2012年4月22日(日)    今日の図書館

 最近は、少し図書館らしくなってきている・・・ともいえる。少し落ち着いてきた・・・というか・・・今日は、子どもたちはお話をよく聴いた。絵本を持ってきて「お話をして、して」というのは、だいたい小学生であるが、お話をはじめるとみんなで覗き込んでいる。
 隣の家の小5の女の子も、さっそく来ると、本を選んで借りて家に持って帰ると、また遊びに来た。また、昨日も本を借りて行った女の子が、さっそく返しにきて、また新しい本を借りている。おとなしい女の子で、他の子とまじって遊ぶことはしないが、いつも弟と来ていて、ちょっとおえかきしたり、ちょっとお話を聞いて、本を借りて帰る。今日はお母さんが赤ちゃんを抱いて、「図書館を見に来たわ」と一緒にやってきた。子どもたちが、土日にいつも行くのはどこか?見に来たのだろう。お母さんともども、朝と夕方2回もやってきて、結構ゆっくりして行った。

 久しぶりに来た中学2年のスムは、本をたくさん借りて、「後でまた来るね」と言って帰ったが、また顔はのぞかせなかった。中学生になった子どもたちは、それなりに、他の関心事や、やることが出てきているのだろう。図書館に顔をのぞかせる時間が少なくなっている。

 午後は、ゴム跳びをして遊ぶ子どもたち。
 また、もう16〜7歳になって、家の仕事(竹編み)を手伝っているトイは、「瓶持ってきてよ、瓶!」と言うので、何をするのかと思ったら、紙にクレヨンで色を塗って、それを縞に切り、瓶に張り付けて、その上をテープで巻き、「花瓶を作るのよ」と言う。日本だったら小学生がやりそうなことだが、本人、とても一生懸命やっている。
「だってさ、明日は月曜だから、働かなくちゃいけないからね。今日はこれやりたいのよ」などと言って、私にも「花模様描くの手伝ってよ」などと言いながら、やっている。ラオスでは、小学校の「図画工作」やらもないから、あれこれやったことのない子どもたちは、この図書館で、その「図画工作」ごときことをやっているともいえる。
 中学校を辞めて2年になるオオンもやってきた。目の上を真っ黒に塗っていて、大人びて見える。「私も、花瓶作るわ」と、トイと一緒にやりはじめた。クレヨンで色を塗ったりしながら、「また仕事探さなくっちゃ」などとあれこれ話して行った。



 そんな一方、みんなで本を覗き込んで、一緒に声を出して呼んでいる子どもたちもいる。身体についての知識本である。声をそろえて読んでは、わぁ〜とか、へぇ〜とか言っている。あぁ、なんかいいなぁ・・・とうれしくなった。本を読んで、新しい知識を得て、驚きの声を出したりしているのだから・・・・・・



 帰り際には、私が続けざまに、お話をさせられた。
「きつねのホイティ」「どろんここぶた」「クリクター」など・・・きつねのホイティに合わせて歌う歌(私が勝手にメロディをつけているのだが)は、もう覚えている子がいて、一緒に歌う。

 帰り際に来たポックは、小2の教科書を、また借りて行った。きっと教科書を持っていないのだろう。毎回、更新して借りている。自分の名前の綴りも間違えていたポックだが、教科書を、少しは読めるようになっているのだろうか?

 来る子さまざまであるが、それぞれが、自分のやりたいことをやれる・・・という場所であればいい・・・と思う。私にしても、図書館お姉さんであるカオさんにしても、「今日の予定はこれをやるのよ!」などと計画を立てて、子どもたちをリードするタイプではないので、何となく、子どもたちに流されつつ、今に至っているが、自分たちの居場所・・・という意識だけは、子どもたちの中に育っているようだ。時によっては、靴投げ遊びばっかりしていて、「少しは本読め!」と頭にきた時もあるのだが、今日のように、本を見て、遊んで・・・がバランスがとれると、私の方も「よかったな」と思ったりする。何はともあれ、子どもたちのことを長い目で見て、気長につきあわなくちゃいけないわけだ。