で、就労条件が比較的融通の利く具体的な会社名を挙げて、就職の斡旋をしてくれ、その上、サイドカー付ハーレーデビッドソンを買って、ツーリングタイムを組み入れてくれた方も居ました。

 総じて、思った以上にユニークな発想をしていただけたと思います。 これは、私たち夫婦の生活を、より潤いのあるものにするためにどうしたらよいかと、知恵を絞ってくれたおかげだと思います。
 実際の介護場面でも、同様に相手の立場を理解し、どうしたら人間らしい人生を送れるかを考えられる、すばらしい福祉従事者になって欲しいと思いました。

 皆さん、楽しい時間をありがとうございました。

report050810