2010年1月29日(金) ラッキーのこと

  
 またまた、話題が犬しかないのかよ!というくらい、ここでは犬のことしか書いていないけど、ラッキーとは、3匹目の犬のこと。
 この真っ黒な子犬は、正式にはお隣の家の犬なのだが、敷地が同じなので、今も、うちの中で、3匹揃って寝ている。このクロちゃん、あまりにアンラッキーな運命で、もうすんでのところで、殺されて食べられてしまうところを、お隣のSくんが、「かわいそうだから、ぼくに売ってくれ!」と、まるで、お話みたいなのであるが・・・救われたわんこである。だから、不幸中の幸い、危機一髪!結局はラッキーなのだ。それで、ラッキーと名づけられた。

 どこかで飼われていたのに、盗られたか、売られたか・・・・で、そのようなことになったらしいが、きっと、その間、怖い目にあったのだろう。極度の、「こわがりや」であった。つい最近まで、ワンの一言もなかず、他の2匹、メリーとペプシにも近づこうともせず、抱こうとすると、「キャイーン、キャイーン」と怖がった。子犬のくせして、モノ憂う大人みたいな顔して、一人でいるのであった。
 闇夜のカラスみたいなもんで、真っ黒な顔に、真っ黒な目があるので、あまり表情もわからないけど、お腹が白くて、犬というより小熊みたいだと思っていたら、このラッキー、よく食う。あまりにもガツガツガツガツ食べて、お腹が横に張りだしてきて、まるでヤギのお腹みたいになった。
「おまえ、本当によく食うね。プンプイ、プンプイ(おデブちゃん)」と呼ぶようになった。いやいや、とうとう、ヤギどころか、子犬のくせして、おじさんのビール腹みたいな腹になってしまった。
 私はノイに、
「ほら、人でもさ、精神が安定してないと、食いに走る人がいるじゃない?とりあえず、食べて安心するって・・・あれじゃないかね?」
というと、ノイは
「食える時に、食っておこうていう本能が働いているんだろう」という。
「おまえね、もうここにいたら、いつでも食べられるんだから、安心していいんだよ。食いダメしなくていいのよ」と話しかけ、みんなに親切?にされるうちに、ラッキーも少しずつ、恐怖感が薄れてきたようである。
 最近は、朝起きると、ペプシとメリーの後ろから、しっぽを振って寄ってくる。他の2匹とも遊べるようになった。だが、どうもいまいち運動神経がにぶいのか、おデブだからかわからないが、ペプシと追っかけっこをやっていて、しょっちゅう、ドボンと金魚池に落ちている。メリーの方は、身体の大きさが同じくらいだから(メリーの方がずっとお姉さんだが・・)敵対心を感じるのか、あまり遊んでやらないが、ペプシとは、よくじゃれるようになった。
 犬も、精神的なショックがあると、やはり、立ち直るまでには時間がかかるんだろう。でも、ここ数日、前よりは少し、「食い貯め症候群」もなくなってきたようである。少しは、落ち着いてきているのだろう。最初は部屋の隅で、丸まって寝ていたが、今は部屋の真ん中で無防備に、手足を伸ばして寝ている。昨日は、ワンワンと吠えているので、行ってみたら、庭に落ちていた魚(田舎の池からとってきたものを洗面器に入れておいたら、飛びだしたようだ)に向かって、ワン!ワン!と遠慮がちに吠えていた。あまりにこれまで吠えたことがないので、それだけで、「おまえも、吠えられるんじゃない!」と褒められる。

 よかったね。犬であっても、人であっても、信頼できる仲間に囲まれて、安心できる日々を過ごせることは一番である。