名作パロ劇場第2弾。
今度は、原作と随分変わってしまいました・・・。



白雪姫」





「鏡よ鏡、この世で一番早いミニ4レーサーは誰?」








ワガママ女王のミハエルくんは魔法の鏡に語りかけました。
これは彼の日課です。
ここで鏡が「この世で一番早いミニ4レーサー。それはミハエル女王」と答え
ミハエルの爽やかな1日が始まるのです。
しかし、この日、鏡は違う答えを出しました。
「この世で一番早いミニ4レーサー。それはゴー姫(姫かよ・笑)」と。

「きぃー!!このポンコツ鏡!豪くんのがボクより早いって言うの?!」
「ミハエル女王はとっても早い。しかし、ゴー姫はそれよりもっと早い」
・・・ミハエルにこんな口をたたくとは命知らずな鏡もいたものです。
でも今はミハエルはそんなことより、豪に負けたことがショックで仕方ありません。
こともあろうに、血の繋がらない娘に越されるなど彼のプライドが許しません。
「チッ。・・・・・始末するか」
彼は、そうすることで今まで無敗を誇ってきたのです(笑)。
しかし、コレでも一国の女王。
自分の娘を始末したとあってはあとでバレたときに潰しが利きません。
彼は城のお抱え狩人のエーリッヒに豪を殺してくるように命じました。



そんな役を押しつけられて、途方に暮れたエーリッヒでしたが
とりあえず豪よりも自分の身の方が可愛かったので、任務を遂行することにしました。
森に美味しい果実のなる木を見つけたと言って、豪を誘い出します。
森の奥まで来たとき、そろそろ刺しちゃおうかな。とエーリッヒが振り返ると
豪の姿が見えません。

実は豪はお城の退屈な生活に飽き飽きして、城を脱出しようともくろんでいたのです。
そこへタイミング良くエーリッヒが森まで連れてきてくれたので
これ幸いとはぐれた振りをして家出することにしたのでした。
しかし、エーリッヒの方はたまったものじゃありません。
証拠の1つでもなきゃ、ミハエルは絶対に納得しません。
納得できなければ、恐ろしい反省会が彼を待ち受けているのです。
城に戻ってみても豪の姿は見あたりません。
仕方がないのでエーリッヒは森でしとめた動物の骨をミハエルに
証拠物件として提出しました。
「まぁ、ゴー姫が戻ってきたらすぐに殺ればいいことですし・・・。」
おとなしそうな人間ほど、平気で恐ろしいことを言うものなのです。






エーリッヒと(わざと)はぐれてから数時間。
豪は完璧に道に迷っていました(バカだから)。
もとから家出する気はあったものの、計画性のない豪は地図も持っていなければ
食料もなにもなく、手荷物と言えばマグナムだけです。
歩いても歩いても森を抜けることが出来ず、足は疲れるし
お腹も空いてきました。
「腹減ったぁ〜!!!!」と姫にあるまじき言葉を叫んでみても
誰も答えてはくれません。
もう歩けない・・・・と、体を草の上に投げ出すと懐からマグナムが落ちてしまいました。
落とした拍子にスイッチが入って、マグナムは走り出します(お約束)。
「あっ!ま、まてよマグナーム!!!」
豪はもう歩けないと言った割にはしっかり全速力でマグナムを追いかけました。
しばらく走ると、小さなロッジにあたってマグナムは止まりました。

息を切らしながらマグナムを拾い上げ、目の前にあるロッジを見回します。
「マグナム、でかした!なんか食い物あるかもー」
入り口を見つけると、豪はノックもせずに中に侵入しました。
どうやら主は留守のようです。
豪は小綺麗に片づいた室内の中央のテーブルにパンや果物を見つけました。
キッチンにはシチューもあります。
一つ一つの量はかなり少な目ですが、7セット用意してあるので
ゴーのお腹を満たすには充分でした。
「いっただっきまーす!!!(^-^)」
やはり、継母がきちんと教育を施さなかった為でしょうか、
豪は不法侵入した上、勝手に人様の食事に手を出してしまいました。
(しかもそのことに罪悪感は感じていないようです)
「ふー、食った食ったー」
人間というのはお腹が膨れると瞼が重くなるように出来ています。
本能のままに生きる豪はすっかり眠くなってしまいました。
ロッジを見渡すと小さなベッドが7つ並んでいます。
ふかふかのベッドは今の豪にとってかなり魅力的で、
考える間もなく豪はベッドに転がり寝息を立て始めました。



「コレ・・・・何?」
「うわー、巨人がボクたちのベッドを占領してるー!」
「レツ、ちょっと起こしてみなよ」
「やだよ、怖いもんっ。レツが行って来てよ」
「あ!シチューが空になってるっっ」
豪の頭もとで騒々しい声がします。
「・・・・・んー・・?」
豪がむくりと起きあがると声はピタッと止まりました。
目を開け、周りを見渡すと同じ顔が7つ並んでいます。
このロッジの主は全員が烈という名の小人さんだったのです(笑)。
「・・・・・・・夢か」
しかし、寝ぼけている豪はもう一度布団に潜り込もうとしました。
「わーっ、ま、待ってっ!」
7人のうちの一人が豪を止めました。
「キミは誰?どこから来たの?」
という質問をされて、豪はやっと自分がどういう状況にいたのかを思い出しました。
目の前にいるのがここのロッジの主たちに違いありません。
豪は慌ててベットから飛び起きると勝手にご飯を食べてしまったことと
ベットを借りていたことを謝りました。
警察に突き出すなんて事はメルヘンの世界ではタブーなのです。
烈たちは素直に謝った豪のことを許してあげることにしました。


少し話をするうちに、豪はこの可愛い小人さんたちのことをすっかり気に入ってしまいました。
本当は自分から望んで城をでたくせに、豪は小人さんの同情を引くために
なるべく悲劇のヒロイン風にどうしてここに来る羽目になったのかを
烈たちに話しました。
継母に追い出されたというお姫様を烈たちは可哀想に思い
ここで一緒に暮らしてもらうことにしました。

烈(×7)と豪は鉱山の宝石を取りに行ったり
お休みの日には1日中マシンを走らせたりと、楽しく毎日を過ごしました。
他にもいろいろと一緒にしましたが、あえてここには書きません。
もう豪(と私)の思うツボです。バンザイ!!


しかし、そんな幸せな日は長くは続きませんでした。
ミハエル女王に気づかれてしまったのです。
「鏡よ鏡、この世で一番早いミニ4レーサーは誰?」
ミハエルはいつものように魔法の鏡に語りかけました。
豪を始末してからは鏡はこう答えていました。
「この世で一番早いミニ4レーサー。それはミハエル女王」と。
豪はオフロードのコースに慣れていなかったので
しばらくの間、マグナムの速度が落ちていたのです。
しかし、烈と毎日マシンを走らせているうちにセッティングが固まってきたのでした。
そして、運命の日。
鏡はこう答えました。
「この世で一番早いミニ4レーサー。それは森の奥に住むゴー姫」と。
「豪くんだって?!」
豪はもうこの世にはいないはずです。
しかし、鏡には幸せそうな顔でマグナムを走らせている豪が映しだせされています。
本物かどうか、ミハエルがよく鏡を見てみるとどうやら豪は誰か他の人と走っているようです。
「ちょっと、バカ鏡、もっとひきで映してよ」
「あー、はいはい」
鏡が言うとおりにすると、豪と一緒にマシンを走らせている
烈(×7)の姿が映りました。
「うわー、かわいー コレ欲しいなー」
もう豪のことはどうでもいいようです(笑)。
ミハエルは生まれながらの女王なので、欲しいものはどんな手を使ってでも手に入れます。
烈のおかげで、エーリッヒは一命をとりとめました。





ある日、豪が家を空けた隙にミハエルは変装して小人さんの家を訪ねました。
手には惚れ薬を仕込んだ卵焼き。
もちろん、烈の好物が卵焼きということは既にリサーチ済みです。

「こんにちは。甘く焼いた卵焼きはいりませんかぁ?」

卵焼きの訪問販売なんて聞いたことがありません。
烈たちはかなり不審に思いましたが、ちょこっと隙間を開けてみると
卵焼きをカゴに入れた少年がヤクル●レディも真っ青な笑顔で立っています。
その笑顔にまんまと騙されて、烈は扉を開けてしまいました。
「今日はお試しキャンペーン中だから、無料で試食できるんですよ☆
 一ついかがですか?」
知らない人からモノをもらうのは道徳的にいかがなものかと思いますが
卵焼きの甘い匂いはとても魅力的です。
迷っている烈を見て、ミハエルはもう一芝居うちました。
「そうか・・・ボクのこと、疑ってるんだね・・・。
 そうだよね、いきなりこんなもの食べろなんて言われて、困るよね・・・・」
目に涙を浮かべながらそう言う少年を見て、烈たちは本当に困ってしまいました。

「じゃぁ、一口だけ・・・」
烈(×4)が言いました。
「でもそれじゃ、豪に示しがつかないよ」
烈(×3)はいつも豪に「知らない人からモノはもらうな」と言っているので
それはできないと言いました。
過半数を超えたので、民主主義に則って、食べるという意見が可決されてしました。


『パクッ』
烈(×4)は勢いよく卵焼きをほおばると、
『おいしーい!』
と、声を揃えて言いました。
烈(×3)はまだ少し警戒していましたが、烈(×4)の幸せそうな顔につられて
卵焼きに手を伸ばします。
しかし、なんだか烈(×4)の様子がおかしいことに気づきました。
烈(×4)の頬は紅潮し、瞳を潤ませて卵売りの少年を見ています。
烈(×3)はなんだか怖くなって、卵焼きから手を離しました。
賢明な判断と言えるでしょう。
ミハエルの予定では烈を全員連れて帰りたかったのですが
とりあえずのところは4人を連れて帰ることにしました。
烈(×3)は呆気にとられてしまい、少年達が出ていくのを見守ることしか出来ませんでした。



豪が帰ってくると、烈が3人しかいません。
理由を聞いた豪は、烈が半分以上も連れ去られたことにショックを受けて倒れてしまいました。
烈(×3)がおいおい泣いていると、遠くから馬の蹄の音がします。
カポカポと音を立てながら近づいてきたのは白馬に乗った白衣を来た中年の男性でした。

「おや。小人さん達、何を泣いているんだね?」
烈(×3)が涙ながらに事情を説明すると、白衣の男は
「可哀想に。では私が愛の口づけで起こしてあげよう」
と、言うではありませんか。
烈(×3)はそれもすっっっっごく嫌でしたが、
彼が自信満々に「絶対に起きる!」というので渋々承諾しました。

男の顔が豪の顔に迫ります。あと10cm・・・5cm・・・2cm・・・・・
「うわぁ〜っ、ヤメロ!!!!」

豪の野生の勘が危険を察知し、恐るべき事態は免れました。
「「「ごぉー・・・よかったぁ!!」」」
「ちっ」
烈(×3)は豪の目が覚めて大喜びです。
同時に誰かの舌打ちも聞こえたようですが、きっと空耳でしょう。

烈(×3)はお礼に男をお家に招待しようと言いましたが、
烈が目を離した隙に豪に埋められてしまいました。

「あれー?白衣来てた男の人はー?」
「あー、急ぎの用があるから帰るってさ」
「なんだぁー、せっかくお茶用意したのにねー」
「ねー」

コンコン

「あ!あの人が戻ってきたのかもっ」
「・・・(それはないと思うぜ。かなり深く埋めたからな)・・・」

扉を開けると、そこには烈(×4)が立っていました。
どうやら、ミハエルのクスリの効き目がきれたようです。
「レツーーーーーーっ(×4)!!!」
豪はすっかり元気を取り戻し、また8人で仲良く暮らすようになりました。




「ゴーくんっ、レツくん(×7)をかけて勝負だっ!!
 今日こそ、レツくんたちを連れて帰るからね!」
「返り討ちにしてやるぜ!」
あれから、ミハエル女王は「やっぱりこういうのは正攻法じゃなきゃね」と
今までのことを棚に上げて、毎日のように森へ来ては豪と勝負をしています。

「あれー、またやってるのー?」
「2人とも仲良しさんだねー」
「あ、エーリッヒくんもよかったら一緒にお茶どう?」
    ↑ミハエルのお供でついてきてる
「あ、いただきますー」
「ボクも一緒にソニック走らせてこようかなー」




・・・・・森は今日も平和です(笑)。


〜ムリヤリ ハッピーエンド〜
後日談:   ミハ「ねぇ、エーリッヒ。ボク、ゴーくんを始末しろって言ったよねぇ?」   エリ「ビクッ」   ミハ「結果的にはレツくんも見つけられたことだし良かったけど・・・」   エリ「ホッ」   ミハ「でも、命令に従わなかった罰はちゃんとしとかないとね?(にっこり)」   エリ「うわぁぁぁぁ〜!!!」        合掌。チーン。
ひぃぃいぃいぃ〜、ごめんなさいっ!(特にドイツファンの方) 話いいかげんだし、むやみに長いし・・・(−−;) でも、いいの。小人レツが書きたかっただけだもーん。(あまり活躍してないけど^^;) さて、ここで問題です。 白衣の男性は誰だったのでしょう?(笑)
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