M流ウキフカセ釣り(主に黒鯛編)

2009/4/12

※1:は上級テク
※2:あくまでM流(一部A流)です。
   一般の考え方とは異なる部分もあるかもしれませんがご了承を。


【タナ釣り】
    @ターゲットの捕食層を探る釣りから始めましょう(固定仕掛け、半誘導仕掛け)
     ⇒全誘導、沈め釣り等は十分に経験を積んでから。
     ⇒『再現性』

    A黒鯛釣りに関しては、底付近に仕掛けをキープさせることが多いため、
     最初にタナ取りオモリ(ゴム管オモリ)で海底までの水深を「正確に」測る。
     ⇒潮の干満に影響しやすいので常に気を配ること。
      特に底ギリギリを狙うような状況では要注意。

    B釣れた魚のハリのかかり方で狙いのタナを変える。
     ⇒上唇にかかっていれば「浅い」、下唇なら「深い」、カンヌキが「ジャスト」
     ⇒尾長の場合は「あえて」浅いタナで勝負


【メダカの法則】
    魚は流れに逆らって泳ぐ。
    流れが弱い状況下では、その限りではないが、
    少なくとも捕食の瞬間は、流れに対し体を向けていると想定する

【ライン操作】
    @糸フケは流れの筋から外れないだけの長さ、かつアワセが確実に決まる短さをキープする
     ⇒基本はオープンベールで調節。当て潮の時は反対に巻き取りながら
     ⇒張り・誘い(後述)をしながら微調整する。

    A水面下の仕掛けはV字だとアタリが出ない、出るのはL字から
     ⇒ウキ止めまで沈んだら一度引き戻すことでV字をL字にする。
      その「引き戻す」アクションを考慮し、L字になった時にコマセと同調するように計算する。


【コマセ】
    @競争
     コマセは少量を間断なく撒き続けることで、ターゲット同士で『競争』させる。
    (参考:パラパラ釣り)。
     ⇒ターゲットごとのコマセの違いを以下に記載
        1)黒鯛 … 比重が重い配合餌を使用し、底にポイントを作る
               (春先は藻場周りを狙いつつも、あくまで底が基本)。
        2)メジナ … 比重が軽い配合餌を使用し(もしくは何も入れずオキアミのみ)、
                帯状に拡散させ、その中で喰わせる。

    A同調
     コマセとサシエを「同調」させる事こそがウキフカセ釣りのイロハのイであり、最終形でもある。
     ⇒基本は「コマセを撒く回数 ≧ 仕掛けの投入回数」にならねばならない
     ⇒例外(観音周り、隣の釣り人がドカドカ撒いている等)はあるが、
      コマセが効いていない状況でサシエだけを流す事は絶対にNG

    B投げ方
     ヒシャクをスナップで振りぬくとバラケて飛びパラパラと沈む、
     手首を固定させて肘と膝で投げるようにするとまとまって飛び、
     玉状(バファリンのCMみたいな感じ)になって沈む。
     ⇒2種類の投げ方を目的に応じて使い分ける
     (例)
      足元に餌取りを寄せたい  → バラケ
      少しでもタナを浅くしたい → バラケ
      遠投したい        → まとめ
      魚を底に集めたい     → まとめ
      黒鯛を一ヵ所のポイントに集めたいが、全体的に根がかりが多い場所なので、
      タナをベタ底より1ヒロ程浅くしたい
      → まとめの後にバラケ×n


    Cコマセワーク
     具体的なコマセワークは、その場の状況(タナ、餌取りの活性等)に応じて変えていく。
     (例)
      コマセを打ってから仕掛けを入れるのか
      仕掛けを入れてからコマセを打つか
      サンドイッチにするか
      足元にコマセをいれるか、遠投するのか
      同時に入れるのか、時間差を設けるのか等


【ターゲットごとの基本的な釣り方の違い】
    @黒鯛 … 食堂を用意してやるつもりで。なるべく遠くにポイントを設定。
        1)沈める釣り
          ⇒最初は底から攻める。徐々にウキ下を浅くしていく
        2)誘き寄せる釣り(一点にコマセを集中させる)
          ⇒うなぎ屋

    Aメジナ … できるだけ浅く。
        1)浮かせる釣り(中型はとにかく浮かせる事を考える)
          ⇒最初は浅いところから、徐々にウキ下を深くする
        2)居場所を探る釣り(特にデカバン狙い。巣の真上や潜り潮の先でコマセとサシエを同調)
          ⇒石焼きイモ


【張り】
    @ターゲットがサシエをくわえた瞬間に最も違和感(抵抗)を少なくするために、
     仕掛けを引っ張るor止めることで、「仕掛け全体が斜めに張っている」状態に近づける

    A水深によって潮の速さが違う(浅いと速い、深いと遅い)
     ⇒何も考えずに流し続けると「ウキ先行」の状態となり、アタリは出ない。
     ⇒水中ウキ等の抵抗体の重要性


【誘い】
    @仕掛けを引っ張るor止めることで、ターゲットが思わず口を使ってしまう動きを演出しつつ、
     多数まかれたコマセとの『差別化』を図る。 ≒ 張り

        1)M式(ストップ&ゴー?)
          ⇒浮き上がったサシエがフワリと落ちた時に喰う

        2)A式(タダ巻き?)
          ⇒穂先にゴンッ!と来る
          ⇒環付きウキ限定のマル秘テク
          ⇒実は今まで自分が仕留めた黒鯛の約3分の1はこの方法

    Aいずれの方法とも、「魚が追いつけるスピード」を意識
     ⇒オーバーアクションになりすぎないように!

    Bやりすぎは余計な警戒心を与えてしまう可能性もある。
     ⇒ここぞ!というポイントでガツンと決めましょう


【ウキ】
    @棒か玉か
     ⇒あくまでメジナ釣りありきなら玉、黒鯛は黒鯛でしっかり楽しみたいなら棒

    A環付きか中通しか
     ⇒のませる釣り(黒鯛、口太)は環付き、早アワセ重視(尾長)は中通しが有利(?)
     ⇒環付きの方が誘いのバリエーションは多い

    B上記のいずれにせよ、浮力は限界まで殺すべし。基本は「かろうじてギリギリ浮いている」状態
     ⇒プカプカ浮いている状態はNG。ただし尾長は例外


【総括】
    @常に水中をイメージ(例:シモリの位置、流れの方向、餌取りの活性等)し、
     ターゲットの行動を予測「し続ける」こと

    A最小限のコマセを間断なく撒き続けながら、
     ターゲットの捕食層(タナ)で、サシエとコマセを同調させること。
     その中で、流れに対し、仕掛けを引く(or 止める)ことで、
     ターゲットがサシエをくわえたときに違和感を感じない状況(張り)かつ、
     反射的にサシエを喰ってしまう状況(誘い)を作りだすこと。

                    ↓

              『再現性』『競争』『差別化』

【その他】
・仕掛けを作る際にしっかりと糸を伸ばし、ヨレを取り除くこと。できればウキ止めまで。
・ハリを結んだあとの余り糸は短く切ること。
・糸に少しでもキズが付いていたらすぐに交換すること。
・ハリが少しでもくたびれていたらすぐに交換すること。
・ドラグは事前にキッチリ調整しておくこと。
・主要なガン玉の重さは暗記しちゃうこと。
 (丸玉0.5号〜1号、ガン玉B〜5B、ジンタン1、3、5号あたり)
・「常に」海をよ〜く観察すること(潮の干満の変化、流れる方向の変化、餌取りの増減等)。
・隣の釣り人はよく釣れている。自分は全く釣れる気がしない。そんな時は・・・
 ⇒一切の躊躇は不要。迷わず釣り方をマネすること。
  そのかわり、なぜこの方法だと魚が釣れて、
  自分のやり方だとダメだったのかをしっかり考えること。
・潮変わりを絶えず意識すること。
 ⇒「ド干潮」を侮ることなかれ。実は黒鯛の特大が喰ってくる可能性大。
・釣りに行く度に、「なぜ釣れなかったのか」「なぜ釣れたのか」を分析し、
 自分なりの理論を構築すること。
 ⇒見当違いでもOK
 ⇒「どーしても」わかんなかったら誰かに聞くこと。
  いつまでもわかんないままで放置しないこと。
・TV番組を鵜呑みにしないこと。本当に見たいことはカットされている上に、
 あたかも誰でも簡単に釣れるかのごとく編集されている。
・フカセ釣りの基本書(何でもよし)を一冊買って読破すること。
 ⇒現場で状況をイメージし、魚の行動を考える上でも最低限の基本知識は必須。
・苦手な釣り、未経験な釣り方にも果敢にチャレンジすること。
・一番大事なのは「絶対に釣ってやる!」と強く思い続けること。すぐに諦めないこと。


【おまけ】
・できれば上に列挙した内容は、全て自身の経験を通して実証して下さい
 ⇒「全然違ぇじゃねーか!」も含む。その時は教えて下さい。
・Mの黒鯛フカセ釣りのモットーは「近く安く大きく」です。
 ⇒Mの最終目標は「根岸で三浦黒鯛で60オーバー」(超)

【Aのコメント】 2009/4/12更新
「チヌを狙って(正確なタナとりなど)」、
「魚の本能を逆手に取り」、
「執念」で釣る、
ことこそがチヌ釣りの極意だと信じてやみません。ただ、僕には厳しいです。

コマセについていうと、ヌカベースに砂、そこにアカアミを混ぜるようなのが個人的には好きなんです。
化学物質にたよらず「ニゴリ」と「アカアミ」でチヌをよせ、「誘い」で釣る、
この古めかしい方法で、「この本能を逆手に取る」これが美学かな、と。


M先生はそのうち三浦で60cmオーバーを釣ると思います。

TOP?EXIT?