2011年6月20日(月) 7匹の犬と・・・・・

 子犬も大きくなった。4匹・・生まれた順から、クマちゃん、パンダ、ポチ、マリコちゃん・・である。黒・茶・白黒・黒・・・全部メス。最初に、ラーと呼んでいた末娘のおチビちゃんは、なんだかとってもそんな感じなので、「マリコちゃん」という名前になった。



 昨日、ダンナの実家が田植えで、田植えを手伝いに行くのに(私などは、ただ行っただけだが)、1匹を両親にあげるという話に急になり、クマちゃんを連れて行く。ポチもあげるつもりはないが、一緒に連れて行く。車に乗るのもはじめてだが、大人しく乗っているクマにくらべ、ポチは、一人でバタバタバタバタ動きまわる。まったく・・・と思っていたら、下りる時に見たら、私のズボンの隣に、小さな吐いたご飯の塊がある。バタバタしていたのは、気持ち悪くて、どうしたらいいかわからなかったのかもしれない・・・・
 車が下りて、土の上に置くと・・・2匹とも、どうしたらいいかわからないように、キャンキャンキャンキャン行って、くるくる走り回る。アリンコ? うちにもアリンコはいるが、やはり強烈なのかもしれない。田んぼの畦道まで抱いて行って、放すと、クマは、あぜにそのままいるが、ポチの方は、さっそく田んぼの中までぼちゃぼちゃ入りこんで、すぐに濡れる。
 私自身は、お恥ずかしい話だが、生涯ではじめての田植え。親戚のみんなには
「いつもみたいに、写真とってりゃいいんだよ」と言われつつも、「どうしたらいいの?」とか言いつつ、たんぼの中に入り、見よう見まねで、田植えを初体験・・・・・と、まもなく、ポチが、ジャバジャバ、ダンナの脚元までかけてきて、しきりに飛びつくもんだから、ダンナは泥だらけ。と、その次は、私の脚元まで来て、やはり、クンクン飛びつくので、私も、泥だらけになる。ポチは、もう寒くて、ブルブル震えている。
「おまえ、ポチを連れていけよ」
と言われ、泥だらけでブルブル震えているポチを抱いて、結局、あまりお手伝いにはならない田植えの初体験は終わりとして、ポチを田んぼから出す。クマの方はひたすらあぜ道に貼りついている。まったく、都会から来て、何をしたらいいかわからない私と子犬は、ほとんど同格で、結局、みんなより先に、畑小屋の方に引き上げた。
 ポチの方は、私が、どこかに歩いて行くと、必ずついてくるし、クマの方は、丸くなって寝てしまった。いつもなら、じゃれあって走りまわったり遊びまくるのに、やはり、そうはいかないみたいだ。
 ってなことで、私も、「まだきっと時期じゃないよ。もう少し、大きくなってからあげようよ」と、再び家まで持って帰ってきてしまった。
 家に着くと、残っていた犬たちが、大騒ぎで出てくる。子犬たちは、さっそく4匹そろって、メリーのおっぱいに吸いついている。
「ごめんね、メリー、ごめんね」とメリーの頭をなでる。メリーは、最近毛が抜けてしまって、やはり育児は大変なんだなぁ・・・・・そろそろ、おっぱいも終わる時期だろうが、メリーは仕方なさそうに、寝て、子どもたちにおっぱいをあげている。
「まったく、おまえが嫌がるから、あげられなかったじゃないか」とダンナが言うが、こうして4匹そろって元気にじゃれている姿を見ると、やっぱり、もう少し、きょうだいそろっての子犬時代を謳歌させてあげたいよ・・・と思ったりしてしまうわけだ。

 これまで、子犬たちは、ほとんど肉なしのやわらかく煮たご飯だけを、満足そうに、食べていたが、そろそろ、大人用の肉ありのご飯の方が魅力的になっているらしい。
「ほら、子犬たち、ご飯だよ」
と、家の裏で、細かく切った肉を少しまぜたご飯をお皿に入れると、4匹が、もぐもぐむしゃむしゃと食べだす。そこで、私は、母親のメリーに「メリー、ご飯」と声をかけると、家の表の方に置いた、メリーのお皿に向かって走って行き、メリーのお皿に肉入りご飯を入れる。メリー、むしゃむしゃと食べだす。そこで、問題は、オス犬のペプシとラッキーである。この2匹、子犬が来ると、妙に遠慮して、ご飯から離れてしまうのであるが、このオス犬だもは、ご飯だ!という時に限って、ウ〜ウ〜とわざわざ噛みつきあいのじゃれあいをしていて、なかなか来ない。すぐ来て、自分の皿のご飯をさっさと食べだせばいいのに、なかなか来ないと、子犬たちがかけてきて、ペプシとラッキーのお皿の飯を食べようとするのである。4匹のチビが来ると、いつもはがっついているおじさん犬のペプシとラッキーも、欠食幼稚園児に、お菓子を奪われるおじさんみたいに、少しすねながら、引いてしまうのである。ただ、私としては、この2匹に食べさせないわけにはいかない。
「ほら、ちびたちこっちにおいで」と、ちびたちのお皿に、また少しの肉を足しに行き、それから、ダッシュで、ペプシとラッキーの皿に戻り、2匹を引っ張り出して来て、食べさせる・・・という・・・短距離ダッシュのトレーニングみたいに、走り回りながら、犬に飯をやっている。


2011年6月23日(木) またまた、メリーの野性

母犬メリーと、ポチとクマ

 母犬になったメリーである。生まれてから2カ月になるのに、子犬はまだ、おっぱいに吸いつく。子犬はやわらかくした肉入り飯も食べるけれど、まだおっぱいにも吸いつくので、メリーは、さすがに腹も減る。時々、家を抜け出しては(なんと、鉄の扉をよじ登って、柵の隙間をくぐっていく。)近くの牛の丸焼きを出しているカラオケやに行って、どうも、お客さんたちにねだっては、肉を貰って食べている。何度か連れ戻しに行ったが・・・・いつもは、私は「あのカラオケやはうるさくて迷惑、困ったもんだ」と言っているのに、自分の家の犬がそこに「おねだり」に行っているのだから、どうにも困ったものだ。
 さて、おとといのこと。ふと気がつくと、メリーの姿がない。また、カラオケ屋に行ったらしい。しばらくすると、ガタガタと扉を叩く音がする。扉の外にはメリーがいて、開けると、飛び込んできた。
 すると、メリーは家の中に飛び込んできた途端、自分が食べてきた肉を吐いて、子犬にやっているではないか。子犬たちは、そのメリーがもどした肉を先を争うように食べている。
「えぇ〜、飼い犬がこんなことやるのだろうか?
と、驚いた。
 図書館に入れている絵本で、アフリカの動物のことを描いたシリーズがある。その中に、アフリカの野性の犬、リカオンの親は、せしめた獲物の肉を食べて、家に帰ると、吐いて子犬たちに食べさせるということが書いてあった。
「なんと、メリーは、リカオンか!なんという、母性、なんという野性」
と、私は、驚いて、感動したのであtった。
 家に帰ってきたダンナに言うと
「メリーは食い過ぎて、吐いたんだろ」と言う。
「そうじゃないよ。それなら、わざわざ家の中の子犬がいるところで、吐かないよ。あれは、絶対に野性だよ」
 それにしても、家では絶対そんなことしないくせして・・・・・(それどころか、食事中に、子犬が近づくと、うなる)外でせしめた獲物?・・・・・・他人様のところでうんと肉を食べて来て、家に持ち帰ってそれを子犬にやるなどと・・・・なんと、けなげな犬よ・・・・と、やっぱり感心したのであった。