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「遺言書作成の勧め」税理士 中野智之

2010⁄1⁄21

「遺言書作成の勧め」

お正月の風情が近頃変わってきたように思います。飲食店やデパートもほぼ通常通り営業していて、単なる長めの休みにしか過ぎなくなってきた感があります。それでも、「門松は 冥土の旅の 一里塚」と一休禅師が詠われたように、お正月が年月の節目であり、人生の節目であることには変わりありません。

そこで、この節目に自分の行く末のことを考えてみるのはいかがでしょうか。自分の終末を考えるのは縁起でもない、と思われる方もおられるかもしれませんが、お正月や自分の誕生日を節目に年に一度作成される方や結婚式などの機会に遺言書を作成される方もおられます。まだの方は是非一度、遺言書の作成をお勧めします。


まず、遺言作成のメリットは、遺言を作成することによって遺された親族の負担を少なくすることができることが挙げられます。「自分の家族は仲が良いから」と思っておられるなら、その仲の良さが壊れないためにも、自らの遺志を明確に残すことが大切です。ご家族を亡くされた相続人の方は、心労のため混乱されることが少なくありません。その混乱の中で財産の分割を進めていくと感情がこじれてしまうことも、ありがちなことです。そうならないためにも、自分の財産の行く先を自分で決めておくことで、ご遺族の負担が軽減できます。


次に、メリットの2点目として、現在のご自身の状況を省みることができる、ということが挙げられます。会社であれば、年に一回決算をします。その決算の数字と経営方針に基づいて、次期以降の経営を行っていきます。それと同じく、現在の財産の状況を客観的に把握し、それをご自身の人生観に立ってどう処分するか、そのことを文書化することで、作成日以降の様々なことの判断に役立てていくことができます。>

ところで、遺言書には大きく分けて2種類あります。自筆証書遺言と公正証書遺言です。それぞれのメリットとデメリットは次の通りです。


自筆証書:相続人本人が全文を自筆で作成する遺言書。

【 メリット 】
  他人の助けが必ずしも必要ではない。
  内容の変更が容易にできる。
  費用が安価。


【 デメリット 】
  書式や取扱いについて法律に基づかないと無効になってしまう可能性がある。
  相続人だけで作成できるので、紛失や偽造などの恐れがある。


公正証書:公証人役場で作成する遺言書。

【 メリット 】
  法律の専門家の下で作成するので、内容に不備がない。
  原本が公証人役場で保管されるので、紛失や偽造の恐れがない。


【 デメリット 】
  費用がかかる。
  内容の変更が自筆に比べて容易ではない。
  証人を用意する必要がある。



近頃は書店でも「エンディングノート」等の名称で作成の手引きが販売されていたり、「遺言書キット」が大手文具メーカー系の会社から企画されたりしています。まず、自筆で作成してみて内容が固まったら、公正証書の作成をすることで、万全の準備となるでしょう。






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