Morris F-13D 修理の巻

2013.2.24

今回ご依頼のギターは、MorrisのF-13Dというギターです。ペグのネジがゆるゆるで取れてしまうので直したい。初めて買ったギターで思い出が詰まっているとのことです。1970年代のものですから、もう40年くらい前のギターってことですね。あの頃は、ギター持ってない奴はいないってくらい流行ってたな〜。う〜ん、懐かしい。

ボディが盛り上がっているので弦高がかなり高くなっていました。サドルはもうギリギリまで削ってあります。

フレットもかなりサビが出てしまっています。弾き込んだ後が歴史を物語っていますね。

弦を張ってない状態では、ネックの反りは無いようです。

ペグのネジは、最初折れてしまっているかと思いましたが、どうも3本だけ短いネジを使っていたようです。折れてなくて良かった、、、。

とりあえずパーツを全て外しました。

     < Welcome   Guitar >           

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製造年は1972年でした。

トラスロッドカバーを外そうとしましたが、ここもネジが空回りします。

ちょっと調べてみると、表板はスプルース、バックとサイドがトーグ(フィリピン・ローズウッドとも呼ばれるがローズウッドではない)、ネックはナトー、指板がローズウッド、ということのようです。

ナットの溝とサドルにスケールを当ててみました。う〜ん、かなり弦高が高そうですね。このような場合は、ネックをリセットして仕込み角度を大きくするようですが、かなり大掛かりになってしまいます。とりあえず弦を張って様子を見ましょう。

ナットは、かなり黄ばんでしまっていましたので、サンドペーパーで表面を削って黄ばみを落としました。

元のペグ穴は広がっていますので埋め木をして修正します。まず、2.5mmのドリルで穴を広げて、と。

そこにタイトボンドを塗った2.5mmの竹ひごを挿して穴を埋めます。


これが問題のペグ。

全ての穴を埋めました。


フレットが錆でひどいので交換してしまおうかとも思いましたが、ナイフでカリカリとやるとなんとか取れそうでしたので錆落としをしてみます。ナイフで削ってサンドペーパーを掛け、スポンジペーパーで擦ってコンパウンドを掛けるといった具合です。けっこう大変でしたが、なんとかなりそうです。

指板はレモンオイルで清掃した後、椿油を塗って保湿します。

フレットの錆は、ほぼ取れました。

ペグのブッシュも磨いて置きましょう。ドリルの先端で咥えて、ドリルを回転させながらコンパウンドを付けた布で擦るとピカピカになります。

ペグも分解してネジを締め直し、CRC5-56を吹いて組み立てました。

トラスロッドカバーのネジ穴もゆるゆるでした。ここは爪楊枝で埋めてしまいます。

ペグを取り付けて、弦を張ります。弦はライトゲージ(012-054)を張りました。

ネジ穴が広がってしまってネジが効きません。

この状態で弾いてみましたが、指が辛い、、、。弦高が高いからか、最近アコースティックを弾いていないからか?

ナットの溝を調整して1弦側の弦高を下げました。

さらにトラスロッドを調整して弦高を調整します。弦を張るとネックは順反りになりますので、弦を張った状態でネックが真っ直ぐになるように、トラスロッドを調整します。12フレットで3mmくらいにまでなりました、、、。これ以上はネックのリセットをするか、ブリッジを削るかしかありません、、、。いやいや、このへんでやめときましょう。

さて、調整も終わったので弾いてみましょう。なかなか張りがあっていい音がします。この頃(1970年代)はフォーク全盛期ですね。懐かしくなって2時間も弾いてしまいました。

「どうしてこんなに悲しいんだろう」

「花嫁になる君に」

「リンゴ」

「私の小さな人生」

「サボテンの花」

「ブラックバード」

「四月になれば彼女は」

・・・・・

そういえば、自分の初めてのギターもこの形だったなあ。ドレッドノートに憧れて買い替えてしまったけど、、、。