平成21年10月9日(〜24時間)
新島 地内大島 オオハダ

(レポート:管理人)
大量のエサに荷物、食料をボロ船に積み込み、下田から揺られること2時間、

今回のステージとなる新島、式根島が見えてきた。

本当は式根島の某所に行くつもりだったが、北東風の止む気配がない。さて、どこに上がろうか。

この判断がこの先の24時間を決めることになるかとおもうと、どうしてもビビッてしまう。

地内大島のオオハダが一番当たっているようだが、M先生、ダルマさんは、

昨年の夏ここであまり良い思いをしていない。しかし、離島の様相は季節と潮でガラリとかわる。

昼、夜、どっちが当たりかもわからないし、湾奥の地磯で昼間を過ごすのももったいない。

船長の言葉を信じて、最後は、昼と夜、そして両潮できる「オオハダ」に渡礁を決めた。

地内大島 オオハダ
それぞれ思い思いの釣り場で竿を出す。ハマちゃんはワンドの奥、夜釣りで爆発しそうなポイントだ。

ダルマさんは左側の先端、いい感じでサラシが広がっている。

M先生とぼくは右側の先端。ここは右側後方から左沖に向かってなかなか良い潮が入っている。

どのポイントもエサトリの気配はまったくといって良いほどない。潮に流してみるが、浅いタナだとサシエがそのまま戻ってくる。

竿2本くらいのタナで流し込んでいくと、50mほど先で道糸が走った。良型のイサキだ。それから同じようにイサキがポツポツ。

明るいうちからこのペースだと、なかなか期待ができそうだ。そして少し日が傾いたくらいに、第一号の尾長グレが顔を見せてくれた。

やったのはM先生。40cm級だ。潮の中だがやや手前で食わせていた。尾長がいるとわかった瞬間、一気にテンションがあがる。

そしてワンドで竿を出していたハマちゃんは、人生初の瞬殺を経験。アワセるまもなく、もっていかれてしまった。

ここら辺で自分も狙いを変えた。非常に釣り難い場所だがサラシの中のさらに溝になっている部分がある。

足場は高く、根もなだらかに張り出しているので、ガチンコ勝負ができる、Gチューン3号、ハリス6号の1ヒロで狙ってみる。

すぐに竿先にコツコツとアタリ。アワセを入れるとなかなかの引きをみせてくれる。だが顔を見せたのは60cm級のイズスミだ。

磯際から2m以内のところで仕掛けをとめてアタリを待つ。次に尾長30cm、尾長35cm、イサキ、少しづつコツがつかめてきた。

そしてその数投後、強烈なアタリ。猛烈に両端の根に突っ込もうとするが、最初の一撃は強靭なロッドのバットでとめることができた。

ウキはすでに海面からでているのだが、相手もツワモノ、そこからがシブトイ。綱引き状態が続く。

ヤツは意地でも根に張り付こうとするが竿でなんとか溜めきることができた。これはいける、とおもった次の瞬間、

パーンと甲高い音。竿が真ん中から折れてしまった。しかし、まだ魚は付いている、竿の半分でバトルは続く。ヤツはさらに右へ左へ、

根に突っ込もうとする。これはやばい、しかしなんとか勝負はできる。強引にうかせようとした。さらに根に突っ込もうとする。

しかし、まだこの竿は死んではいなかった。残った部分が、ヤツと戦ってくれている。オレはなにがなんでもこいつを仕留めたい・・・。

これはイズスミではない、たいした根拠はないが、なんとなく確信していた。サラシから、巨大な尾長が浮いてくるところも勝手にイメージしていた。

しかし、次の瞬間、ぼくは後ろに吹っ飛んだ。ハリス6号の口元を飛ばされていた。

ダルマさんは、一瞬、白っぽい魚体が見えたらしい。イズスミ?この引きは違うだろう。(と信じなければ・・・。)

あのシツコサと6号のハリスを切るのは、尾長だったんじゃないか、とおもう。

ヤツを食わせたサラシ

ダルマさん@左先端

日が沈み夜のバトルが開始
気を取り直して、とおもったが、竿がない・・・。まさか、早々にメインロッドに逝かれてしまうとは。制覇の2号では勝負できる気がしない、

残された選択肢は、ヒラマサ用の5号だ。そしてそれを選んだ。すでに日は半分水平線に消えている。

ダルマさんも40cmくらいの尾長を仕留めた、そしてハマちゃんも。尾長の時合いに入ったようだ。

しかし、さっきのバラシがまずかったのか、それとも時合が過ぎ去ったのか、僕のじポイントではもうチャンスはこなかった。

そして完全に日が落ちたとき、ダルマさんの悲鳴が。そして僕も下品なアタリをとらえた。今日も憎きサバの大群が登場したようだ・・・。

夜は、沖目はサバのオンパレード。ワンドの磯際で時折大型のイサキが食ってくる。
夜の8時頃、サバに疲れて宴会に突入。

蚊のいない離島で飲むビールは格別。

空はヤバイくらいの星。ちょっと横になって

空を見ていれば流れ星が見られる。

そしてダルマさんがサバを焼き始めた。

定食屋のニオイが当たり一面を囲んだ。

さらにビールが進む。

次回はBBQを持ち込もうと心に決めた。

クーラー(前半戦終了時)

サバを焼くダルマさん
疲れた体にビールが染み渡り、すでに足元がおぼつかない。が、今日はもう一つやることがある。

一度やってみたかった、夜のブッコミ釣りだ。ロッドはヒラマサ用の5号、両軸に12号のライン、ハリスも12号。

サバの切り身をつけて放り込んでみた。(この切り身のサバがあまりにも旨そうなので口に入れてみたら旨かった、醤油さえあれば・・・)

竿先につけたケミホタルを見ながら4人でまったりビールを飲み続ける。誰も、アタリがでるなんてことはおもっていないようだ。

しかし、頻繁にアタリがでる。そして12号のハリスがブチブチときられてしまう。ウツボが多いが、それ以外も掛かっていたようだ。

強烈な横走り、根ズレでズタズタにされた。サメやエイならとれるはず。あれはモロコ、フエフキ系ではなかろうか・・・。

ウツボの連発に疲れて、酔いも手伝いダウン。秋といえど蚊が飛び回っているので、そよ風の吹く高いところでしばし休憩をした。

そよ風にふかれながら、波の音をききながら、星を眺めながら、ほろ酔いのまま釣場で寝る。釣りの夢でもみて朝起きたら実際に釣り、

しかも朝の時合い。これ以上の贅沢がこの世にあるんだろうか・・・。

(しばし睡眠・・・)

そよ風が逆に寒くなり、夜中の2時に目が覚めた。ドーン、ドーンと正面から波が押し寄せている。風向きが北東から南西へと変わったようだ。

この風なら、明日の朝式根の某所に移動できるのではないか、といやがおうにも期待が膨らんできた。

そして夜中に散らかった道具やゴミの片付けを始めてしまった。ハマちゃんが一人で頑張っているが、サバ時々イサキで強烈なアタリはないよう。

疲れがでてきて、竿を出す気力もなく、もう一度寝てしまった。

夜明け前の4時、再び目が覚めた。さて、朝マズメ、どういう攻めをするか。昨日やられたサラシを狙いたいところだが勝負ロッドがすでにお釈迦。

5号ロッド(ヒラマサ用カゴ竿)でフカセをするには、やはり少々無理がある。

いつもの相棒、制覇2号に道糸2.5号を通した。狙いをつけたポイントは、昨日ダルマさんが入っていた左側先端のところ。

ワンドの奥からゆっくりと沖に向かって潮が流れ、30mほど流したところで潮目ができ、ウキが沈んでいく。

ここがポイントとなるはず。狙いは45cmまでの尾長グレにイサキ。夜明け前から、少しづつコマセをいれ、ポイントを作りにかかる。

しかし、すぐ右側には、昨日イタイ思いをしたサラシがまだ広がっている。サラシを狙いたいが、この2号竿では勝負にならない。

ましてや、この竿までクラッシュされるのが怖い。せかせかと沖にポイントを作っているうちに、徐々に東の空から朝焼けにつつまれてきた。

勝負したいのにできない、このもどかしさはなんだ!?

左脳(理性)では左の沖にあるべき潮目の攻略をイメージしつつも、右脳(本能)は勝手に右後ろのサラシを攻略している。
その時、M先生が男気を見せてくれた。

M先生:「これ、使えよ。」

手渡されたのは、Gチューン4号。M先生が、まさにそのために調達したロッドだ。

ぼく:「ありがたいが、先生はいいのか?」

M先生:「今日はいつもので美しい釣りをする。」

ぼく:「ありがとう。じゃあ、ぼくはとことん泥臭くいかせていただきます。」

おもわぬ形で、朝マズメを前に、パワーアップした勝負ロッドを持つことになった。

そして第1投目から何かを食わせた。尾長か!?しかし、よく見るとなんか形が変・・・。

悪霊に憑かれたかのような不気味な顔をしている。巨大な口に不気味な色、ブルーの目。

目が合った瞬間「食ってみろ、オマエを呪ってやる」と言われたような気がしたので、リリースした。

正体はオキメジナ(豚メジナ)だ。かなりの良型だっただけに残念。

初の豚メジナ!
食わせたのはサラシの磯際1m以内。続いてイサキ、そしてサラシの先まで流してみた。

すると超強烈なアタリ。左側に猛スピードで突っ込み、グイグイと引き込んでいく。

2号竿だったら、ここでブレイクだったろうが、4号ロッドに6号ラインはダデじゃない。

とめた、今度は向きを左に換えてもう突進。なんだ?シマアジか???

サラシで正体がわからない。ゆえにラインを出すこともできない。足元の根がきついため、

波を被るところまで前にでて勝負をした。レバーはないし、ドラグもキツキツ。

あるのは竿さばきだけ。ウキが見えたが、まだ正体を見せない、

最後の最後まで抵抗する。長い魚影が見えた、シマアジか!?いやワラサだ!

外道だが、昨日から密かに狙っていた獲物だけにうれしかった。

70cm級のワラサとラインを1mmも出さずに真っ向勝負、アドレナリン爆発、垂れ流し放題。

次の一投でも食ってきた。リールからラインがぶっ飛んでいくようなアタリ。

ハマちゃん、格闘中
もう正体がわかっているので安心。一回フリーで走らせてやった。

100mほど走ったところでスピードダウン。あとは巻くだけ。先ほどより重たい。

更に一回り大きいワラサだった。カツオも回り始めて、しばし青物タイム。イサキは相変わらず。

さすがにこれだけ青物にすき放題やられると尾長の気配はない・・・。

そんなエキサイトするぼくらにわき目も触れず、

ワンドの一番奥で黙々と尾長を狙っているM先生、ついに仕留めた。

40cm級だが、あの誰も入らないような奥のポイントで狙って釣るのは、すごいとおもう。

あとで車の中でDVDをみてわかったが、「鵜来島の白岩」とまったく同じようなポイントだった。

M先生、尾長をしとめる@ワンド奥
午前7:00、そろそろ磯替えの時間だ。

船長に電話してみるも、今日は他の客がいないので朝はこれないらしい。ここで式根某所にいくことはできないことが確定。

また式根某所のリベンジは棚上げとなったが自然が相手だから仕方がない。

与えられたフィールドで最大の結果を出すことが一番だと、いつかの教訓を胸にここで骨を埋める覚悟をした。

朝方はイサキがポツポツ。さっきの青物のせいか、尾長の気配はまったく消えてしまった。

そして完全に日があがったころイサキも姿を消してしまった。

秋磯とは思えないような沈黙。まるで5月の四国の宇和海のよう。それを知らない釣り人なら、竿を置いて休憩といきたいところだろう。

しかし、M先生もぼくもそれを良く知っている。こんな時は、地道にコマセをパラパラといれて足元をねらっていると、

昼時くらいから超強烈なヤツらが食ってくることが多い。僕はまた右先端に戻って、辛抱強く頑張る。潮は昨日とは逆で、左から右へと流れている。

1時間くらいったか、磯際に影が見え始めた。尾長のようだ。コマセをどんどんいれていってみる。

そしてドバーッ!と尾長が浮いてきた。30〜40cmが中心だが、際で、明らかに50cmオーバーがエサを拾っているのが目にとまった。

急いで他のメンバーを呼んだ。ハマちゃんが一投目から食わせるが、手前の根に入られてしまった。35cmまでの尾長がポツポツと食ってくる。

コマセをドカドカといれていく、するとおもわぬ結果に。沖から再び青物が襲来してきた!もれなくイサキも。

カツオ、ツムブリ、イサキが引っ切り無しに食ってくる。磯の上はお祭り騒ぎ。本命ではないが、釣れるときに釣れる魚を、と量産体制に突入。

この青物軍団が去った直後に、尾長の時合いがくるんじゃないか、M先生とそんな話をしていたらそのとおりだった。

青物軍団は30分程度で去っていった。その後、手前のグレも消えてしまったが、沖にはいるだろう。竿2本の深ダナで沖を探ってみる。

すぐに35cmまでの尾長が釣れた。それ以上型は伸びず、そのうちまた沈黙の海に戻ってしまった。

その後、もてる引き出し(経験則)と道具を片っ端から使って頑張ってみたが、残念ながら本命の顔を拝むことはできなかった。

これだけ魚を釣ってもどこか何かが満たされない、尾長にハマってしまった釣人の悲しい姿・・・。

青物フィーバー中@右先端

青物フィーバー中

青物フィーバー中
時合いとともに色々な顔を見せてくれる磯だった。

特に、夕マズメの尾長ラッシュ、夜中の正体不明の大物、朝マズメのワラサの襲来、日中の青物ラッシュは鮮烈極まりなかった。

それぞれ長くて1時間程度だが、それぞれの時合い、釣れる魚をどれだけ釣るか、ということが腕なのかな、とおもった。

クーラーの中に、「主役」が入らなかったのが少し残念だが、過去最大級の5目釣り、となった。

迎えの船

クーラー

ぼく
(釣果)
尾長グレ40cm前後×5枚、ハマチ70cm強×2本、ツムブリ60cm、カツオ10本、イサキ(最大40cm)×80匹、サバ大量、ウツボ大量
強烈なバラシ2発

(仕掛け)
その@ Gチューン3号、道糸6号、ハリス6号、小磯11号
そのA 制覇2号、道糸2.5号、ハリス3号、尾長ネムリ6号
そのB ヒラマサロッド5号、両軸に道糸12号、ハリス12号

(エサ)
オキアミ6枚、配合餌も一応用意

(教訓)
・朝磯をかわれるかどうかは船頭の都合によるので、それをよく考えて磯を決めるとGood
・高い金はらっていくんだから、昼釣りより24時間のほうがよい。
・秋の夜釣りはやや寒いが虫が少なくて良い
・ビールと食料は大量に持ち込んで正解、クーラーは大型で正解、氷はもう少しあった方がよかった(クーラー1台に2貫目必要)、醤油必須!
・ヘッドライトはLEDと豆電球両方(LEDだと明るすぎて暗闇に目が慣れない)

TOP?EXIT?