2月1日(日) ちんぴら主婦

 私は、この年齢にして、まだ主婦歴が2年に満たない、チンピラ主婦なのである。そして、旦那が、細々とした雑用を得意とするタイプであるので、私が怠けていても、床掃除をしたり、皿洗いをしてくれる人がいるので、チンピラ主婦の割には、どうにかなっているが・・・・・
 日本でも、元々、お惣菜やさんのお惣菜とかを買わないし、一人では外食をしないので、簡単であっても家の手料理を作って食べているが、まぁ、なんといっても、たまに日本に帰ると、荷物を散らかしっぱなしで、掃除、洗濯も、なんとも母に頼って生きてきたもんだ・・・と思う。最近は、母も年をとってきたので、やらねば!と思うけど、なかなか、今でも家では散らかすばかりなのである。

 ここでは、たとえ、チンピラであっても、一応、主婦なので、朝起きると、当然だが、飯を炊き、味噌汁を作り(ラオス人の旦那も、味噌汁に慣らされてきている)、あともう一品くらいおかずを作る。ラオスの野菜は、たとえば、日本のスーパーの野菜みたいに、きれいになってパックされているのと違い、根っこがついて土だらけだったりする。米も石やら、モミガラやらが混じっている結構、そんなのを洗って・・・やっていると、結構時間がかかる。最近は、「作り置きのおかず」を作ろうと、週に1回くらいは、アジをたくさん買ってきて、日干し(本当は冷蔵庫干し)にしておいたりして、そんなのが1品加わると、かなり楽だということがわかった。ダンナは、結構朝起きぬけに動く人で、朝飯前になんだかんだと大工仕事したり、手仕事をする。それが一段落してから食事をして片付けると。
「あぁ、もう9時か」
 私は、あまりお掃除が得意でなく、散らかすのが得意だが、家のゆかは、3匹の犬が・・・・つまり、12本の足が土足のまま、出入りしているから、すぐに泥だらけ。仕方なく、お掃除をして、洗濯をして・・・・「あぁ、もう10時か・・・早く机にむかいたい」
 とか思いつつ・・・・そして、やっと机に向かうと、犬のメリーが来て、モノ欲しそうな顔をする・・・・・「わ、犬のごはん」ということで、ご飯とすじ肉をまた鍋にかけ・・・・・などなどで、あっという間に、もうお昼の時間になると、なんだか、とってもあせるのである。
「わ、まだ何にもやってない!」

 世の中の主婦の人は、大変だなぁ・・・・とつくづく思うこのごろである。私なんかは、犬と、私より片付け上手でマメな旦那がいるだけで、子どもはいないから、ずっと楽なはずであるが、お仕事をしている主婦の人は、本当にすごいなぁ・・・・・と40代半ばすぎにして、初めて主婦になった、チンピラ主婦は、今ごろになって、思うのである。
 
 ちなみに、「ちんぴら」って久しぶりに使うけど・・・・使い方、合ってるのかしら?と思い、辞書を引いてみた。
 小物のくせに大物らしく気取って振る舞うものをあざけっていう語。転じて、不良少年少女
 だそうだ。
 まっ、たいしたことできてないのに、「主婦」ぶった発言をしてみた・・・のだから、まぁ、使い方もまんざら間違っていたわけではなさそうである。


2月3日(火) メリーのお仕事


 うちの犬のメリーは、忙しい。
 ミャーオとどこかから聞こえると、とたんに、「ウォ〜、ウォ〜、ウォ〜」と、小さくてかわいらしい顔に似合わない声で唸りながら、声の方に突進していく。そのメリーのつられて、大きなペプシが、「メリーお姉さまについていかねば・・・」というかんじで、アタフタ大慌てでメリーを追いかけていく。メリーは、「猫を追い払うのは、私の仕事!ネズミの番は私の仕事!」と、思いこんでいるような面があり、声が聞こえようモンなら、何はさておき、駆けつける。江戸っ子と火事みたいなものであろうか?それに比べ、ペプシは、「ぼくも行かないと、悪いかな」くらいなものであろうが、大慌てでついていく。新参者のふとっちょのラッキーは、「何やってるんだろう」ってなもんで、寝たまま・・・きょとんとしている。
 たいがい、塀の上なんかにネコがいるから、ワンワン吠えつこうが、ネコは知らんぷりである。

 ある晩、ネコが、庭に飛び降りた。犬にわからないと思ったのか、犬がいるのを知らなかったか…・ネコがひらっと土の上に降りたとたん、ウォ〜、ウォ〜、ウワワワワン、ウワワワワン、猛烈なメリーとペプシの追跡にあった。さすが、この2匹、足は早い。ネコは驚いたのなんの。庭を逃げ回り、何周かしたあげく、セメント柱の上に、駆けのぼった。下から、2匹が猛烈に吠える。ネコは、柱に登ったはいいが、その10センチ四方くらいの柱の上で、困っている。降りるに降りられないらしい。柱は、金網の間に立っているので、金網の針金の上は、さすがにネコも歩けないのである。
「困ってしまって、ニャンヤン・・・」みたいな顔をして、柱の上でじっとしている。庭の方には、2匹の犬が吠えたてているから飛び降りられない。狭い柱の上で、向きをかえようと、もそもそしている。30分くらい、柱の上でニャンともならず困っていたが、やっと、向こう側に飛び降りられたのだろう。しばらくしたら、いなくなっていた。

 私はその様子を見て、絵本、「あおい目のこねこ」を思い出した。犬に追われて木の上にのぼったまま降りられなくなった、黄色い目のねこたちは、そこにずっといてやせ細ってしまうのだが、それとそっくりで・・・笑ってしまった。犬を飼うようになってから、「どろんこハリー」「アンガスとあひる」などなど、犬の絵本を描いた人たちは、本当に、犬をよく観察、よく知っている人たちだったのだろうと、つくづく思う。自分の犬を見ていると、ふと、絵本の中の一場面と重なる時がある。スヌーピーもそうである。先日、ペプシが、どうもおかずが気に入らなかったのか?鼻で、お皿をひっくり返そうとしていたのを見て、スヌーピーの漫画の一場面を思い出したりして、妙に、小さい頃に愛読していたあのピーナッツコミックスのスヌーピーシリーズを、また読みたくなった。

メリーとペプシ