欲しい物(2000/4/18)


 
下記の文章、18日に書き上げていたものの、読み直したらあまり面白くないので、 一時は削除しようカナと思ったのですが、 もったいないので掲載してしまいます。プロじゃないな>女将(2000/4/21)


 こないだ、女将は誕生日でした。年を取るのが嬉しい年齢でもございませんが、 ”誕生日”という言葉には、楽しい響きを感じます。
 既にご承知の方も多いかも知れませんが、雲竹斎先生と女将の誕生日は近いので、 今年は女将の誕生日はないな・・・いや、下手するとあと20年くらいは無いか・・・と思っておりました。 ところが、先生のプレゼントの相談をしている最中、夫が、「で、女将ちゃんの欲しい物はなぁぁに? 身につける物限定」とおしゃっるではございませんではございませか。 夫が言う”身につける物”っていうのは、もしかして”づら”とか”おやじお面”とか”着ぐるみ”とかじゃないわよね・・・ と一瞬おののきましたが、ちゃんと”お洋服”とか”靴”とかをイメージしてくれていたようでした。 そこで、ウキウキと女将は考えました・・・・・・・でも、無い。
 そう、欲しい物がないのです。
 ていうか、例えば、お洋服は欲しい・・というか、必要なので買おうと思っていたのは、 雲竹斎先生が土足で膝に乗っても安心な、通販で5900円のコットンパンツだし、 アクセサリーの類はとてもつけられる状態じゃないので特に欲しいと思わないし(ブルガリのダイヤ&エメラルド付ドレスウォッチとか買ってくれるっていうなら別。うはははは)、 靴も欲しいけど、さしあたって欲しいっていうか必要なのは、 自転車OK、雨でも惜しくない、怪獣雲竹斎を追ってどこまでも歩いてゆけ、 しかも重い物(主に怪獣)をかついで歩いても疲れにくく、転ばず安心なおやじ風ローファーかスニーカーだし・・・・・・ というわけで、とても、バースデイ・プレゼントにはふさわしくない・・ていうか、 欲しい→必要なものはバースデイ・プレゼントにそんなもんくれないで!って感じのものばかりなのであります。
 もちろん、育児中でも、いつもエレガントな風情を漂わせ、 そういった意識を持っておられる方というのはおられて、 きっと、そういう方は、「何が欲しい?」と聞かれると、
「そうねぇぇ・・・・プラダのミュールが欲しいわ、5足ほど・・・・うふ♪」とか即座に答えられて、
「また、プラダかい?しょうがないなぁぁ。でも、日本で君ほどプラダが似合うママはいないからね。 明日買ってきなさい。僕は残念ながら明日からミラノだから・・・ごめんよ、大事なバースデイに出張なんて・・・」
「あら、そんな。あなたがそうやって頑張ってくださるから、私と坊やは安心して生活できているんですもの。 寂しいけど、我慢するわ。」
「帰国したら、パーティーだな。去年はトゥール・ダルジャンだったから、今年は築地田村あたりで 和食ってのはどうだい?」
「嬉しいわ♪だったら、私、着物を新調してもいいかしら?」
「おいおい、いついくつもりなんだい。三日後には戻るんだよ。」
「あら、そうだったわね。私ったら・・・うふふ」
「あはは」
なんて、 甘い会話を交わしているご夫婦もきっといらっしゃるんでしょうけど・・・・(ほんとかよ)。
 まぁ、こんな話はともかく、そう、女将は欲しい物が無いんです。(嘘つけ!)
 なんとできた嫁!「欲しい物は無いの、あなたと雲ちゃんがいれば・・うふ♪」・・・・ なんてわけはなく、欲しい物が無いというのは、”夫が買ってくれそうな物、或いは、買えそうなもので女将が”欲しい物が無い・・ということでして、 5口コンロがついた大理石の調理台付きアイランド型機能的キッチン付き豪邸も欲しいし、 故障しないジャガーも欲しいし、 暴飲暴食にも耐えられしかも絶対太らない体も欲しいし、 24時間つなぎっぱなしでも通信料&電話代が200円/月くらいですむアカウントも欲しいし、 カナダとフロリダに別荘も欲しいし、ブリティッシュエアラインのファーストクラスフリーパスも欲しいし、 あと三つくらい大学行って、大学院行って、まじめに勉強する時間と経済力と体力も欲しいし、 例えば佐竹(敬称略。この方が感じが出るので)のように,強くてでかくて、 殴り合いの喧嘩しても絶対負けそうもない体力と技も欲しいし(何に使うんだよぉ,ふはは), 何処でもドアも欲しいし、まぁよくもまぁぁこれだけ並べたなと言うくらい、欲しい物はあるんです。
 このように、爆発的にお金がかかる、ミーハーなものが欲しいと思っている一方で、 頑丈な体とか、好きなことに没頭出来る時間とか、そういう、より根本的と言いますか、 切実と言いますか、ともかく、自分をもっと鍛えたいとか、あらゆる意味で強く、賢くなりたいとかいうことに 結びつくものを欲しているのは確かなようです。
 欲しい物なんていうのを並べると、実際に手にはいらない淋しさを感じて、 つまんないなぁぁという気分にもなりますが、今の自分の状況を判断する材料にもなりますね。
 なんか、こんな落ちじゃなかったはずなんですが、 何しろ書き始めたのが4月6日で、書き上げたのが今日18日なので、 落ちを忘れてしまいました。常に面白い話を提供できる、ネタ探しの才能と、 文才と、落ちを忘れない頭脳ってのも欲しいかもしれないですわ,おほほほほ。

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