くまとらさむいらいおん
2005.8.15

アヤが小さな手にボールペンを握りしめて何かを書いている。
一心不乱に。

しばらくすると、なんだか凄いものが描きあがっていた。

なんだか凄いもの。
  ↓
  ↓


「アヤ、これは何?」

「くま」。

な、なるほど。熊に見える。
見えるでしょ?ほおらほおら。

「じょうずだねー」

気を良くしたアヤはなおも描き続ける。

「アヤ、さむいらいおんかこっと」
カリカリカリ

「アヤ、とらもかこっと」
カリカリカリ

寒いライオンとトラ
 ↓
 ↓



一目瞭然、寒いライオンとトラが描きあがった。
一目瞭然。

見ればわかるとは思うが、一応書き添えておくと、
左上がトラで、右下が寒いライオンである。

寒そー。
ライオン寒そー。

私はこれらの絵に天才の閃きを感じる。
私がバカ親だからだろうか?
否。断じて否。

アヤはきっと美術の天才なのだ。

そう確信した暑い夏の午後であった。


あ。

でもアヤちゃん、
せっかく買ってあげたぬり絵を
同じ色だけで塗りつぶすのはやめようね。

天才っぽくないから。

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