●郷土料理 ラーメン●
今年に入り、独自のラーメン文化を持つ、札幌、室蘭、津軽地方を代表する名店の食べ歩きをしております。室蘭を例にとってみると今、町をあげてカレーラーメンをPRしておりますが、室蘭ラーメンの本質は地元の良質の昆布だしと臭みを除いた豚骨スープの印象が強い感がありました。室蘭市民にとって年配層には昆布だしの塩、醤油が、若い層にとっては札幌風の味噌、カレーが好まれるようです。このサイトをチェックしている皆様もこの店は味噌、あの店では醤油を注文といったパターンが多いのでないでしょうか。また、流派が同じでも店主のウデや感性で微妙な変化を感じとる楽しみがラーメンにはあります。このコーナーでも函館のマメさん系やすみれ系の彩末を取り上げましたがラーメンは豚ガラ、鶏ガラ、人柄といわれるだけあって店主、店員の情熱が舌では感じられない上質のスパイスとなる気がします。それにはいただく僕らの姿勢も大事となるでしょう。これからも一杯に感謝をしていただきます。

  なべさん食堂  熊石町
あわびの産地、人口約3500人の旧熊石(現八雲町)では知らない人がいないこの店の名物はあわびラーメン(¥1000) 地元名産のあわびが惜しげもなく丸々1個はいった贅沢な一杯。スープは動物系を感じさせない飽きのこないあっさり仕立て。若干、ぬるめ。麺は柔らかめ。そばやで食べるラーメンといった感じです。コッテリ、ニューウェーブと言った形容詞と対極の一杯。主役は限りなくあわびです。もの足りなく感じた僕の舌が化調や濃い味付けに麻痺しているのかと自問自答しました。 Tel 01398-2-3035

  なかよし 中央町支店 室蘭
旧室蘭駅から徒歩約5分。室蘭では3店舗を持つ老舗店。観光マップやサイトにあまり登場しないのですが、室蘭の年配層にとっては思い入れの深い店だそうです。写真は醤油。若干、しょぱいですが室蘭ラーメンの特徴である、根昆布のダシがマイルドに中和しております。麺は自家製麺。加水率が低いようで結構、柔らかく感じました。チャーシューはバラ肉。味が染みて旨かったです。全体的にはおとなしい感じですが、子供の頃、家で休日に食べるラーメンのようでホッとする感じもあります。 Tel 0143-22-2908

    味の札幌 大西  青森
店主は札幌で修行し地元の青森で営業して33年。青森の御当地ラーメンといえばマル海などの焼干しスープを連想しますが、この店は青森市民にとって特別な存在なようです。一番人気はみそカレー牛乳ラーメンだそうですが、味噌カレーを注文しました。いやみの無い好感度の高い一杯です。まろやかで油分の少ないスープに甘口のカレーの風味が広がります。青森在住の札幌市民も通うとのこと。店主も故 川谷拓三に似ていていい味をだしております。
Tel 0177-723-1036