鍼灸の適応疾患

 鼻・のどの病気

 風邪、気管支炎、気管支喘息、鼻炎、扁桃炎
 目の病気  結膜炎、中心性網膜炎、仮性近視、白内障
 口の病気  歯痛、抜歯後の痛み、歯肉炎、咽頭炎
 胃腸の病気  胃下垂、胃炎、胃酸過多症、十二指腸潰瘍、腸炎、便秘、下痢、しゃっくり
 神経ならびに筋
 骨格系の病気
 頭痛、偏頭痛、三叉神経痛、顔面神経麻痺、打撲による麻痺、末梢神経系の病気、
 多発性筋炎の続発症、メニエール病、神経性膀胱障害、夜尿症、肋間神経痛、頸
 肩腕症候群、五十肩、テニス肘、坐骨神経痛、腰痛、膝関節痛
WHOが定める鍼灸の適応疾患

「家庭医学大事典(講談社)」より

世界保健機構(WHO)では鍼灸の適応疾患を下記のように定めていますが、中医針灸では

さらに広範囲の疾患を治療の対象にしております。鍼灸も他の代替・相補療法と同様に、

「人間が本来もっている自然治癒力を高めることで治癒に導く」ということですから、その

観点からは多くの疾患の治療に有効です。

西洋医学の治療で効果のあがらなかった慢性的な痛みやしびれ、また西洋医学の検査によ

って明らかな病気がみとめられないのにつらい症状があるという場合に、鍼灸が効果を発揮

する場合もあります。中日友好医院の中医針灸科にはさまざまな疾患の患者さんがいました

が、私が師事した白教授は得意疾患を「失眠(不眠症)」と「難病」としており、ギラン・

バレー症候群やパーキンソン病、難治性の失眠、発育不良、知能障害、言語障害など、日本

の鍼灸院ではあまり対象としないような患者さんも多くいました。

右手が10数年も震えていて字も書けなかった少数民族の青年を、「風(フォン)」によ

る疾患だと診断し、中医学理論に基づく治療により2ヶ月間で完治したのを見て感心しまし

た。中医学の底力を見た思いがします。