表1 オーロラの大きさ
下端の高さ 100〜115km 上端の高さ 400〜500km 南北の幅 0.5〜1km 東西の長さ 数千km 枚数 1〜10枚 ひだの大きさ 5〜200km 環の半径 2200〜2500km
→1999年12月 サーリセルカ 1参照
頭上に出ていたオーロラは、ほとんど白っぽいものだった。
しかし、オーロラの端、東西の地平線に近いところほど、緑色をしていた。
また、ずっと北の方に見えた別のオーロラも緑色に見えた。
私が真っ白いレースのカーテンを見た時、ロバニエミにいたおじさんは緑色のオーロラを見たと言っていた。
オーロラは緑白色が一般的で、主に酸素原子の発光による。
表2 オーロラの色
高度 色 発光体 備考 300km〜 暗赤色 酸素原子 通常は地上からあまり見えない 100〜500km 緑白色 酸素原子 110kmにピークがある 90〜100km ピンク色 窒素分子 特に活発なオーロラの時に見られる 数100km 青紫色 窒素イオン分子 肉眼ではあまり見えない
私はほぼ真下にいたので、最下部の明るい部分が白く見えていたのではないだろうか。
そう考えると、遠くのオーロラが緑色をしていたのも納得が行く。
遠くのオーロラ、特に東西の遠くは、カーテンを横からではなく縦方向に見るため、たくさんの発光を重ねて見ることになるからではないでしょうか。
人間の目は弱い光りに対して色を感じないため、真上にある1枚の薄いオーロラよりも、遠くの何枚も重ねたような明るいオーロラに対して色を感じたのではないでしょうか?(KAGAYAさん)
ここで、さらなる疑問が・・。
近くのオーロラと遠くに重なるオーロラ、どちらが明るく感じるのだろう?(^^;
たくさんの光源を重ねれば明るくなるが、それが遠ければ遠いほど弱くなるはずである。
このことはオーロラとの距離とは直接関係がなく、オーロラの光が空気の分子によって拡散されることと関係しているらしい。
空気の下層ほど密度が高く、見た目が低いオーロラ、即ち遠方のオーロラほどその影響を受ける。
地球が球体であること、オーロラがその地表面にそってほぼ同じ高さで出ていることを考慮すれば、遠方のオーロラ(A地点から見たB地点上空のオーロラ)ほど地平線すれすれに出ていてしまいにはその下に沈んでしまうように見える。
つまり、その光が我々(A地点)に届くまでに地表すれすれの空気層を通過しているわけである。
光は赤色よりも青色がより拡散されやすいため、地平線近くの光が黄色、ときには赤みがかってさえ見えるそうである。(実際、地平線から立ち上る部分は黄色く見えた。)
また、人間の目において緑が最も感度が高い色であるため、オーロラの緑がより強調されて見えるのではないだろうか?
オーロラの南側では西向き、北側では東向きの超高層大気の逆流が起き、その境にあるオーロラカーテンにひだを作っているそうである。
オーロラが走るように見えるのは、
↓||||||||
○↓|||||||
|○↓||||||
||○↓|||||
|||○↓||||
||||○↓|||
|||||○↓||
||||||●●●←光っているツブ
このように磁力線に沿って落ちてくる特に強いツブの固まりが次々とオーロラ下端の発光点に達するのを見ているからです。
ですから「なぜ走るか?」というギモンは、なぜこのようにバラバラでなく順番に(1着の横の粒が2着と)並んで落ちてくるかを考えることになりますが、わたしにもわかりません。
もしかしたら出発点では同時に出たツブが、発光点に達するまでの道のりの違いに関係があるかもしれません。(KAGAYAさん)
引き続き調査します
前述のようにこの速さは実際にツブが移動しているのではなく、ツブ到達の時間差を見ているわけですが、わたしが見た最速のオーロラは毎秒50〜100kmくらいだったと思います。
でも、もしツブがカーテンに沿ってほとんど一斉に落ちてきたら、走るスピードは猛烈になると思われます。(KAGAYAさん)
引き続き調査します
オーロラの環は、北半球と南半球に一つずつほとんど毎日存在し、きわめて例外的に見られないことが一年に数日ある。
但し、オーロラの活動が活発でない時は、環の緯度は70度(環の半径が2000km)くらいになり明るさも減少するので、緯度65度付近から見ると水平線近くに位置して見辛くなり、一般には「見えない」ということになる。
一方では、オーロラが環であることから、さらに緯度の高いところに行くとだんだんオーロラが見辛くなる。
つまり、オーロラの環とその地点の相対位置(もちろん天候や空の明るさも関係するが)によって、オーロラが出現するかどうかが決まる。
空一面にぐちゃぐちゃに出ていて、そこら中でバラの花が花開いたようだった。(→1999年12月 サーリセルカ 3参照)
点滅する順番には規則性があるような気もしたが、どことどこが繋がっているのかは分からなかった。
また、オーロラが何枚出ているのかも定かでない。
オーロラ嵐が激しくなると、ひだが反物のように巻き付くことがあるらしいが、空を埋め尽くすような大規模なうねの道筋を、地上から確認するのは不可能に近いようだ。
巻いたの何回か見ました。ぐるーっと巻いて、でもすぐにどこが巻いたところなのか分からなくなるような動きをして消えてしまいました。逆に巻いたような形がほつれるような動きをしたこともあります。(KAGAYAさん)
わたしにももそのように見えました。 オーロラの進む先の赤というのは、オーロラ下端の窒素のピンクではないでしょうか?
強い粒子が磁力線に沿って落ちてくると、まず反応の早いピンクが出て、その直後に緑が出る、それと同じことがカーテンに沿って次々と横で起こっていく(オーロラが進んでいるように見える)と進む先端がピンクになると思います。(KAGAYAさん)
そのようです。
大抵のオーロラは、主に高度100kmくらいまでの酸素原子の緑白色が光って見えるが、特にエネルギーの強いオーロラの場合、その下の窒素分子のピンク色が光り始め緑色の下に鮮やかなピンクのフリルを付ける。(表2参照)
これらの光はそれぞれ発光時間が異なり、エネルギーを得てから窒素分子がより速く発光する。 それを見た観測者は赤色の後ろに緑色が着いて行くような印象を受けるようである。
= なぜ地球を取り巻く磁力線が位置を変えるのか + なぜ降ってくるツブに強弱があるのか
ということになります。磁力線の位置は太陽からの恒星風の影響が大だと思います。
ツブの強弱についてもほとんど太陽の都合で、あとは地球の磁場との相性で決まるようです。(KAGAYAさん)
一晩のうち何回か、さっぱりどこにもオーロラがない時間ってありました。でも、時間は決まってなかったです。たぶんツブのエネルギーがうんと弱くて、人間の目には見えなかったんだと思います。写真で長時間露光するとうっすら写ると思います。(KAGAYAさん)
これについては、ある程度の解釈をしているんです。環が見えないところにあったのではないかと。
かなり暗い場所にいたので、薄っすらとしたものは常に出ていたんです。それが3時頃にはまったく見られなくなりました。
本にあったのですが、オーロラの環は磁北(南)極を中心に存在しますが、真円では なく夜側に偏っているそうです。
だから夜中に頭上にあったものが、明け方近くなると段々と北上してしまいには見え なくなってしまうようです。
頭上に直線的に伸びていたオーロラが数時間後には北側へ湾曲しているのも見ました し、それが原因ではないかと思うのですが。
私が行ったのはフィンランドのサーリセルカですが、もっと高緯度の地域では昼間に オーロラが見えることもあるそうです。(かなぼー)
KAGAYAさんの話では、一晩のうち何回か、頭上にあったアーク状オーロラがだんだん薄くなっていき、やがて消えてしまい、1時間ほど待っているとまた濃くなってきた、ということだ。
結論として、晴れた日にオーロラが見えない要因として、人間の目で確認出来ないくらい光が弱くなるということと、オーロラの環が見えない位置に移動してしまうということが考えられる。
サーリセルカにいた時3時以降に見られなかった理由は、おそらく後者の方だと思う。
オーロラの環は、いつもきれいな環ではないので、北の方にはぐれオーロラが出ていてもおかしくありません。
あと、環の中に一直線オーロラの帯がでるシータオーロラというのもあるようなので、それかもしれませんね。(KAGAYAさん)
シータオーロラっていうのは、極冠オーロラのことですね?
そうなのかなぁ?とも思ったのですが、北緯65度くらいの地点で本当に見えるのか疑問なんです。
はぐれオーロラの可能性の方が高いかもしれません。
でも、不思議なのは、頭上のオーロラが薄くなっていた間もそのオーロラはずっと光っていたことです。
う〜ん宇宙から眺めてみたいですね。(かなぼー)
一枚のオーロラの幅は0.5〜1km(表1)であるが、私が見た空いっぱいに広がるオーロラ(4枚?)はどのくらいの幅があったのだろうか?
オーロラまでの水平距離は次の式で表される。
オーロラの水平距離=100/tanθ[km]
θ:オーロラの仰角
サーリセルカでは、ほとんど真上に出ていたのだが、空いっぱいに広がったレースのカーテンの裾は、南北のかなり低いところまで降りていた。
仮に、θ=45°(実際はもっと低かったと思う)とすると、裾までの水平距離は100kmとなり、両端の距離は倍の200kmとなる。
でも、オーロラの再上部(500kmくらい?)は、天頂まで伸びている。
200kmと500km・・あんな風に見えるのかな?
それに、広がる直前は、頭上に輝く一筋の線だったのである。あんなに短い時間で一気に広がったのだろうか?
閉じていたカーテンが広がったような光景だったのだが、実際オーロラの裾が広がるわけはないと思う。
オーロラは磁力線に沿って降りてくるからだ。
オーロラが激しくなると、磁力線がかき乱されます。
静かなときは南北に狭い範囲でしかツブが降りてきませんが、激しいときは南北方向にもツブが降りてくる範囲が広がりカーテンが開いたように見えるのだと思います。(KAGAYAさん)