春色のカンタービレ |
− 出会い − 「きゃあ〜〜鷹男さま〜〜」 帝都音楽院2年の東宮院鷹男は、学院の女性達の憧れの男だ。 185pの長身に藍色がかった黒い瞳。 肩に掛かった黒髪がなびくだけで、女性達からは歓声が上がった。 そんな華やかな大学生活を送る彼にも、悩みが一つだけあった。 ***** 「今回の子も駄目でしたか?」 鷹男の友人兼護衛でもある秋篠権が苦笑しながらそう訊ねると 鷹男の目が細まる。 「まったく彼女たちは何をしに大学に来ているのか。 人の顔をボーっと見て演奏する気もないだぞ」 そう鷹男の悩みは、一緒にコンクールに出てくれるパートナーが決まらないことだった。 鷹男はこの音楽院でピアノを専攻している。 パートナーはヴァイオリニストが良いと探しているのだが、中々良い相手が見つからない。 「まあ、彼女達は貴方のファンでもありますし・・・・」 「オレは芸能人ではないぞ」 「それは彼女達には通じはしないでしょうね。 なにせ貴方は、東宮院コーポレーションの跡継ぎであり、元貴族の血筋ですから」 「ふん、だからといってオレと演奏できない理由にはならない」 「ではまず、楽器は問わず貴方のバックや容姿に興味の無い方を 探して見てはどうですか? 幸い新入生も入ったことですし」 「今年の新入生と組めというのか? オレはコンクールに出たいんだが?」 「1人ぐらい、貴方の気に入る腕前の人間はいるでしょう。 ただ、性格に難ありでも文句は言わないでくださいね」 「んん? 権がそう言うという事はもう目星をつけたか?」 「まさか、貴方のパートナーですよ。ご自分でお探しください」 秋篠の言葉に鷹男は小さく息を吐くと、座っていたベンチから立ち上がった。 「お探しにいかれるのですか?」 「ああ、あまり時間がないからな」 僅かに手を上げると、自身のお気に入りである院内の森の向かって歩き出した。 そして運命の出会いをするのである。 「いた・・・・あの子だ。きっと彼女なら」 無心にバァイオリンを弾く、1人の女性を鷹男は見つけた。 その会心の笑みを見たら、卒倒する者が続出したことは間違いないほど満足そうに 鷹男は微笑むと彼女へ向かって歩き出した。 −−−−−−−−− 露香様と語りあってできたジャパネスクバージョンの「のだめカンタービレ」 もちろん千秋=鷹男、のだめ=瑠璃ですが(笑 の筈がそれてますので、のだめパロというのは設定から外します(爆) 鷹男が瑠璃にべた惚れ設定です。 素敵イラストありがとうございましたvvvvv |
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