1959 YAMAHA U3A
この辺の年式の木目のピアノは、
塗装の感じが結構いい味出してるんですよね!
まだ超高級品だったころのピアノで、各部に良質な材を使っています。
当時の販売価格は26万円、サラリーマンの平均月収が37,000円位という
記録を参考にすれば、少なくとも200万円以上のものですが、当時の時代
背景を考慮に入れればそんなものではないと考えられます。
嫌みのない、柔らかな、でもしっかりとした芯のある音がします。
ヤマハの音というイメージはなく、ヨーロッパ的な印象を受けます。
売れてしまう前に一人でも多くの方に触れていただきたいと思います。
¥810,000
(ピアノ本体¥54,000、オーバーホール¥540,000、全塗装\216,000)
トップページにも掲載していますが、オーバーホールした状態で工房に展示しています。
外装はまだそのままの状態なので「このレトロな感じがいい!」という方や、ご予算を抑えたい方は、そのまま
・・・・っと思っていましたが、暇なので塗装しちゃいます。 下に塗装作業をご紹介していきます。
外装の作業を始めます、 ダークマホガニー艶出し仕上げでいきます! 2014/4/6
全面が白い削り跡になれば作業完了!
これで上塗りができる準備が整ったということ。
削ってみるとこんな風に凹凸があるのがわかります。
削りすぎると一巻の終わりなので細心の注意を払いな
がらの作業となります。
形が複雑なうえ、パーツ数が多いので丸一日こうやって
(真っ白になって!)削ります。
下塗り (木材に塗料がしみこまないようにするバリアー的なもの、 シーラーともいう。)
中塗り (木材の導管というデコボコを埋めて塗装面を平らにする、どばっと厚く塗って後から削る、 サンディング
シーラーともいう。)
十分乾燥させたのち研磨していきます。
サンディングが終わったら着色です
。
今回はダークマホという色にします。
中間的な茶色ですが、少し赤みがあって上品な色です。
上に塗料が乗るとぐっと良くなります。
サンディングを進めて白木の状態にします。
赤い(エンジ)染料が染みこんでいるので、白木になるまで
削りますが、このころのピアノは突板が厚いのでOK。
突板はカバでしょうか?
無垢の部分はナラ材の箇所が多いような気がします。
非常に軽い外装で、それはいいピアノの証拠なんだそうです。
まず剥離剤で塗料を溶かして、ベトベトをへらでこそげる。
その後ふき取ってからサンディングします。
ベルトサンダーも使いますが、手作業が多いです。
このピアノは複雑な形なので大変!
ロゴを適正な位置に接着します。
ブシュ〜っと
どば〜っと上塗り!
ガンはすぐに洗浄せんと
ダメになるんじゃ〜
良く働いたオジサンの喉はビールで
洗浄してやらんといけんのんじゃ〜
またまた削る作業です。
塗料に埋まったロゴを研ぎだしてゆく。
塗料がポリエステルという固い塗料なので、かなり荒い
サンディングペーパーから始めて5段階ほどの研磨をします。
最初は手作業で行い、後半はエアサンダーで仕上げていきます
最後に#1000で水研したら、後はバフで鏡面にします。
本体のバフが終わったので棚板、脚柱を組み上げて馬から降ろす。
とりあえず本体だけ元のポジションに。
この脚の木目なんかしぶいでしょ〜 木材としてはナラっぽい。
でも模様としてはなんか蛇っぽい。
でも・・まだまだバフは終わらない。
目が痛い、ゴーグルの横からメンチェルナ入ってくる。
痛いのでまばたきが増える、研磨剤なので目がしょぼしょぼ。
老眼でただでさえ見えにくいのに、しょぼしょぼして集中力が落ちてくる、くっそ〜もうやめようかな〜、よし!明日にしよう。
いや〜まてまて。 それじゃーいつまでたっても終わらんぞ!もうちょっとがんばれ。
あっ、くっそ〜腕がしびれる、しかも神経痛っぽい痛みが、ピりピリき始めた
う〜ション便がしてー、トイレが遠いからめんどくせー。 ま〜た静電気だ、アースするか・・
どっから?
私にとってバフ作業は一種の禅?(愚問愚答)のようなものです。
永かったバフ作業も終わり、組み立てに入ります。
まだ目が痛い・・・
ポリエステル塗料を艶出しで仕上げてありますので、平水面のような
深い艶があります。
外観も音もGOODです!
じゃ〜ん! 完成であります。
このアングルが実際の見た目に近い。
まだ湿度が低いので研磨作業をしていると静電気がひどく・・・
そうかアースすればいいのか! どっから?
電気だけにへそか? どうやって?
いや、しゃがんでるからけつからとったほうが・・ どっちにしてもグロいな
ば〜か! ポリッシャーだよ! う〜 そっちかー!