愛知県東郷町O様 エルスナー

大きいピアノだな・・と感じました。
機種名の133は全高の値だと思うので、
そりゃ〜大きく感じる訳です。

その大きさに似合った大きな・・というか、喧しい感じ
の音で、それは残念ながら全域ではなく、中音部
だけがやかましいバランスの悪いピアノでした。

お客様もその点にご不満を抱いていらっしゃって、
今回お預かりすることになりました。

解体してゆくと「こりゃ〜まずいでしょう!」というところがあらわになってきます。

まず、低音弦の駒に問題がありました。

サイドベアリングの力に負けて駒が割れ、釘が起きてしまっています。何とかしなければ・・・

まず割れていた部分を削り取って、・・

新しい木を接ぎ木して、形を整えてゆきます。

その後で同じ位置に釘の穴をたりとか・・かなり大変

次はこれ。 この写真だけではちょっとわかりにくいのです、   

まあ、言っちゃうとフレームと響板が接触していたということで

写真の傷のようなところがその接触部分です。む〜これは製造時の欠陥かな〜

フレームの裏側のでっぱり(響板かかえというらしい)をグラインダーで削ります。

削るのは簡単なんですが、あまり削り過ぎるとまずいので、フレームを本体にのせて、
ボルトもしめて接触しないか確かめながら・・ それを何度か繰り返します。

響板を修復します。 肝心なところです。

後からどうこうできないので、ぬかりなく作業を
進めていかなければいけません。

響板の修復を終えたら、フレームを乗せます。

剥がれかかっていたので、外した親板を圧着します。

弦圧をしっかり整えたら、張弦です。

弦はレスロー、チューニングピンはビーネを使用しています。

中音部のボリュームを抑えて全体のバランスとるため、どこにどの
太さの弦を張るのか、バス弦も含めて考えていかないといけません。

もともと張られていた弦のデータはあくまでデータ
として、新しく張る弦の参考にします

ここからは普通の修理です。

アクションパーツはすべて新品に交換しました。

ハンマーとシャンクはレンナー(ドイツ製)でより心地よい音を目指します。

整調・整音・調律を何度も繰り返し音とタッチを製錬してゆきます。


2011年末に無事納品させていただきました。

納入調律にお伺いし、現場で確認しましたが、修理する前とは質の違う音になっていました。

O様にも、きっと気に入っていただいていると確信しています。