フィンランド旅行記/リベンジ編(4/5)

5.サーリセルカ5日目

 曇。
午後からクロスカントリーをやった。
インストラクター付きの体験コースというのもあったのだが、料金が高いので板のレンタルだけにした。
私は、北海道で一度だけ体験したことがある。
牧場の中でほとんど平地であったが、結構気持ち良かったのを覚えている。
相棒はまったくの初心者。まあ、なんとかなるだろう。(^^;

 コースが分からないので、地図を買おうとしたが「クロスカントリースキー、マップ」と言ったら通じなかった。
仕方なしに、滑る格好をしたら、「オー!スキー!」と言われた。
こちらでは、スキーと言えばクロカンなんだね。(^^;
あ、アルペンスキーも出来るのだが、まだシーズン前でスキー場までのバスが出ていなかったのでそちらは諦めた。

雪景色


 とりあえず easy コースに行こうとしたが、近くになかったため illuminated と書かれたコースを滑ることにした。
スタート地点に地図が書かれている看板があり、そこからスキーのトラックが双方向に延びていた。
結局、買った地図はほとんど役に立たなかった。
我々は片道3.4kmのコースを選んだ。終点にはカフェがある。

 ところで、スキーを履く前に借りてきたストックのプラスチックの部分(円板の形してるやつ)が割れてしまった。
「え?なんで?」
そうこうするうちに綺麗に円板が取れ、両方とも棒だけになってしまった。
あまりの寒さでプラスチックも相当痛んでいるようだ。
(そうそう、帰国する頃にはスノーブーツのビニールの部分もところどころひび割れが起きていた。)
怒られるかなぁ?でも、何にもしてないもんなぁ。(--;
ま、いいや、行っちゃえ。

 ところが、今度はスキーの履き方が分からないことが判明。
「これかなこれかな?」
相棒が無理矢理ゴムの部分を倒すとちゃんとはまった。結構力がいるなぁ。

 さて、いよいよ滑り出し。
でも、いきなり長いスロープである。
足慣らしもしてないのに、そんな無茶なぁ!(^^;
で、2本の溝に板をはめるとススーッと滑る。
思ってたよりもずっとスピードが出る!嫌だぁ止めてぇ!
クロカンってのはご存知の方も多いと思うが、アルペンに比べて板の幅が細い。
横方向の安定感に欠け、いまいち不安なのである。
スロープのカーブにかかったところで、片足がトラックから抜ける。

「げっ、やばい!転ぶ転ぶぅ〜!」

 必死でこらえ、浮いていた片足をトラックに戻す。
なんとか、下まで降り切った。
相棒もどうにか転ばずに降りたようだ。

 最初のスロープが一番きつかったような気がするが、以降の下り坂ではなるべく抵抗しないようにした。
無理に踏ん張ろうとすると、板がトラックの外に外れるからである。
ちょっと恐いけど、逆らわないのが一番だ。

 さて、滑りものには結構自身があった私だが、平地ではびゅんびゅん飛ばしているつもりなのに、どんどん現地の人に追い抜かされてしまう。
なんであんなに速く滑れるのぉ?(--;

 上り坂はちと辛い。
クロカンの選手のように、大股開きで上ろうとしたのだが、蹴ろうとするとずずず・・と下がってしまう。
仕方なく、小股でちょこちょこ上って行く。
それと、上り坂の途中で振り向いたら上れなくなってしまった。下がる下がる・・。(^^;
教訓、上り坂の途中では立ち止まらないこと。

 コースは多少の起伏はあったが、ほとんど平坦な道であった。
前へ進まない要因に、寒さで手がかじかんでいるのもあった。
所々で休憩を取らなければならなかった。
疲れたからってわけじゃなくて、指先を温めないと耐えられなくなっていたからだ。
体はすごく温まるんだけど、指先だけがどうしても冷え切ってしまう。
高かったゴアテックスのグローブも全然効き目ないじゃん。(--;
ミトンにすれば良かったぁ。

 そんなこんなで、ようやくGOAL地点に到着。(但し、コースはその先もずっと続いているが)
入ろうとすると、いきなり入口付近でっている人達が・・!

「なんじゃこりゃ!?」

ひるんでしまった。う・・入れない。
店内のそこら中で、男女が組みになってチークダンスみたいにして踊っている。
しかもスキーウウェアみたいの着て。(^^;
変な曲だなぁ。
そういえば、レヴィに行った時、木曜日の夜にダンスパーティをする習慣があるようなことを聞いた。
この日はちょうど木曜日。それと関係あるのかな?
半分酔っ払いながら踊っている人達の隙間をぬって、上着を脱いでから、奥のレストランへ行った。
(手前はカフェバーになっていた)

 昼食をとった後、トイレに寄ってから帰ろうとした。
トイレはカフェバーの奥にある。
トイレの前までもダンサー達が侵出していたので、相棒が一時出られなくなったらしい。
カウンターのそばでは、おしくら饅頭状態で人々がお酒を飲んでいた。(^^;

 店を出ようとした時始めて、生演奏であることに気付く。
ボーカルの人と目が合う。こっちを見て笑っていたので手を振った。
もしかして、子供に見られたのかも?
日本人ってただでさえ幼く見られるし、この格好(頭にゴーグル、頬の少し上に耳当てを付け、ベンチウォーマーコートの帽子をすっぽり被っていた)では。。

 スキーを履く前に雪道で思いっきり尻餅をついた。固まっていたところなので、結構痛かった。(;~;)

 帰る頃にはすっかり暗くなっていたが、休憩が少なかったせいかあっという間にSTART地点に着いた。
時間を稼ぐために下り坂で必死で飛ばしたせいもあるかな?
でも、スピード自体はほとんどコントロールできないから、気持ちだけね。(^^;

 どうにか無事、2人とも(板を脱いだ時以外は)一度も転ばずに戻って来れた。
相棒も、意外と運動神経いいんだよな。(根性ないけどぉ)
でも、さすがに翌日は嫌だと言っていた。
疲れるだけで、あまり快適ではなかったようだ。(^^;



 夕方は星空が覗いていたのだが、7時頃になると曇り始めた。
雲・・というよりも地表の空気が湿気を帯びて霞んでいるようだ。

 コタには昨日の熱心なカップルと新しい日本人客が一人やって来た。
新しい客はロバニエミから来たと言うおじさんだった。
昨夜11時のオーロラをロバニエミで観たという。緑色のカーテン状だったそうだ。
私は、興味深く聞いた。真下と横から同時に観てみたいなぁと思いながら。

 この人もちょっと変わった人で、ちょっと話しかけると色々しゃべり出した。
「今日来られたの(日本人客)は、お一人だけですか?」
「ええ。妻はプーケットの方へ行っていまして・・・(後略)」
私の聞き方が悪かったのかな?(^^;

 オプションのいぬぞりを希望しているらしいんだけど、ツアー客の人数が揃わないと出来ないのだと話していた。

 そのうちまた、そり遊びの子供達がやって来た。
相変わらず元気だなぁ。(^^;
でも、楽しそう。今度はそり買って来ようかな。(※マーケットで売っていた)

 その夜はなかなか晴れず、カップルは諦めて帰って行った。
2時頃、少し晴れて、薄いオーロラが出ていた。
でも、また曇ってしまい、この日の収穫なしといったところである。