タイトルは『the Last Supper』即ち最後の晩餐ってわけだ。 見ての通り、最後の晩餐を食べているのはトナカイ達である。 一見ほのぼのとしているようでいて、実はかなり重いテーマだった。(^^; 明日の朝にはこのうちの何頭かが食肉となってしまう。そんなシーンを描いたつもりである。 テーマがテーマだけに、構図も静的なもの、フェーマスで教わった通りの神秘的な縦の線も入れてみた。オーロラもかなり静かだけど、内に秘めた激しさみたいなものを想像しながら描いた。 去年は構図で思い切り失敗したので、今回は特に構図にこだわった。 その結果、おとなしすぎる絵になってしまったかもしれない。(^^; なかなか上手いこと行かないもんだ。 最初は人物の表情を描こうと思ったが、あえて人物を全面に出すのをやめ、全体の空気感を大切にしたかった。 トナカイの死を連想させるテーマだが、決して暗鬱なイメージではなくて、その反対にある生を意識した。殺生することが残酷であるということを言いたいわけではない。 以下は、私がカボス圧7月号に掲載した文である。 トナカイは彼らにとってなくてはならない存在である。 フィンランドのサーリセルカでサーメ人宅を訪問したが、ひとつだけ聞きそびれたことがある。 トナカイを殺す時、彼らは何を思うのだろう? この絵を描きながら、色々なことを想像した。 トナカイに餌を与えるサーメ人の親子。その晩は普段より少し多めに餌をやっているようだ。 |