平成17年12月30日 日振島 カンノン

一番最初に名前を呼ばれた。その磯はカンノン。
仏壇の観音様のように、岩のわずかな窪みに立つことになるとか。

たしかに、そのとおりだ。クーラーなんて当然もって行けないし、
潮が満ちてくると魚を置くスペースさえない。更に足場も斜めになってる。
座ることもできない。でも、すごい大きいのが食ってくるらしい。

そして第2投目から40cmくらいの口太。
食いがなかなか渋い。ウキが入ってもなかなかかからない。
針を大きくしたら食わない、小さくしたらハリはずれ。

でも、なんだかんだで40cmくらいのが6,7枚釣れた。
んで、昨日買ったばっかりの制覇の穂先を折っちまった。
戦意喪失したまま予備のインナーロッドを出そうとした。

しかし、ここであることに気づいた。
ワイヤーを伸ばすという作業をするスペースがない・・・。
筋が引きつるような格好をしながら、なんとかワイヤーをとおした。

アタリがなくなっていたので、ついでにウキ下を竿1本くらいに下げ、
本流を避けて引かれ潮と本流の境目に入れてみた。
もちろん、やる気はなくなっている。

そんな時こそ、事件は起きるものだ。
ウキが吸い込まれるように入っていった。
アワセを入れる。すっごい重量感の生き物が乗った。

やつはダンプカーのように一定方向に突進していく。
両手で竿を突き出し、必死で耐えた。でも、ジリジリと糸を引き出される。
まったく止まる気配がない。こいつはデカイぞ。

頼むからとまってくれ、顔を見せてくれ、と祈りつつ耐えに耐えた。
2,3分だったか、しばらく続いたと思う。
竿先が跳ね返った。

弱気なやりとりがまずかったのだろうか。
ハリ外れだった。ハリは無残にも結び目が一回転させられてた。
ハリスは根でズタズタだった。この晩は悔しくて眠れなかった。

とじる?