2010年8月3日(火) ぐりとぐら
先週から、「ぐりとぐら」をペープサートにしている。厚紙に絵をかけて、棒をつけているだけなのだが、そうすると、子どもたちが、結構、いろんな役になって「ごっこ遊び」を始める。最近、また小学校低学年くらいの男の子たちが、結構遊びに来るようになったが、シンとセンという双子の男の子たちがいる。見分けはつかない。結構な悪ガキである・・・と思っていたが、まぁ、この二人が、一生懸命、ぐりとぐらになって遊ぶ。そして、私が厚紙に絵を描くと、小さな子たちが、先を争って、色を塗って、お姉さんたちが、ボンドで貼り付けて、ペープサートにする。すると、まぁ、よく遊ぶ。
あぁ、必要なことなんだろうな・・・・と思う。子どもの時に、子どもらしく遊ぶことが・・・である。そうして、「ごっご」をして遊ぶと、またよくお話を聞く。
最近、人の家の前で、爆竹を鳴らしては、私を怒らせる、ちびのガキがいる。まぁ、憎たらしい顔をしている。
「図書館は大勢子どもたちがいるんだから、図書館の前で、爆竹鳴らしたらダメ!」と出て行って怒っても、何食わぬ顔して、またやる。コノヤロー!である。その子が、今日、図書館に来て、そのペープサートで遊んでいた。ワニのペープサートを持って、一心に遊んでいた。
子どもは環境によって、いくらでも大人っぽくもなれる。だが、子どもの頃に、子どもっぽく遊ぶことは、とっても必要なことなんだな・・・・と思うのである。本当は、子どもたちは、そうして遊ぶことを必要としているように思う。
正当に大手を振って遊べる時期に、大手を振って遊べ!子どもたち。
大きな女の子たちが、「夜、ウェンティアンに行く?」と言う。お寺でやる行事である。私はよく知らなかったが、仏様の日に、お寺であるらしい。結構、子どもたちにとって、お寺に行くというのは、身近なことなのである。
「行くんだったら、迎えにくるよ」
「雨が降らなかったら、行ってもいいよ」と言ったら、結構、ひどい雨になった。もうこれは行かないんだろうと思って、夕食を食べ終わったら、その頃、女の子たちの呼び声が聞こえる。
「ウアイ・キヨコ(きよこ姉さん)」「うあい・きよこ・さん(きよこさん姉さん)」と呼ぶ。きよこさんというのは、図書館スタッフのカオちゃんが呼ぶのを聞いて覚えたらしい。急いで出ていくと、女の子たち4人である。
「行かないの?」「だって、さっきまで雨降ってたよ」
「もう降らないよ」
7時に迎えに来ると言っていたが、もう8時である。
「行くって言ったでしょ。カメラ持って来てね」
ダンナが友だちとの約束に行くのに、「寺まで乗せていってやるよ」と言うので、車に乗せてもらって、寺まで行く。中をのぞくと、ひっそりと誰もいない。
「わぁ、誰もいない」「雨だったから、やってないんだぁ」
「どうするの?行くの?」
「ううん、帰ろ、帰ろ、また来週だ」
ということで、女の子たちとのお寺行きは、また今度となったけれど、近所の子どもたちが誘いに来てくれるのは、ちょっと嬉しくて、ちょっと時には困ることもあるが(仕事が詰まっている時などは・・・・)、でも、面白いもんである。
8月20日(金) 子どもたちと川に遊びに行きました
この図書館の面白い?ところは、子どもたちが、みんな我が物顔のところである。自分たちがやりたいことは、なんでもできる!と思いこんでいる節がある。
シェンクワンの山の図書館へ1週間行き、戻ってくると、
「今度の金曜日に、私たちは川へ遊びに行くのよ!その日が過ぎたら、学校が始まって、私たち、忙しくなって時間がないんだもの」
とか言うではないか。まったく、遊びに行く・・・というのは、川へ、私たちが車を出して、子どもたちを乗せて、連れていく・・・・という意味である。
「おいおい、勝手に決めてもらっては困る」と思うのだが、子どもたちの図々しさ?には笑える。もうそのつもりになって、持っていくものも準備してあるんだよ、行こう!と言う。
それにね・・・・と、図書館のおねえさんのカオさんも実は行きたいらしく、
「これが、その日に作るメニューよ」と、紙を出してきた。
ゲーン・ノーマイ(たけのこスープ)、タムマックフン(パパイヤサラダ)、ご飯(各自)とある。まったくもう楽しみで仕方ないらしい・・・・全員を連れていくわけにはいかないけれど、もうメンバーも、小学校5年生(9月からは中学に上がる)子を中心に、もう名前も書いてある。
「あんたたちだけ行って、他の子は文句言わないのかなぁ」と言うと、「いいのよ、子どもは。小さい子は連れていけないわよ」と、大きい子たちは、もう「子ども」ではないつもりらしい。
ホントは行きたい私も、運転手となるダンナにお伺いをたてたところ、
「雨ならダメだよ。天気がよかたらね」と言う。「あぁ、お願いだから、晴れて〜」と子どもたちは言う。
さて、果たして晴れたのである。しかも、前日は雨で、その翌日も雨だったら、運がいい。
8時半出発!と言っていたのに、子どもたち7時半にはやってくる。
「早いね」と言うと、「私たち、7時から来てたのよ」と。
メンバーは、小学校5年生の女の子、ユイ、プー、オオン、スッグ、ノイ、フー、4年生のピム、もう卒業したけど中学に行っていない、トイ、それに唯一の男の子ニットである。ピックアップトラックの後ろに、子どもたちと、ひばちと炭と鍋と、野菜と調味料なんかを積み込んで、出発。大人は、カオさんに私、ダンナに、それからちょうど日本からいらしてたノリさんである。
ヴィエンチャンから小1時間ほど離れた、ヒンカナーという川に行く。休みの日なんかには、田舎道が交通渋滞になるほど大勢の川遊び客がやってくるらしいが、平日の朝、行き交う車もない。タケノコスープのメインの材料であるタケノコは、道端で売っているはずだというので、持ってこなかったが、観光客も来ない平日には店はでないらしい。タケノコなしのタケノコスープになるかもね・・どうするぅ・・・などと言うと、子どもたちは、竹林を見るたびに「きゃあ、タケノコ〜」などと歓声をあげている。もう、嬉しくて何が起きても嬉しいらしい。きゃあきゃあ笑っている。
ヒンカナーとは、自然の川に数か所、堤防のような土手を作り、水をプールのように溜め、堤防の一部の穴から流れ出した水で、その下は流れるプールみたいになっている遊び場であった。回りには、まるで海の家みたいに、屋根だけの小屋が並び、そこで、食べたり休んだりができる。
果たしてお客は私たちだけで、お店はあるものの、タケノコは売っていなかった。どうするのかな?と思っていると、ダンナが、店の人に「タケノコとってきておくれよ」と頼む。すると、すぐに新鮮なタケノコをとってきてくれた。まさに、採れたて!である。
ラオスでは服を着たまま川に入るのが当たり前。水着など持ってきている子はいない。私もそれは経験済みなので、着替えは持ってきたけど、服のままじゃばじゃば。料理はもっぱら、ダンナとカオさんに任せて、子どもたちは大騒ぎ。私もいっしょに入ったが、なかなか強烈なのである。全然、安全性なんて考えてない、流れるプールみたいなもんで、堤防の吹き出し口から流れ出る流れに入ると、「わぁ〜〜〜〜〜」と思わず、悲鳴をあげて、流されてしまう。しかも、お尻を、ドンドンドンと下の石にぶつける。お尻にあざはできるわ、すりきれるわ・・・っていう感じであるが、面白い。みんな、懲りもせず、きゃあきゃあ言いながら、流される。
かなりスリリングだけれど、流れはもう一つの堤防でせき止められているので、まぁ、ずっと流されてしまうこともない。
流れるプールの流れの上は、静かな水面のプールみたいになっているが、そっちでは、飛び込んでは泳ぐ。みんな「腹打ち」の飛び込みである。ラオスでは、体育の授業なんかないし、あっても水泳はない。みんな泳ぎを習うことなんてないのである。ばしゃばしゃ、不器用に泳いで、これも大はしゃぎ。
普段、ヴィエンチャンのせまっくるしいところに住んでいる子どもたちにとっては、本当に楽しかったに違いない。「ほら見て、これすりむいた」「私はこっちよ」などと、すりむき自慢をしながら?「来年も来るよね。来ようね」と、言いながら、びしょぬれの服のまま、家路についたのでした。
昼からは、大人たちがやってきて、水の脇で歌をうたい酒を飲み、宴会が始まった。きっと休みの日は、自然と戯れるというよりも、宴会場となるのだろう。それも、またラオスっぽいが、人気のない午前中、思いっきり川遊びができて、私たちは楽しかったのであった。
それにしても、子どもを川遊びに連れてくるのに、もちろん、「親の了承を取ってなかったら連れていかないよ」とは言っておいたが、親のただ一人も、「危険じゃないのか」とか「もし何かあったら責任はどうするんだ」とか言ってこない。そのかわり、「すりむいたじゃないか」とかの文句もないし、誰もお礼も言いにもこない。そのあたり、子どもも子どもとして、自分の責任をちゃんと持っているようで、大人がいちいち干渉したり、面倒みることもない。
もちろん、子どもたちには目を配ってはいたけれど、気にし過ぎることもなく、いっしょにおおいに遊んだ。
まっ、とにかく、子どもたちと思い切り遊んだ楽しい1日でした。