フィンランド旅行記/リベンジ編(2/5)

3.サーリセルカ3日目

 朝から犬ぞり体験である。
午後はサーメ人宅訪問、翌朝はトナカイぞりと、ハードスケジュールである。
日本人スタッフの方々、親切だし気さくで話しやすいんだけど、朝は勘弁してよぉ!(--;
他の旅行客との人数調整がいるため、やむを得ないことではあるが。
・・多分、まとめて済ませちゃった方が都合がいいんだろうなぁ。(空きが出来れば休みもとれるし。(爆))
彼女達もあの後遅くまで飲んでいたらしいけど、辛くはないのかなぁ?(^^;

 さて、ハスキー牧場へ行くのかと思いきや、犬達が近隣の街からトラックで通勤。
犬も大変だなぁ。(^^;
そりはハスキー犬7頭立てで、二人乗り。うち一人が後ろに立って御者になる。

 昨夜の女の子に聞いた話では、犬ぞりはつまらなかったという。
彼女の乗ったそりは、先頭の犬が新米だったせいか全然走らなかったそうである。
でも、レヴィで体験した時は(操縦は出来なかったが)結構スピードが出て面白かったので今回も楽しみにしていた。
犬はこっちの方が大きいし、ハスキー犬っぽいな。
4、5台目のそりに乗る。

 それにしても、一段と冷え込みが激しい。
日本人スタッフの人が、朝の気温がマイナス30度あったと言っていた。
みんな防寒着を借りていたが、私だけは自前であった。上半身はもちろん、下半身もダウンを着ている。
向こうの人にも、「ユードントニード」って言われた。
靴と手袋だけはとりあえず借りたのだが、靴は借りない方が良かったかな?
結構足先が冷えてしまった。

 そりは、相棒の操縦で出発した。
我々のそりの犬達は働き者で、走りたくてたまらない、といった様子。
スピードもびゅんびゅん出る。
でも、前のそりがどうも進まないようだ。例の犬達かな?(^^;
 ところどころ激しく揺れてそりに頭をぶつけてしまったので、それに懲りて両手で頭を抑えて乗っていた。
雪原や樹氷の間をそりの列が駆け抜けて行った。

 途中で御者が入れ替わって、私が手綱を握った。
出発直前にブレーキを踏むのが結構辛い。
両足でブレーキに乗っかり全体重をかけるのだが、ふんぞり返って両腕でそりにぶら下がるような格好なのだ。

 ブレーキを放すと一目散にそりが走り出す。
すぐに前のそりに追い着きそうになるので、必死でブレーキを踏む。
前のそりの御者の人はそれに気付き、慌てて片足で地面を蹴る。
こちらの犬達は一生懸命走ろうとしているのに、ほとんどブレーキ踏みっぱなしでちょっと可哀想だった。
前のそりはほとんどノーブレーキなのに。
しかも、こちらの犬が足元まで迫ると御者の人が必死で漕いでいる。(笑)
あれも辛そうだなぁ。

朝日に背を向けて

さあ出発だ!



 コタでコーヒーとサンドイッチを食べ、一休みした後、もと来た道を戻って行った。
 この休憩はあまり必要ないような気もするなぁ。
休んだおかげで、温まっていた体がすっかり冷めてしまった。
まじ、寒かった。(^^;

 犬は走りながらコロコロ糞をしていた。これがまた臭いのなんのって。
後で聞いた話だが、肉(トナカイではないようだ)にビタミンとか色々な栄養剤混ぜて食べさせているらしい。
だからこんなに強烈なんだね。
それから、時々びっこ引くなぁと思ったら、マーキングをしていた。
走りながら片足上げておしっこするなんて器用だなぁ。

 途中、また御者の交代があり、後ろに立ってブレーキを踏んだ。
すると、後ろのそりの犬がずずずーっと前に来て(ブレーキかけていても結構引きずられる)、私のお尻を突ついたり、背中に乗ってきたりした。
体が大きいので、背中に前足が乗りずっしりと犬の重さが伝わる。
でも、こっちはそれどころじゃない。
必死でブレーキをかけているから振り返る余裕もないし、出発の合図が出るまで我慢した。
犬達はみんなおとなしいし噛みつくこともないので恐くはないのだが、

「お前らいい加減にしろよー!」

って言いたかった。(^^;

 帰りも、行きと同様ブレーキ踏みっ放し。
少し前と間が空いた時、調子こいて下り坂でブレーキ放してたら、スピードが出過ぎて川に落ちそうになった。ひえ〜!!(^^;
早めにブレーキかけないと、スピード落ちないんだよね。(^^;

 でも、結構犬の扱いにも慣れてきた。
ブレーキも大体タイミングが分かって止まらせることも出来たし、「GO!」って言えば一気に走り出す。
(※本当は向こうの人はフィンランド語で違う言葉を使ってた。でも、とりあえず何か大きい声出せば走り出すんだよね。(^^;)
前回よりも全然楽しいぞ!
ブレーキかけっぱなしじゃなきゃ最高だったけど。

お疲れさん

みんないい子




 午後はサーメ人宅を訪問した。
そこは街から少し離れた森の中にあった。
その辺りは冷え込みが一層厳しく、寒さが身に染みた。
 牧場の入口でチャルモというコロコロ太った犬がワンワン吠えていた。
サーメ人男性のパウロスさんとフィンランド人妻ウッラさんが出迎えてくれた。
囲いの中ではトナカイが歩き回っていた。

 彼らはサーメ人の暮らしぶりについて、色々話をしてくれた。
とは言っても、パウロスさんは英語が話せなかったので、ウッラさんが英語で説明するのを、日本人スタッフの人が通訳していた。

トナカイを放牧しており、年に2回ほど村中の人が追いたてて狭いところへ集める。ちょうど今がその時期であること。
トナカイの持ち主を識別するために耳に個別の刻印を付けるということ。
トナカイは肉、皮、角、骨、血までも全て無駄なく使うということ。

 サーメ人の服装も見せてもらった。
靴もトナカイの毛皮で出来ている。綺麗なリボンも手編みである。

 パウロスさんの歌(民謡)も聴かせてもらった。
で、なぜか我々も日本の歌『ふるさと』を歌うハメになった。(^^;

ウッラさん

パウロスさん



 話の後、コタでコーヒーと手作りのケーキを戴いた。
コタの中にはチャルモも入ってきたが、火の前で我々がケーキを食べているのを見ながら大人しく座っていた。



 夜8時頃には、オーロラが出ていた。
マーケットで買い物を済ませた後、急いでコタへ行き、すぐそばの山を少しだけ上ってみた。

一面に広がるオーロラ。
昨日の一本の筋とは違って、オーロラの輪がどこにあるのか分からない。そこら中ぐちゃぐちゃに出ている。

「なにこれぇ?分けわかんない」

どこを見たらよいのかも分からない。あちらこちらで動いている。
時折、赤や緑の光にも見えた。でも、光が進む先が赤、後ろが緑に見える。ドップラー効果みたいなものなのかな?
頭上から放射状に広がっているようにも見える。
もしかしたら、ドレープのひとつが馬鹿でかく見えているのかも。遠くから見ればカーテンに見えるのかな?
そういえば、山の下から見た方が緑っぽく見えたな。遠くのオーロラほど緑色に見えるし。
遠く−北の方には別の輪が強く光っていた。

 ところで、例の2人の正体が明らかになった。
K府K市の教育施設で野外活動なんかの先生をやっている人達らしい。
なるほどね。(^^)

怪しい3人組