平成20年5月16日
新島 地内大島の平島&ナダラ

(旧暦4月12日、中潮最終日、干潮9時)

ぼくの送別釣行、突然決まったにもかかわらず4人(1名仕事で間に合わず・・・)のメンバーが集まってくれた。

これは「送別会」だからではなく、「船貸切っぽい」だとか、「ベタ凪」だとか、そんな言葉に釣られてきたにちがいない・・・。
今日はどんなドラマが待っているのだろうか・・・。

何度きても、島に近づくと、心が躍る。

船は地内大島に向かっているようだ。

3組降ろしたあと、船頭から「2-2に分かれる?」

反射的に「4人で!」と答えてしまった。

分かれれば名礁が待っていたんだろうが、

やはり、みんなで行くのが楽しい。

どこに行くのだろう、まさかあそこ!?

渡礁に向けて準備中

平島(左)、ナダラ(右)
ホースヘッドが、徐々に近づいていく。

低くて、平らな磯だ。

ここはよほど凪がよくないと渡れないだろう。

水深は浅め、腹をすかせたドス黒いイサキや、

潮目ができれば岩陰に潜む尾長が爆釣な感じがする。
前回、ミチナシという超地味な磯で24時間過ごしたクラさん、ダルマさん、うれしくてたまらないらしい。

潮がどっちから入っているのか、どこが狙い目なのかわからない、とにかく早く準備してやれること試してみようと。

僕は左側の先端、水谷さんは真ん中のサラシ、M先生は右側の先端、クラさんは陸寄りの大平で竿を出すことに。

この前のヒラカンのように、足元からドン深の本流がゴンゴン流しても30cm後半の元気がいい尾長が引っ張るだけ。

こういう浅いところに潮が差し込んできた時の方がポテンシャルがある気がする。コマセを入れるとエサ取りがちらほら。

早々にイシガキダイが釣れた。ダルマさんはブダイ。

ナダラ先端左

ナダラ先端右

サラシを狙うダルマさん

ナダラ先端右
しかし、潮がまったく入っていない。サラシを使うか磯際しかない。

ぼくはサラシの先を潮目をじっくりとねらってみるが、時折竿を曲げるのは30cm強の尾長のみ。

他の皆さんも同じく。足元にはブダイがちらほら。タナをどんどん深くすると、ベラ連発。

M先生が入った右先端は多少動いているようだ。沖の方は多少動いているようではあるが、今一つかめない。

潮が引くと、ハエ根がむき出しになってきた。潮は動かない渡礁時とは随分雰囲気がかわり、僕の苦手な感じの磯になっていた。

潮も引ききると、三浦の地磯のような、どちらかというとM先生が得意な感じだ。

この後、M先生はこのハエ根だらけの釣り座で地付きらしい尾長を引っ張り出す、わずかに動く潮をとらえて・・・。

ナダラ先端右端

ナダラ先端左側の釣り座
<M先生 執筆中>
M先生、尾長45cm
M先生、ぼそっと「尾長がいるのは釣りにくいところだ」と。

ぼくは勝負できる範囲で掛けることを心がけていたが。

そのポイントにクラさんが入り、何発かアタリが出たが、潮も動かなくなった。

11時頃から、ポイントを移動して第2ラウンドとなる。

ぼくとM先生は大平へ移動。水道の出口付近を攻める。底が見えているようなポイントだ。

早速ベラが釣れた。ここも、僕の苦手そうなポイントだ。M先生に任せた。

昼寝してるとM先生が僕を呼んでいる。「尾長が見ているぞ!」と。でも、眠いしあそこは苦手だ・・・。

僕は先端のポイントで竿下を狙う。ウマズラが釣れた。

M先生、30cmくらいの尾長をぶら下げている、そしてその後強烈なバラシ。足元に突っ込まれたようだ。

ぼくはどこで釣ればいいんだろうかよくわからないまま時間だけが過ぎていく。

渡船は見回りに来ない、ここで粘るしかなさそう。潮が動けば、チャンスが訪れるに違いない。

ナダラから平島、大平、地内大島を見る

大平に立つM先生

ナダラ先端右端に立つM先生

先端右端に立つクラさん
四国の宇和海は、豊後水道になっているため、潮の満ち引きで流れる方向が決まっているし、それにより磯を選ぶこともできる。

しかし伊豆諸島は難しい。その日の潮を読むことができない。磯替えをすれば潮が動いているのかもしれないし、

磯替えをした後に、この磯で潮が動き始めるのかもしれない。

尾長は潮だ。特に大型は毎日轟々と流れる本流ではなく、こんな浅いところに潮が差し掛かった瞬間、チャンスがあるのだと思う。

しかし、潮が動かないし魚が釣れない。ぼくが、M先生が、そしてクラさんがダウン。

右先端で、わずかに潮が動いているようだが、当て気味にハエ根に向かう。

M先生はそこでポツポツと30cm級を釣っている。

「潮が動き出したぞ!」とM先生に起こされるが、僕のいる先端右は動いていない。またしばし昼寝。

時間は14時、今日はあと1時間ある。クラさんが僕の竿を持ってやっているが、潮は動いていないよう。
もう一眠り。ふと目をあけると、沖の方に潮目ができている。

潮はこっちに向かってきているようだ。

僕が寝ている間に、潮は彼方より徐々に近づいていた。

後ろから忍び寄り、磯の角から正面にまわり込み、

正面のサラシとぶつかりながら、磯と平行して沖に流れていく。

徐々に速さを増し、潮目を作りながら・・・。

コマセを入れるとエサ取りと木っ葉がちらほら見える。

時間もあまりない。

一か八か、サラシと潮上にコマセをドカドカ入れた。

ナダラ先端右で寝ながら竿を出すクラさん

潮は徐々に

入ってきた
足元から仕掛けを入れ、サラシとの合流点、そしてその先へと流していく。

ウキ下は1本半、3Bのオモリで馴染ませ、仕掛けを張りながら流していく。

30cm台の尾長がヒット、そして数投目、サラシとの合流点より更に沖の方だった、切れ味鋭いシャープなアタリ!!!

ここからではとれない、右先端まで移動した。M先生「サンノジ!サンノジ!」とうるさい。
ラインが根で擦れているだろうと、慎重にやりとりをしたら、

足元で何度も何度も突っ込まれる。

それを見ているM先生が徐々にうろたえてくる。

50cm超えているのではないか、と。

久々のまともな魚、逃がしたくない。

せめて姿だけでも、と浮いてきたのは丸々太った尾長だった。

残念ながら50cmにはまったく及ばず、

45cmだったが、いつになく嬉しかった。

そしてそのポイントをネコババしようとしたM先生に天罰が。

ドバーンと波が来て、下半身ズブヌレ・・・。

コマセをドカドカ撒いたのが、正解だったか、

魚の活性が一気に高まった。

同じ潮目を流すM先生に35cm級が連発、

そしてシマアジ、42cmの尾長、爆釣モードに突入。

クーラーまで持っていく時間がない、M先生のバッカン

のコマセを全部海に入れ、魚を入れておく。



ぼく、最後の突っ込みをかわしているところ

M先生も

ダルマさんも
しかし、M先生に良くアタる。

後でわかったが、

M先生、この時1号のオモリを付けていた、

ぼくは3B、ハリスもぼくの方が倍くらい長い。

ハリも僕はネムリバリだった。

これが差だったようだ。

実は僕も重たくしてハリスを短くしようとも思った、

しかし、それでパターンを外せばリカバリーがきかない、

無難にこの仕掛けで通そうと思ったからだ。

再びぼく

ダルマさん今度はシマアジ

再びM先生も
いい潮だ、あと1時間、いや30分、この潮と戯れていたい、

しかし遠くに船が見えた・・・。

「この潮が朝から入っていたら・・・」

「もっと重たい仕掛けで潮下を狙っていたら・・・」

そんな無意味なことを考えながら、新島を後にした。

釣れない時間は長く、時合いは気まぐれ、そして短い。

いかにその瞬間に勝負をかけるか、これが磯釣りの醍醐味。

だから磯釣りはやめられない・・・。

むかえにきた富久丸

本日のクーラー(40リットル)
他の磯では、

オキゴネ撃沈、大ハダは同じような釣果、

最後まで潮裏となってしまったカンノンズシロ、

チアチャラガクシはさっぱり、だったようだ。

(仕掛け)制覇2号、道糸2.5号、ハリス3号、
 ウキ3〜5B、あわせ尾長6号、ボイルグレ8号

(エサ)オキアミ生5枚、ド遠投グレ1袋

(教訓)
・潮を、見逃すな。
・短い時合いは攻めの仕掛けで。
・尾長の世界(人間が釣りにくいところ)を狙え byM先生

地内大島の磯たち

カンノンズシロ

ナダラ

チアチャラガクシ

大ハダ
とじる?