4月22日(水) 蓮の花 その2
こちらは、先日書いた ヤギのハス(ブア・ベー)ではなくて、本物の(と言っては、ブア・ベーに失礼だが・・・そうそうブア・ベーはハスというより睡蓮なのです)蓮の話である。いわゆる、仏様の蓮である。
鉢を買ったその日、さっそく花の苗屋さんに行き、ハスの苗を二つ買ってきて、鉢に植えた。
うちの庭は、本当にたいした庭じゃない。元は、ここでレンガを焼いていたらしく、掘ると確かにレンガらしきものが出てきたり、全然肥えて豊かな自然の土ではないのである。そこで、一生懸命、木や花を植えているのだが、育ちは悪い。
さて、そんな土地ではあるが、水鉢を4つ置き、二つの鉢には、ハスの苗を、二つの鉢には、ブア・ベー(睡蓮)を植えた。
庭に水があるということが、それが本当に少しばかりの哀れな鉢の中の水であっても、それでも、庭の環境にうるおいを与える。水ばちには、やはり前の、きっちゃない川でとった小さな魚が放されているが、ブアベーを植えた鉢の方は、苗と土にくっついてきたものか、いつのまにか、貝やら、虫やら、いろいろな生き物が住みはじめているのである。雀も水を飲みに来る。花が咲けば蝶が飛んできて、木陰ができれば小鳥が来る・・・・こんな庭でも、緑が増えてくるに連れて、自然の生き物が少しずつ寄ってくる。少しずつ、生き物が住み着いてくるのがわかる。その勢いが、水ばちが入ったとたんに、勢いを増したような気がする。
さて、当のハスであるが、固い緑のつぼみが、ある日水の中から頭を出したかと思ったら、ぐんぐん日ごとに伸びる。そして、つぼみはどんどん日ごとに大きくなる。しかし、なかなか花びらは開かずつつましい。
やっと、花を開いた。大きくふくらんだつぼみがやっとゆるんで開いたかと思ったら、そのあとは、パァ〜!である。もう、つつましく待ってなぞ、いられません!とばかりに「パァ〜ッ」と開く。見事な花である。2日ばかり、思い切り花を開いて、そして潔く散った。中には、ハスの実がまだ青い。
劇的であった。静寂なハスのイメージをもっていたが、なんのなんの動的で過激な花であることを、初めて知った。
惜しげもなく開ききった花を見ていると、まるで、ピンクのスカートをはいたおしゃれでいたずらなお嬢さんが、ペチコートを丸見えにスカートをまくりあげて遊んでいるような、そんな想像までしてしまう。仏様の花だと思っていただけに、「そりゃ、行き過ぎだ」と、一人でどきまぎしてしまうのであった。
花の命は短いのです。人生うかうかしてられません。まぁ、こちとら、もう、花じゃありませんけど。