サマーキャンプ





「う〜ん、いい天気だな、空気もおいしいしやっぱり来てよかったな」
「うっわ〜、広いなぁ〜。ここでマグナムを走らせてみたいぜ」
ここはキャンプ場
何故二人がここにいるかと言うと、町内会で子供キャンプというのがあって、
豪が行きたいとごねたのだ
烈は行く気がなかったので気にしてなかったのだが、
豪は烈に内緒で二人分申し込んでしまったのだ(確信犯)
仕方なく来たのだが、現地につくと、来てよかったと思ったのだ
それで冒頭のセリフである
と、そこまでは良かったのだが…
「まったく、豪君はそれしかないでげすな」
「まあまあ、豪君らしくていいじゃない」
「……」
「あんちゃ〜ん、普段とあまり変わらないだす〜」
「何でお前等がいるんだよ!!」
そう、何故かTRFビクトリーズ全員集合ってな感じなのだ
このキャンプで烈とそーいう関係(どういう関係?(笑))になろうと
もくろんでいた豪は面白いわけがない。
「そりゃあ烈君が行くっていうなら来るしかないでげす」
うんうんと頷く残り3人
うちでは烈君が大人気なのだ(笑)
烈はそんな豪の気持ちを知ってか知らずか
「あれ?言ってなかったっけ」
「聞いてねえよ」
豪は申し込みをしただけであとは全部烈がやっていたのだ
仕方なくの割りには結構仕切っている烈兄貴であった
「まあいいじゃないか。それよりちゃんと注意事項聞いとかなきゃ」
烈の言う通り引率者による諸注意の伝達が行われていた
「えーと、キャンプ場なのであまり危険なところは無いはずですが
むやみやたらに森の奥まで入って行かないことそれから…」
数分間の説明の後
「では各班でテントを張って下さい。金具は危ないのでよく注意するように
張り終えた班は報告してください。分からない事は近くにいる人に聞いてください。
では作業開始」
「じゃあ始めようか。ええと、リョウ君と二朗丸君と藤吉君で一つ張ってね。
もう一つは僕と豪とJ君で張るから」
リーダーとしての貫禄かてきぱきと指示を出す烈
もちろんリョウと二朗丸は普段やっていることなので手際が良い
あっという間にテントを張り終え、烈達の方を手伝う
リョウと二朗丸の活躍で他の班より圧倒的に速くテントを張り終えたTRF班、
報告に行くと、後は薪拾いに行くつもりだがそれは全員そろってから
なので適当に休んでおくように言われた
その旨を皆に伝えると
「丁度良い、テント割りを決めよう」
とリョウが言い出した
「「え〜、テント張ったときのでいいじゃないか」」
「「「反対だ!!」」」
「僕はどっちでもいいけど…」
多数決で変更決定
「で、どうやって決めるんだ?」
豪、明らかに不満顔である
「ここは平等にあみだくじでどうでげす」
「じゃあおらが作るだす〜」
「二朗丸君、何か細工しないでげすか?」
「そそそそそんなことするわけないだす(激汗)」
いやもう二朗丸君冷汗だらだらみんなの視線も冷たい
「烈君に作ってもらったほうがみんな納得するだろうから悪いけど
お願いできるかな」
Jの言葉に烈は理由はよく分からないながらも
「うん、いいよ」
と快く引き受けた

くじの結果発表
「なんでだよ〜、なんで俺と兄貴が別のテントなんだぁ〜!!」
「くっ、運がなかったか」
「しくじったでげす…」
「わ〜いわ〜いだす〜」
「よかった」
「???」
くやしがる人、喜ぶ人、訳が分からないといった表情の人、いろんな人がいますが
まあとりあえずテント割り決定
豪と烈が離れてしまいました。どーしましょ〜(笑)

「それでは各班2つのグループに分かれて下さい。
一つは薪拾い、もう一つは石を積んでかまどを作ります。
薪を拾いに行く人は私について来て下さい」
「じゃあ僕達で薪拾いに行ってくるよ。いこう、二朗丸君、J君」
「はいだす〜」
「うん」
「あ、ちょっと兄貴…」
烈は行ってしまった
ぽんリョウが豪の肩に手を置く
「あきらめろ」
「そうでげす。くじで決まってしまったことでげす。それも…」
「烈兄貴の作ったくじで、か?」
確かに文句のつけようがない
はぁ
ため息一つついて3人は暗い雰囲気を漂わせながらも
作業はてきぱきと進めていった
そのコワい様子に周囲の子供たちは怯えていた
まあ暗い顔して素早く働いてる奴は怖いよな、普通…
そして烈(とその他2名(笑))が薪拾いから帰ってきた途端
そのどんよ〜りとした空気は嘘のように吹き飛んだ
「うわ〜すご〜い」
烈が感嘆の声をあげる
そこにはいつのまにかリョウの指揮によるかまどが3つ作られていたのだ
ちゃんと風の入る方向も考えているしぐらついてもいない
たしかにすごい(んだと思う。私はよく知らんのだす(笑))
でも一番すごいな〜って思ったのはあの雰囲気が吹き飛んだ途端
何人かの子供たちが恐怖から解放された安心感で泣き出したのだ
「お兄ちゃん達が…暗いのに…かまどが…」
などとよく分からない事を口走っていたという。可哀想に

お昼には持ってきたお弁当を食べ
5時まで自由に遊んで良いということになった
近くには川もあるということだったので、みんなで行ってみることにした
リョウと二郎丸、藤吉はそこで釣りを始めた
「自分で食う分は自分で調達する」
とはリョウの弁である
釣りの邪魔にならないように
かなり下流に行ったところで水遊びをする
といっても水着を持ってきているわけではないので泳いでいる魚を見たり
水のかけあいをするくらいである
そしてお約束というか何というか…
「うわっ」
ばしゃん
豪が足を滑らせてしまった
びしょぬれである
「冷て〜」
「あーあ、やっちゃった」
「豪君着替え持ってきてる?」
「んなもん持って来るわけねーだろ」
「僕も持ってきてないからなぁ」
「うん、僕も」
「でも風ひいたら大変だし、とりあえず豪、服脱いで渡せ。
夏だから日向に干しとけば乾くかも」
「え?で、でも…」
豪は烈を見て少しもじもじする
「何恥ずかしがってるんだよ。誰もパンツまで脱げとは言ってないだろ。
それでも恥ずかしいならタオルでも巻いとけばいいだろ」
「…わかったよ」
豪は服を脱ぎ烈に渡す。豪はもちろんの事何故か烈の顔も赤い(笑)
烈はそれをよく絞ってから大きな石の上に並べる
「しわになっちゃうけど仕方ないか」
それから烈は豪のもとに近寄り自分のベストを脱いで渡す
「風邪ひいたら大変だからとりあえず着とけ」
「あ、ありがと、兄貴」
何となくタオルにベストっていうのも変な格好だが豪はおとなしく
受け取り着てみる。ちなみにJが悔しそうにしている(笑)
(ああ、兄貴のいい匂いがする〜、幸せだ〜)
豪君ちょっと危険です(笑)
烈はそれから豪の服が乾いたか確認しながら
豪とJが遊んでいるのを見ていたという
そして時間はあっという間に過ぎて4時になった頃
「僕そろそろ戻るけど2人はどうする?」
と烈が立ち上がった。豪とJは
「「もちろん一緒に戻る」」
と、シンクロ率100%(?)で答えた
「それじゃあ豪、もう服乾いたみたいだから着とけよ」
「あ、ああ」
せっかく烈兄貴のベスト借りてたのに…
少し残念そうに(笑)豪が頷き、ベストを烈に返す
ま、それはとにかく3人はテントに戻った
烈はそのまま夕食の下ごしらえを始める
今回のキャンプは晩御飯は飯盒炊爨である(漢字あってる?)
メニューは各自で決めて良いということだったので
烈は定番のカレーの材料を持って来ていた
だがせっかくかまどが3つもあるのだからとメニューを変更することにした
とりあえず…と、烈は何を思ったかすり皿と石をリュックからとりだす
そしてこれまたリュックからスパイスを取り出して
その石でご〜りご〜りとすりつぶし始めた
「あ…あの…烈君?」
その様子にJは恐る恐るといった様子で尋ねる
「ん?何、J君」
「今何してるの?」
「スパイスを挽いてるんだ。やっぱりすり皿の方が香りもいいし」(そうなのか?以下略)
「…それってすっごく時間がかかるんじゃ…」
ぼそっとJが呟くが烈には聞こえない
ぽん………
豪がJの肩に手を置き悲しげに首を振る
「料理してる烈兄貴に何を言っても無駄だ…」
そんな間も烈はマイペースにご〜りご〜りとやっている
たっぷり30分は経過した
「で〜きた。さてと、次は…よっと」
と言いつつ何処からともなく山菜の類を取り出す
「…どうしたの、それ」
「薪拾いのときにちょっとね♪」
っていうより何処から出したんだろう…謎だ
Jが頭を抱えているのも気にせず烈は今度は野菜の下ごしらえを始める
カレー用に持ってきたジャガイモ、人参、玉ねぎを細切りにし、
肉は少し大きめに切る。山菜なんかも適当に切っておく
「豪、水汲んで来て」
「わかった」
豪がすたたたたっと走って水を取りに行っている間に烈は火を起こしておく
Jは何をしていたかと言うと、烈が取り出した山菜に毒がないか
心配で調べていた。幸いな事に全部食べられるやつだったらしい
ほっと胸をなでおろしている
火が赤々と燃え上がり、豪が水を持ってきて、Jの不安も無くなった(笑)
ということで烈はスープを作ることにした
その頃にリョウ達が帰ってきた
「もう料理を始めているのか。何か手伝う事はあるか?」
「別にいいよ。ところで釣れた?」
「それが、5匹しか釣れなかったんでげす」
藤吉が申し訳なさそうに言う
「ん〜、一匹足りないか〜、じゃあ…よっと」
と言いつつどこからともなく今度は魚を取り出す
「なっ、なっ」
全員目が点である
ごめんよ烈、便利なキャラにしちゃって…(便利って言うより謎だ)
そんな周囲の反応も気にせず烈は魚の下ごしらえを始めた
内蔵を取りだし、よく水で洗ってスパイスを振っておく
で、腐らないようにクーラーボックスに入れておく
その片手間にスープのほうも、味付けし、後は肉が柔らかくなるまで
煮込むだけである
次に烈は米を研いで炊く
残る5人はその間何をしていたかと言うと、
烈の料理をする姿を見ながら新婚家庭を夢見ていた(爆)
魚も焼き始める
そろそろお腹も減ってきて、食欲をそそる良い香りが周囲に広がる
で、全品完成♪

「いただきま〜す」
豪と烈以外の4人は一口食べると、ををっ、という顔になって
わき目も振らずに食べていたが、豪は一口食べると、
あれっ、という顔になった
「烈兄貴、ちょっといつもより味落ちてるな、
やっぱりキャンプ場じゃ料理しにくいのか?」
と失礼な事を言う。ところが烈は怒らずに
「うん、メニュー変更したし、火力もちょっと弱いから…」
とその言葉を肯定する。つまり、豪は家で烈の手料理を食べている
ということになるわけですな。うらやましい(笑)
そんな会話は全く聞こえずに全て平らげた4人は
「「「「ごちそうさま」」」」
と幸せそうに言ったのだった

夕食の後はキャンプファイヤーやって
なぜかフォークダンスのよーなことやって
誰が烈と踊るかで5人が揉めて
その間に烈は他の子とおどってたり
花火を一緒にやろうと豪を除いた4人が揉めていると
豪が花火持って走り回って烈に叱られて
そのあと一緒に花火をして4人の方を向いて
にやりと確信犯の笑みを浮かべてたり(頭使ったんだね、豪)した
この部分かなり省略したなぁ(反省)

楽しい(?)キャンプファイヤーも終わり、
全員がテントに入って(約二名は幸せをかみ締めながら)眠りについた後
烈がそうっと起きあがった
二人を起こさないようにテントから出て、少し散歩してから
地面に座って夜空を見上げる
後ろに人影が立つ(おまたせ〜♪)
「烈兄貴?」
その声に烈ははっと振り向く
そこに立っていたのは彼の弟だった
「豪、どうした?眠れないのか?」
烈は優しく兄の顔で微笑む
豪は静かに首を振る
「いや、そういう訳じゃないけど…」
誰かテントから出る気配を感じてそっと見ると烈だったから
ついてきたなんて言えない
「兄貴こそ眠れないのか?」
「別にそう言うわけじゃ…」
烈は否定しようとして言葉を切る
豪に嘘をついても仕方ない
「いや、やっぱり眠れないかな」
「どうしたんだ?」
豪は烈の隣に腰を下ろして尋ねる
「うん…ちょっと考えてたんだ。今は豪と一緒にいるけど、
もう少し大きくなったらどうなるか分からないじゃないか。
もし、もし豪と離れる事になったらどうしようって…
そう考えると何だか怖くて、眠れなくなっちゃった」
おかしいよな、そう言って烈は笑って見せる
だがその身体が震えているのを見て、豪は思わず烈を抱きしめていた
「大丈夫…何があっても、俺は絶対に烈兄貴のそばにいる。
離れたりなんかするもんか。ずっと、ずっと一緒だよ。だから心配するな」
よく見ると烈の目に涙が浮かんでいる
「泣くなよ、烈兄貴」
豪は唇でそれをすくう
「豪…」
烈が豪を見つめる。それは制止か、それとも…
「烈兄貴…」
豪が少しずつ烈に顔を寄せていく
烈はその真剣な、それでいてどこか怯えているような瞳から目が離せない
もう少しでその唇が重なりそうになり、烈がそっと目を閉じようとして…
「んー、といれはどこだす〜」
寝ぼけた二朗丸が二人に声をかけた(笑)
烈ははっと我に返り、慌てて飛び離れる
「あ、あっちだよ、二朗丸君。ご、豪、それじゃ僕はもう寝るからな
お休み」
と顔を赤くして、言いたい事を言って走って行ってしまった
二朗丸も
「ありがとだす〜」
と、どっかへふらふらと歩いて行った
「ちきしょ〜!!いいとこだったのに〜!!」
豪はおもわず叫んでしまった
本当にいいとこだったのに(笑)
それ以来チャンスはおとずれずキャンプは終了した
それ以後豪が前にも増して二朗丸を
目の敵にするようになったとかならないとか



おわり〜♪


烈が天然ちゃんで可愛いー!!モテモテー!(死語) でも結局最後は豪とラブラブなのねー☆ 元気な星馬兄弟(+α・笑)をありがとう、URUZUさん!! <by あいこ>    ★NOVELのTOPへ戻るHOMEへ戻る