料理のレパートリーの増やし方/女将の場合(2000/10/3)

 「ふふん、料理の達人のわたくしが、教えてさしあげますわ、おっほっほっほっほっほっほ」・・・・・・なんていう高飛車な話ではなくて、頻繁に献立の壁にぶつかる女将が常々考えていることと、女将が時折やっているやり方をご紹介してみようかなという程度のものです。

 その1、料理の本に載っているレシピを最初から順番に全部作る。
 長年使っている本でも、一度も作ったことがないレシピってありませんか?女将の場合に限って言えば、ずぅぅうぅぅぅうっっと使っている料理の本でも、新しく買った料理の本でも、「お、美味しそう♪」と思って作るのは、醤油ベースの和風物というのが多いです。しかも、毎日のおかずとなると、簡単にできる、或いは、女将が慣れている食材や調理法の物を選ぶ傾向があるので、何年も使っているのに、一度も作ったことがない料理っていうのが、一冊の中にごろごろしているわけです。まだ、やったことはありませんが、一度頑張ってモンク言わずに1ページ目から全ての料理を作ったら、初めての味わいとか、初めての食材とか、初めての調理法とかをマスターできて、料理の幅がひろがるんじゃないかと思います。これ、こないだの温泉同窓会時にも話が出ました。選んで作るモノって、その人の好みに左右されるので、同じ人が選んでいると、同じ傾向の物に偏るようですわね・・・・って、大発見みたいに書いてますが、そりゃそうですわね。

 その2、料理の本から、ご主人に食べたい物を選んでもらう。
 1ページ目から全部・・・・・っていうのは、かなり厳しいので、これ、女将がよくやっている方法です。「ねぇ、今夜何食べたい〜?」っていうのは皆様にもよくある場面でしょうが、うちの場合に限って言えば、
・言う物が決まっている(だいたいメンチカツか豚カツ)
・夫自体も女将がよく作るモノしか思いつかない(女将のことを思いやって作り易そうな物をセレクトしてくれている・・・つもりらしい)
・更に面倒臭いと「北京ダック」とか言われる(要はうちじゃ・・・ていうか、女将には絶対作れないもの)

等々の理由で、その場しのぎにしかなりません。ひどいときには、その場しのぎにさえなりません。が、料理の本を手渡して、「この中から食べたい物選んでみて」とやると、具体的に物が見えるので、夫自体も0から考え出すより楽みたいだし、女将では絶対に選ばないような物を見つけだしてくれるので、新しい物へのチャレンジがしやすいわけです。
 ただし、これやるためには、
・選んでくれた物は絶対に作る
・買い物の前である
・気力と体力が充実している
・自分の実力に見合った料理の本を選んでおく

といったことを押さえておかねばなりません。
 選んでもらったものを見て、「面倒臭そうだから他のにして〜」などと却下すると、「じゃあ、自分で決めれば」と機嫌を損ねられ、更には次の時に、どんなに張り切って「今日はなんでも作る!!!」と宣言しても、猜疑心の塊になって、ちゃんと相手をしてもらえません。また、買い物に行くつもりでないと、やる気満々でも材料が足りないってこともあるわけで、通常なら「○○がないけど、△△で代用しよっっと」っていうのが許されても、"新しい料理にトライする"のが目的なわけですから、レシピに忠実でなければ意味がございません。その為に、気力と体力が充実していることは言うまでもないことですが、選んでもらったものが、「北京ダック」だったりすると、やはりこれ、なかなか一般家庭では作れないでしょうから、手に入りやすい食材を使った、自分の力量にあった内容の本であることは極めて重要です。それじゃ進歩がないようですが、自分で作らない人は無責任に食べたいものを選びますし、また、意外な夫の好みなども発見できて、楽しいです。あ、それと、
・ご主人の精神的時間的余裕がある時に実行する

っていうのも重要ですね。こんなこと、言わずもがなとは思いますが、いくら熱々ラヴラヴの新婚さんでも、出勤前に「ねぇん、えらんで〜♪」なんて言うのは、よほど早起きの方か、奥様の為なら、例え辞職に追い込まれようと、無責任だと言われようと、いつでも言うことを聞いてくれるという方でない限り、許してもらえず、かえって夫婦仲が険悪になるかもしれないのでやめましょう。また、いくらお休みの日でも、ご主人がパソコンで遊びたくてたまらない時などに、それを遮って頼むのも得策ではありません。

 「そんなの、百年前からやってるわよ、ふん」だったらごめんなさい。もし、思いもよらない方法でしたら、是非一度おためしください。美味しくできれば、ご主人も嬉しく、料理の幅も広がり、ついでに「○○くん(ご主人の名前・・・ってわかるか、あはは)、御料理のセンスいいね♪」などと誉めよう物なら、後かたづけなどかって出てくれるかもしれません。ご主人様とのコミュニケーションにもなって、夫婦円満、明るい家庭・・・・・・でございますことよ・・・・・たぶん。

TOPに戻る



TOPに戻る