かざるさんのHP5,002GET記念に奪い取りました!
チイコ、将来は美人説推進小説、ここに完結(笑)!






「烈兄貴っ!チイコと付き合ってるってホントか?!」
「・・・はい?」




三国チイコが俺らの通う高校へ編入してきたのは
3ヶ月前のことだった。
しかも、中学から本格的に留学していたチイコは
スキップとかゆー、わけのわからねー制度で
烈兄貴と同じ学年に編入。
知ってる顔がいるほうが心強いだろうという学校側の配慮だかなんだかで兄貴と同じクラス!
(いや、あれは金にものを言わせたに違いねぇ)
あいつが周りの人間なんか気にするよーなタマかよ。


確かに、数年ぶりに会ったチイコは美人と言っていい部類になっていて。
小柄な兄貴より更に小さいため、並ぶと様にならなくもない。
昔のように所かまわず兄貴にベッタリすることはしないけど・・・
気がつけば、校内で兄貴の隣というポジションは
あいつのものになっていた。

そこへ来て、クラスメートからとどめの一言。
「なぁ、星馬の兄貴と三国さん、付き合ってるんだって?」



   ×××  ×××  ×××



「どこで、そーゆー話になるんだ?」
半ば呆れ顔の兄貴の顔にホッとする。
「校内で結構ウワサになってるらしいぜ?」
しかし。やっぱり、ウワサはただのウワサだったらしい。
余計なこと言いやがって、あいつら後でぜってーシメる。
「そーなのか?ヤだなぁ・・・」
そーだろ、そーだろ。
まったく、兄貴に迷惑かけるなんてふてぇ奴らだぜ。
「チイコちゃん、結構人気あるだろ?
 恨まれたりしたらやだなぁ・・・」
兄貴の答えはどこかずれてる。
・・・兄貴も結構人気あると思うけど自覚無いのか・・・?
まぁ、いい。
とりあえず、チイコとはなんともないようだし。
ヨシとしよう。

「で、お前はわざわざそんなことを確かめるためにオレの部屋まできたのか?」
「そんなことって言うなよ。
 オレには重要なことだったっんだからな」
「・・・・お前・・」
「あ?」
「チイコちゃんのこと好きだったのか?」
「なっ・・・」
なんでそーなる?!
ライバルを好きになるバカがいるか。
なんだ、お前はジュンちゃんのこと好きなんだと思ってたのになー。
なんて、それも全然見当違いだぜ、烈兄貴・・・。
ま、烈兄貴とチイコが付き合ってるなんてのがガセネタだったってだけで今日はよしとするか。
ふぁーあ、安心したら眠くなってきたぜ。あーもーまぶたが限界・・・。
「こら、こんなトコで寝るなってば!一体何しに来たんだ、お前は?」
んな呆れることないだろー?俺の心配なんて天然ぼけの烈兄貴にゃわかんねーって。ったく!


「・・・であるからして、これが・・・」
昼メシ後の授業ってなんでこんなに眠いんだか。おーおー、みんな舟こいでやがるぜ。
かく言う俺も・・・ふぁ。この時期の窓際の席ってのは涼しい風が入ってきて、とにかく
気持ちよくて、気を抜くとかくっといきそうになる。
だけど、今日は寝てるわけにゃいかねえ。どうやったらチイコと烈兄貴を引き離せるか
考えなきゃいけねーんだ。
しっかし不思議だよなー。あーんなちんちくりんだったチイコが何であそこまで化けるんだか。
烈兄貴もまんざらでもなさそうだし・・・ちっ。
ほんと、神様ってのは不公平だよな。
俺だって三国家に生まれてれば金にモノ言わせて烈兄貴と同じクラスに・・・って、そしたら
同じ場所には立てても、しょせんは他人だもんな。兄弟じゃなくなっちまう。
ずーっと一緒に暮らしてきたってのはある意味リードしてるってことだもんな。
へーん、ざまあみろチイコ。お前は外ですましてる烈兄貴しか知らないだろー。やーい。
だけどやっぱやなもんはやなんだよなー。あーうー。
あーもう、うじうじ悩むのはやめだ!今度の休み時間にチイコにきっぱり釘差しに行くぞ!
「あー、はやく授業終わんねーかなー」
「君のパフォーマンスが遅らせてるんだけどね、星馬豪くん?」
パコッ。俺はいつのまにやら後ろに立っていた教師に頭をはたかれてしまった。
「・・・百面相は結構だが、ジェスチャーは控えてくれたまえよ」
「は〜い・・・」
殊勝気にうつむくと、満足したようにうなずく。けっ、負けたわけじゃねーけど、そのなんだ
名誉ある転進ってやつだな。こんなことで時間取られるわけにゃーいかねーからなっ!
その瞬間、チョークが飛んできて俺の頭にヒットした。
「2度目はないよ?」
教師の妙技にだれていた教室が湧く。ちっくしょー、油断した〜っ。
「ばか・・・」
ジュンのあきれた声が、やけに大きく響いた。


そして休み時間、俺は1階下の烈兄貴達の教室に向かった。
ウチの高校は若い1年の教室は最上階、2年はその下、何かと気苦労の多い3年はさらに下の階に
配置されてるんだ。おかげで朝のHR遅刻ギリギリなんだよな、俺。
目標はすぐに見つかった。大勢の『おともだち』に囲まれて優雅に笑ってやがる。
そのほとんだが男ってのはちょっと問題だけどな。
と、不意にその輪が崩れた。
「あら〜、お久し振りですわね〜」
黒い髪をなびかせてこっちにぱたぱた走ってくる姿は、まさにお嬢様。
その中身を知らない奴には、確かに魅力的・・・なのかもしんねーな。俺はゴメンだけど。
「烈兄貴は?」
「生徒会の仕事が入ったみたいですわ〜。すれ違いですわね〜」
故意に挨拶を無視した俺には構わず、チイコはニコニコ笑っている。
「何か言いたいことがおありかしら〜?」
うっ、カンの良い奴。っつーか、俺の表情みれば一目瞭然か。
「そ〜ね〜、察するに烈様と私が仲睦まじいいことをやっかんでるってとこかしらね〜」
口調はのほほんとしてるのに、ずばり核心を突いてきやがる。こーゆートコ、ちょっと
烈兄貴に似てるよな。
「だったら、どーだってんだよ?」
「どーもしませんわ〜」
途端、チイコは今までほわほわしてた表情をすっとかき消した。
挑むような瞳を真っすぐに向けてくる。顔は美人だけになかなかの迫力だ。
「だって私烈様のことが好きなんですもの。お慕いしている殿方のそばにいたいと思うのは
当然のことじゃありませんこと?」
よくも言い切ったなコイツ。確かにそうかもしんねーけど、こっちだって『ハイそーですか』
って引き下がるわけにゃいかねーんだ。
「烈兄貴はなあ、俺の・・・」
「『兄』ではあるけど『恋人』ではないでしょう?」
・・・勝ち誇った笑みを浮かべるチイコに俺は何も言い返せなかった。


「どーしたのよ豪、あんたが暗いと調子狂っちゃうじゃない」
教室に戻った俺を迎えたのは、幼なじみのジュンだった。
トレードマークのポニーテールを揺らしながら、当然とばかりに向かいに座る。
子供の時からこいつの顔は変わらない。ちょっとあどけない、幼い顔。
「お前って、ほんと、変わんねーよなー」
そんな言葉がしみじみ口からもれた。チイコを見てきたから余計そう感じる。
「あのねー、どこ見て言ってんのよ」
「あー、胸とか顔とか、あとは・・・身長とか」
正直に言ったらぽかっと一発くらった。あ、あと手を出すのがはやいってトコも変わってねーか。
「失礼ね!まだこの人の為なら変わってもいいって良いオトコにめぐり逢ってないだけですー」
ぷーっとむくれて横を向く。
あのな、子供っぽい仕種がハマるうちは恋なんて十年はやいと思うぜ、ジュン?
「そういう奴に会ったら、女は変わるのか?」
確かに恋をすると女は綺麗になるって聞いたことはあるけど、あれはまた特別だろ。
毎日エステに通ってんじゃねーのか?いや、エステの人間が三国邸に出張してきてんのかもな。
無駄な金使ってんなー。んなことしたって烈兄貴がなびかなきゃどーしよーもねーってのに。
「ま、お子様の豪にはまだわかんないかもねー」
クスクス笑うジュンは明らかにコトの行方を面白がっていた。
そーいやジュンはチイコとミニ四駆仲間だったな。こっちの情報は筒抜けってわけか。
「言ってろ!」
「ま、頑張るのねー。陰ながらオウエンさせていただくわ」
にっこり。中立の立場、ややチイコよりってとこか、この笑顔は。
チイコの奴、悔しいけどいい女になりやがった。この俺が一瞬とはいえ呑まれるなんてな。
ましてや烈兄貴なんて・・・やっべーなー。帰りにもう一度教室寄ってみっか・・・。


「あら〜、今日はよく会いますわね〜」
その声を聞いた途端、俺は無言で踵を返した。いやしようとした、のだが。
「・・・ぐえっ!?」
「レディーの問いかけは無視するものではありませんことよ〜」
だからってなあ、いきなり制服のネクタイ、高速で締めるかあ?死ぬかと思ったぞ、マジで!
「おっ、俺はお前に、話が・・・ゲフッ」
チイコは咳き込む俺など意に介さず、それでもカタチだけは困ったように小首を傾げた。
「あら〜、残念ですわね〜。今日は先客がいますのよ〜。これから待ち合わせですの〜」
待ち合わせ?誰とだよ、まさか烈兄貴じゃねーだろーな。
「そんなに怖い顔なさることありませんわ、まだそこまでの仲じゃありませんもの、まだ・・・ね」
おいおい何だよその意味深な言い回しは!ったく、女は魔性って言うけどほんとだな。
これじゃ、天然ぼけの烈兄貴なんか、あっと言う間に食われちまいそうだぜ。
「あのな、はっきり言わせて・・・」
「・・・あげる時間はなくなったようですわよ?」
まるで旧知の知人に会ったようにチイコがにっこりと笑う。途端に肩に感じた節ばった手の感触。
後ろから?
「え?」
驚くほど簡単に体がスピンしたかと思うと、次の瞬間みぞおちに激痛が走った。
「ボディガードにしては、ちょっと弱すぎるのでは?ま、こちらにとっては都合いいですがね」
「待ち合わせに遅れたペナルティ、ですわ。お気になさらないで」
痛みで意識朦朧とする中、そんな会話だけが聞こえてきて・・・俺は気を失った。


頭がガンガンする。吐き気もする。あーもう、それだけで、気分は最悪だってのによー。
「何だよ、この鉄格子はあ!」
試しに体当たりをかましてみたが、がしゃん、と音がしただけでびくともしない。
俺は恨めし気な視線を、この部屋のもうひとりの主に向けた。
「おい!そこでのん気に茶なんてすすってんじゃねーよ!」
「騒がしいですわね〜、何事ですの〜?」
見るからに豪華な椅子をかたん、と鳴らし、チイコが優雅に立ち上がる。
テーブルには湯気を立てた紅茶、そして上品なお菓子。
そう、この部屋は牢屋と応接間がドッキングしてる悪趣味な部屋なんだ。この設計した奴、
絶対変だぜ、ったく!
「ひょっとして待遇が気に食わない、とかおっしゃるのかしら?」
小さく首を傾げながら、近寄ってくるその余裕の態度が嫌なんだーっつーの!
「何なんだよ、この待遇の差は!」
「私は日本、いえ世界でもトップクラスの三国財閥の人間ですもの。丁重にもてなすのは
当然のことだと思うけど?」
はいはい、金持ちってのは因果な商売だねえ。俺、一般庶民で良かったぜ。
「お前、誘拐されるって知ってて待ち合わせに行くつもりだったのか?」
「まさか。ちゃんと切り抜けて帰って今頃はお風呂に入ってる予定でしたわ。ヘンなおまけが
くっついてこなければね」
わざとらしくため息をつかれて、俺はもうブチ切れた。
「それって俺のことかよ!」
「他に誰がいますの?騒ぐだけならサルでも出来ましてよ、ご・う・さ・ま!」」
あーもう、こいつってほんとやな女!誰のせいでこんな目に遭ってると思ってんだよ!
いきなり殴られて、知らないところに連れて来られて、手錠とかはつけられてねーけど、こんな
辛気くさい牢にはブチこまれるし、同じ人質なのに待遇は悪イーし・・・。
あー腹減った、今日の夕飯なんだろーなー。
「さて、とあなたなんかに付き合ってるヒマはありませんわ」
憎たらしいほど悠然と踵を返すと、チイコは何やら操作し始めたようだ。
その冷たく向けられた背中に思い切りあかんべをしてやると、俺はそこらにあった布団を
かき集めてふて寝することにした。
どーせすぐには助けは来ないんだから、脱出の時の為に体力は温存しておいた方がいい。
とはいうものの・・・誘拐なんて初めての経験で緊張してるし、腹は減るしでなかなか眠れない。
加えて、向こうから聞こえてくるカタカタ何か叩く音!これがすっげーカンに触るんだよっ!
それでも俺にしてはガマンして、ガマンして、ガマンして、ようやく何分か経った頃。
ピー。無愛想な機械音が室内に響いた。
「ずいぶん簡単なガードだったわね・・・えっと・・・あら、大変。今は何時かしら?」
けっ、知るかよ。問いかけを故意に無視してた俺の耳に、信じられない声が飛び込んできた。
『・・・警告する。君らがかどわかしたふたりを定刻までに解放しなければ、それなりの
処置を取らせてもらう。警告は一度だけだ、良く考えて返事をするように。繰り返す・・・』
いつもとは違う、低いトーン。別人のように冷たい口調。だけど、この声、それになにより
今日びの日本人が絶対使わないような古風な言い回しは確かに。
「烈兄貴!?」
思わず鉄格子にはりついたそのわずか一瞬で、俺の腕は会心の笑みを浮かべたチイコにガシッと
つかまれた。その細腕のどこにそんなバカ力が隠されてんだよ!
「定刻まであと3分?・・・ギリギリですわね」
「何わけわかんないこと言ってんだよ、大体何で烈兄貴の声がす・・・うわっ!?」
矢継ぎばやの質問を避けるように、チイコは胸に抱いてた機械をほうってよこした。
なんだこりゃ・・・ノートパソコンからのびてるぞ?
「それを鍵にはりつけて!はやく!」
って言われてもなあ。展開がはやいわ、訳わかんないわで頭と体がうまくリンクしていないらしい。
それでもなんとかそれをセットすると、チイコはよろしい、とばかりにうなずいた。
途端にすごい勢いでキーボードを叩き始める。周りは何も目に入ってないってカンジだ。
「・・・?」
俺はよっぽど疑問符全開のマヌケな顔をしてたらしい。
「あーもー、面倒ですわ。百聞は一見に如かず!すぐに烈様がいらっしゃいますから、ご自分の目で
確かめなさいな」
しなやかに動かす指はそのままに、チイコが俺に怒鳴ってよこす。
「何で烈兄貴がここに来るんだよ」
「あなたが、ここにいるからよ」
その一瞬だけ見えた、すねたような顔。
「・・・え?」
カチリ。牢の鍵が開く音。
「壁に寄って!はやく!」
ドカッ。チイコが俺にぶつかった・・・って、おい!さりげに俺に体当たりかますなよ。
「・・・時間だわ」
その瞬間、轟音と共に天井が降ってきた。


ぽっかりと空いた空間から、夕焼けの空が見えて、俺はこんな非常時だってのに『綺麗だな』とか
思っちまった。現実逃避だったのかもしれないけどな。
だって考えてみろよ。三国の戦闘用ヘリコプターから無造作に飛び降りて来たのが烈兄貴なんだぜ?
そんなこと、あるはずないだろ?
「無事か?豪?」
だっていつもキチッとネクタイ締めてるのに、Yシャツのボタン無造作に外しててさ。
「・・・チイコちゃんも」
いつものほほんとしてるのに、今まで見たこともない鋭い瞳をして。
「ええ、今回の助けはずいぶんはやかったですわね。やっぱり撒いたえさが良かったのかしら?」
「・・・っ!」
しかも女を殴るなんてこと!
俺は烈兄貴の拳を止めることが出来なかった。
チイコは殴られても無表情だった。ただ、殴られた頭を静かに押さえただけで。
「チイコちゃん、これだけは言っておくよ。俺は三国財閥にこれ以上関わる気はない。
今度俺の大切なものを危険な目にあわせたら、絶対に赦さない」
「はい・・・胆に銘じておきますわ」
な、何かすごい迫力だな。あのチイコがあんなにしゅんとするなんて。
って、何か烈兄貴すごいこと言わなかったか?あれじゃまるで、兄弟じゃなくて・・・?
「豪」
「え?」
すぱーんっ!次の瞬間それは見事な平手打ちが俺の顔面に決まっていた。
「何すんだよっ!」
「うるさい!ったく、いつも知らない人についていっちゃいけないって言ってるだろ?バカかお前は!」
そうやって頭ごなしに叱りつけてくる烈兄貴は、いつもの、俺の知ってる烈兄貴で。
ちょっとだけほっとする。
「最初は知ってる奴だったんだって・・・」
「さ、帰るぞ豪!」
俺のささやかな反撃はさらっと無視された。烈火の如く怒ってる今は何言っても火に油、手出しは
無用だな。
「あ、ちょっと待ってくれよ烈兄貴」
うーん、ちょっとチイコが心配なんだよな。だって殴られてから一言もしゃべらないんだぜ?
ひどい目にはあったけど何とか無事だったし、このまま放っとかれたんじゃ可哀相すぎるよな。
「まーあのなんだ、あんまり落ち込むなよ?」
「・・・ふ」
「ふ?」
見ればチイコは肩を震わせている。泣いてるのかと思ったら違った。
笑っているのだ。
「何で落ち込む必要がありますの?私、嬉しいんですのよ。誰に対しても冷静に対処してた
烈様に手を出させたんですもの。弟のあなたにはわからないかもしれないけど・・・」
そりゃまあ小さい頃から殴られてるけど、それが嬉しいなんて思ったことねーぞ?マゾじゃあるまいし。
「ま・・・まあ無事ならいいんだ、じゃあなー」
何か身の危険を感じて、俺はその場から脱兎の如く逃げ出した。


見るも情けない顔で俺は先を歩いてた烈兄貴に追いついた。
あー怖かった。何だったんだ、あれ。
「ばっかだなあ。これでお前、卒業まで付きまとわれるぞ」
「はァ!?」
うっそだろーっ、何でそーなるんだよ!あんなのに付きまとわれたら俺の高校生活はお先まっくらだぜ?
「何で!?」
「何でって、恋のライバルだから、かな」
「誰の!?」
「誰のって、チイコちゃんの、だろ?」
「ちっ、ちげーよ、そっちじゃなくて・・・」
そこまで言って俺は言葉につまった。それはつまり、烈兄貴が、その・・・。
「豪」
いきなりネクタイをぐいっと引っ張られ、思わず前屈みになる。そして。

その時、ふたりの視線は一瞬だけ、ぶつかった。

「れっ、烈兄貴!?」
「・・・ファースト、なんだからな。大事にしろよ」
照れたようにそっぽを向くその体を、俺は後ろから思いっきり抱きしめた。
「・・・そっちこそ、だぜ」
恋のライバル、か。上等じゃねーか。
やってやる、相手が誰だろーがかまいやしねえ、矢でも鉄砲でも持ってこいってんだ!
烈兄貴は誰にも渡さねーからな!



                END



あんな中途半端なブツをこんなステキな話にしてくださってありがとうございます!
最初の触りだけあいこの駄文です。どこで継ぎ接ぎされているか
おわかりになりますでしょーか?(笑)

兄貴、強いなー。さすがって感じーo(>_<)o
そして、チイコちゃんがあいこ的にツボ!
拗ねちゃうとこなんかめっちゃ可愛い〜☆

裏に載せることないなと思うのですが、モトが裏にあったので一応ココに・・・。
なんで裏なんじゃー!と思われたらご一報下さい。
速攻表に引っ越しますので(笑)。
かざるさん、ありがとうございましたー(^o^)



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