Arctic Circle

かなぼー

赤い宇宙(そら)の夜

赤い宇宙(そら)の夜

赤は華やかで美しい色であるとともに、忌み嫌われる色でもある。
中世の人々やイヌイットも、血や死を連想する色としてその到来をずっと恐れていた。

赤はあまり多くはないけれど、確かに自然界に存在する色だ。
その夜、見たものは激しいものではなかったが、そらの半分が見たこともない色に染まっていた。
だが、そのことに気付く人はほとんどいなかった。
それは太陽の残り香に過ぎなかったのかもしれない。

*    *    *    *    *

透明水彩とマスクを試してみた。
でも、透明水彩の良さを活かしきれていないな。(^^;

赤オーロラの色を微妙なぼかしで実現したかったのだが、もっと赤褐色だったと思う。
(但し、画像の色味が大分違っているので、ソフトでかなり修正してある。)
赤オーロラは必ずしも激しいものばかりとは限らないようである。
私が見たのは、そらの高いところで微かに光を放っていた弱いものらしい。
南側のそら一体が赤褐色に染まっていた。
ほとんどの日本人は、地上の光が雲に反射したものと思っていたようだ。
でも、赤いそらの向こうにはしっかりと星が見えていたし(昴まで見えていた!)、曇った時の空の濁った
オレンジ色とは遥かに異なる色だった。
もっともっと深い赤だったのだ。