紙芝居を読むカムフー                         2012年11月10日(土)

 朝、さっそく大勢の子どもたちが来ている。
 子どもたちは、中学生のお姉さん、カムフーが読む紙芝居を見ている。
 カムフーは中2だが、どちらかというとおとなしい子で、いろいろな事情があって、しばらくタイに行っていたり、働いたりしていた。9月のラオスの新学期に入って、1週間ほどした頃、図書館に来たので、
「あんた、学校どうしたの?」と聞くと、
「中学、行くのあきらめたよ。だって、弟や妹もまだいるし・・・・うちは貧しいから、学校の登録料払えないんだもの」
と言った。(ラオスの公立学校は、授業料はないが、1年のはじめに登録料を払う。現在、中学で、2000円ほど)
「勉強したいんでしょ?」「したい」
 ということで、ちょうど、清水基金(石川県、小松市)から、奨学金に充てる資金を頂いていたので、
「登録料はなんとかなるから、あんたが本当に勉強したいんだったら、応援するよ」
と言うと、カムフーはさっそく、学校に行く手続きをした。

 先日、久々に会ったので、(私が日本に行っていて1か月ほど空けていたせいだが・・・)
「学校行ってる?」と聞くと、
「1日も休まずに行ってるよ」と胸をはるように答えた。

 そして、今日、朝からやってきたカムフーは子どもたちに、一生懸命紙芝居を読んでいる。彼女は、常連と言っても、休みの日には市場でモノを売るお母さんを手伝わなくてはいけなかったり、あれこれで、いつも図書館に来られるわけではない。(双子の弟のプッタセン、プッタシン)や末の妹のヌンはいつも来ているが…)
 そのカムフーが、朝から図書館に来て、子どもたちにお話をしてあげている。本当の弟や妹も、お姉ちゃんがお話してくれるのが、嬉しいのだろう・・・本当に嬉しそうな顔をして、お話を聞いている。私も嬉しくなって、しばし、見ていた。
 あぁ、カムフーが学校に戻れてよかった…と心から思った・・・・


 午後4時、もう図書館が閉まる10分ほど前、ジョイー(中1の男の子)が、絵本を10冊ほど抱えてやってくると、
「全部読んで。そしたら、帰っていいよ」と言う。
 もう中1で、十分ラオス語は読める。それでも、読んでもらってお話が聞きたいと言う・・・ので、読んでいたが、絵本を読んでいると、あれこれ話しかける人がいて、ジョイーも、よそ見をしている。
「聞いているの?聞いてないの?」と言うと、ジョイーは、「ちゃんと聞いているんだから、読んで」と言う・・・・
 字が読めるということと、絵本を読んでもらう:::ということは、子どもにとって、イコールのことではない。つまり、字が読めるんだから、絵本を読んであげなくてもいい…ということではないのだろう。何かがそこにあるらしい…


 久々のドンパレープ図書館              
                                      2012年11月3日(土)

 
1か月日本に行っていた。その後、先週も仕事で図書館に顔を出さなかったので、久々のドンパレープ図書館。
 朝、近所のおちびちゃんたちが、さっそく仲良くやってきてお絵かきや絵本を見たりしているが、閑散として静かだな・・・あまり子どもたち来なくなってしまったのだろうか? と思っていたが、段々、常連の中学生たちもやってきて、新しく入れた本の登録作業などを手伝いはじめる。

 お昼にも、この子たちは我が物顔で図書館にいて、家に帰らない。
「タムマックフンを作って、みんなで食べようよ」と言う。私がパパイヤを買うお金を出すと、ターイとジョイーという二人が嬉々として買いに行き、自分の家で、タムマックフン(パパイヤサラダ)を作ってくる。タムマックフンとカオニオ(蒸したもちごめ)、コープン(素麺のような麺)と、うちから提供したフランスパンとシンロート(揚げた干し肉)で、みんなで昼ごはん。腹いっぱいにはならないが、その時に居合わせた子が、一緒に食べる。

 午後、紙芝居を小さい子に読んでやる中学生。登録作業を、図書館のお姉さんと一緒にやる子たち。ハンモックで本を読む子。お話読んで!という子たち…ゴム跳びをする子たち・・・

小学生に紙芝居を読む中学生

絵本をお話する私

 ここは、なんの時間割も規則もなく、雑然としているけれど、確かに、この近所の子たちが好きで集まる場所になっているんだ…それはそれでいいんだ…と実感した。

 夕方近くには、図書館の建物の横の小さなスペースで、久々に、子どもたちとバスケットボールもどきと、バレーボールもどき・・をししたが、狭くてボールが跳ね返ってばかりで、大笑いをした。私は球技はいたって下手なのだが、久しぶりにボールを触る感覚。バレーボールを受けて手首が痛いという感覚…久しぶりだなぁ・・・中学や高校の時に休み時間を思い出した。