ヤマハがまだ手工芸品的な製造をしていた頃と、その後の

量産時代の象徴的な2台と言えるでしょう。


設計、材質ともだいぶ違います。

デザインも違うし、作り方もずいぶん違ったんだと思います。



でも同じヤマハU3。
  さてオーバーホールしたら?



考え出したらワタクシもう止まりません!


家計もかえりみずパーツを発注!

時々ある調律の仕事以外は工房にこもります。



使用木材の良さには感心します、まったく劣化がありません。

外装に無垢材が使われている箇所がいくつかあります、塗装の劣化はひ

どいですが、木材には割れも変形もなくビシッっとしています。



それもそのはず、このピアノの販売価格は26万円、当時のサラリーマンの

平均月収が37,000円位という記録を参考にすれば、今の価格に換算して

少なくとも200万円以上のものですが、当時の時代背景を考慮に入れれば

そんなものではないと考えられます。

2013/11/12

ハンマーアクションを支えるアクションレールは木製です。

この木製レールが素晴らしく!・・、以後の機種はアルミ製です

割れも、曲りもない無垢の材質で、ちょっとサンディングすれば

新材のような美しい木肌が現れます。

とても50年以上経過した古材とは思えません。

いまだ絶妙なトルクでハンマーAssyを保持してくれるので、

レンナーハンマーの特性がより生かされるのではと

確信しています。

外装の塗装はお客様が決まってから行なおうと思ってましたが、

暇なんで始めちゃいます。  

作業はU3Aのページでご紹介していきます。

写真ではわかりにくいですが、鍵盤はレンナーの象牙色キー

カバーと、黒檀の黒鍵に変更しています。


U3Hは今でも中市場で人気のピアノです。

オーバーホールしなくても、通常の整備でまだ使えるピアノです。

そんなU3Hをあえてオーバーホールした理由は沢山あります。




まだ響板や駒を直す必要がなく、フレームの塗装も傷んでいない

ので、フレームを上げる必要がなく、大幅に工程を省略できると

いう事!



次にというかU3Hオーバーホールにおいて、最もメリットとなること

なんですが・・・    それは塗装劣化がないということ。


キズがあっても部分補修と研磨で新品並みの輝きが得られます。

鍵盤蓋や上・下前板などのポリエステル樹脂は全く劣化していません。

ラッカー部分で傷の多い箇所、とくに腕木(右写真)などは部分的に

吹付塗装してしまいます。





鍵盤は木口やブッシングクロスの交換、鉛の打ち替えなど作業量の多い箇所です。

黒鍵、白鍵上面は研磨します。

オプションで象牙、黒檀など交換可能です。



言わずと知れたレンナーハンマーですが、レンナージャパンと

いう会社が設立されたらしく、今後値段が上がりそう・・


やっぱこいつじゃないといいピアノにならないんで、レンナーさん

お手柔らかに・・・


ハンマー以外のアッセンブリーがまだ健全なので、そのまま使えるというのも大きな理由となります。

ウイッペンAssy、ダンパーレバーのパーツ代が節約できます。

(ダンパーフェルト、ウイッペンヒールクロスは交換します)

バットはヤマハ純正を使用

いまのところ2台並べてご覧いただけるようになっています。
     

まずこの状態まで解体します。

'59年製ヤマハU3Aと'78年製ヤマハU3H  同じメーカー 同器種・・・ですが!

     オーバーホールの対象としては両極にある二台です。 

                      

上記二台のオーバーホール作業料

1959ヤマハU3A

オーバーホール           ¥540,000

全塗装                 ¥216,000


合計                  ¥756,000 

1978ヤマハU3H

オーバーホール           ¥378,000

外装部分補修・研磨         ¥64,000


合計                  ¥442,800 

上記税込