涙あふれて さようなら

涙あふれて さようなら
生死の分岐点
別れの臭い
舌先に痛み

下ばかり、向くなよ
何も、悪い事はしていない
昨日までの何もかも
俺達は、捨てたんだ

答えなし、いや、答えられない
「沈黙は、金なり」
グルグル回るだけさ
心の南回帰線

抱きたい、けれど、さようなら
過去のぬくもり
別れの訓練
全身に皮膚ガン

ここで絶対 さようなら
「また、いつか会えるさ」
空虚な空耳
足裏に幸せ

涙あふれて さようなら
捨てろ、一滴の希望も
しわがれた手で
心に「木杭」を打ち込むんだ



■書始−17/08/21:曲無。 ◇「涙あふれて さようなら」というフレーズから、湧き出た詩です。
「涙あふれて さようなら」というフレーズ以外、全体を貫く一つの思いはありません。
しかし、「涙あふれて さようなら」以下、言葉の響きに惹かれて、この詩集に入れました。

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