あとがき

今度こそは・・の思い

前回はレヴィに4泊したが、連日曇天続きで星すらほとんど見ることが出来なかった。ヘルシンキも分厚い雲に覆われていたし、フィンランドってそういうところなのかもしれないと思っていた。(旅行会社に騙されているのではないのか?)
正直言って、運次第っていう部分が大きい。

他の国も考えた。
フェアバンクス(アラスカ)あたりも、いったん曇ると1週間くらい続いてしまうようだ。イエローナイフ(カナダ)は割合安定してるのかな?
アイスランドは、海に囲まれているだけあって、温暖ではあるがかなり天気が不安定らしい。
北欧の国々は条件はほとんど変わらないようだ。(レヴィやサーリセルカは内陸部にある分、多少条件が良いはずだが。)
一番安定してそうなのは、グリーンランド。でも、直行便がないため往復で4日を要してしまう。その分旅費もかかる。(^^;
後は、北極か南極・・論外だ。

で、結局フィンランドを選んだ。

日頃からゲンかつぎなどしない私だが、もうそんなことは言っていられない。
てるてる坊主を作った。HPとクリスマスツリーに飾った。
こうなったら、絶対晴れる!と信じるしかないのだ。

今回もフィンランドに到着する数日前までは2週間ほど曇っていたらしい。
だから、今回オーロラを見ることが出来た人達は本当に運がいいのだ。
それなのに、あまり感心を示さない人達もいる。勿体ないなぁ。。


レジャー

犬ぞり、トナカイぞりは、この手のツアーでは付き物である。何度でも体験したい。(^^)
スノーモービルは、日本でも(やろうと思えば)できるので、あえてやらなかった。
スキーは、クロスカントリーのコースは充実してたけど、アルペン向きのレヴィの方が良いみたい。クロカンは体力トレーニングにはいいけど、日頃やったことのない日本人には辛いかも・・。
共同のサウナ(男女別)はあったけど、行かなかった。レヴィには個室サウナが付いてたんだけど。(^^;
近くにスパもあったけど、これもついに行かなかった。水着も持ってたんだけど。


食事

前回の免疫があるせいか、わりと美味しく感じられた。レヴィのオーロラディナーがあまりにも強烈だったんだよね。(^^;
朝食は例によってバイキング。メニューは少なかったけど、シリアルにヨーグルトやベリーソースかけて食べるのって、結構病みつきになるんだよね。
じっとりしたパンも、そういう種類だったのかも。だいぶ慣れた。
トナカイは食べられるけど、やっぱり臭いなぁ。
そうそう、あちこちのレストランのメニューでサーモンのクリームスープってのがあったんだけど、結構いけてた。クリームシチューにサーモンの切り身が入ってるようなやつ。
夜は、マーケットで適当に買い物して、コタへ直行。ソーセージも焼くことができるのだが、人が多いとちょっと食べにくかった。


気候

わりと晴れてはいたが、半端じゃない寒さだった。
夜空を眺めている時、まばたきすると目が痛くなる。最初は、目にまつ毛が入ったのかな?と思ってたのだが、手で触るとバリバリ。
なんとまつ毛が凍っていた。まばたきすると、氷の破片が目に入るのである。
ダウンのフードをすっぽり被っていたが、息が当たる部分は真っ白に霜が着いていた。
コタに入ると、フェイスマスクも霜がとけてびちょびちょ。
レヴィにいた時は、こんなことはなかった。
足先も冷え、スノーブーツの表面もひび割れてしまった。
デジカメもなるべく、服の下の方にしまっておいた。冷やすと電池も摩耗するし、壊れてしまっては困る。
時計がいかれた、というようなことを誰かが言っていた。

なるべく皮膚の露出も避けクリームも塗っていたのだが、それでも頬の辺りがひりひりして、皮も少しむけてしまった。

雪はあまり降っていなかったが、湿度が高くなると(?)ダイアモンドダストがそこら中に舞っていた。

尚、オーロラ観測時の私の服装はこんな感じである。(→)
ゴアテックスのごつい手袋も持っていたが、ダウンの中にすっぽりしまった方がずっと温かかった。

完全防備!



コタ

ラップランドでは真ん中に暖炉がある小さな小屋のことを、こう呼んでいるらしい。
もともとはサーメ人が、トナカイを放牧しながら仮の居住区として1日くらいで建てたもののようだ。

観測小屋は、もちろんもっとしっかりしたもので、日本人観光客が自由に使うことの出来る場所だった。
といっても、ごく一部のツアー客のみの特権である。
その代わり、鍵を開け、ろうそくに火をつけ、自分達で暖炉の薪を焚かなければならない。ちょっとしたキャンプファイヤー気分だ。
薪には白樺を使う。よく燃えるがすぐになくなってしまうので、注意していないといけない。

暖炉の上にはやかんが置いてあるので、(持参の)コーヒーを入れたりすることも出来る。(但し、雪解け水使用。(^^;)ソーセージを焼いたりもした。

おかげで快適に過ごすことができた。
観測小屋がなければ、寒空の中ずーっと突っ立っていなければならない。


オーロラの印象

オーロラ出現時の状況を出来る限り文章にしてみたのだが、完全には表現しきれない。
今回、写真は撮らなかったのだが、おそらく写真でも表しきれないだろうと思う。
他人に伝えられないだけでなく、時間が立つにつれて自分の中の残像がどんどん薄れてしまう。
それは残念なことではあるが、頭上に広がったオーロラを目の当たりにした時の感動は、いつまでも心に焼き付いている。

印象深かったのは、ひとつとして同じものがないということ。

    ある時は天空を駆け巡り、
        ある時はそこかしこに出現し、
            ある時はレースのカーテンを翻した。

その度に、寒さを忘れ、首が痛くなるほど夢中で空を見上げた。オーロラが激しく動く度に、奇声を発した。
テープレコーダーを持っていなかったのが残念だ。そのまま、実況中継できたのに。(笑)
オーロラってこんなものかな?と想像していたものとも違っていた。
いや、カーテン状ってのだけは合っていたかな?予想以上に、カーテンそのものだったけど。(笑)

ところで、オーロラの粒子なんて見えるのだろうか?オーロラの音は聴こえるのだろうか?
どちらも分からないままだ。ドレープの一本一本が、輝きながらオーロラの端を駆け巡っていく様子は見て取れた。
耳を澄ましてみると、遠くの方でゴォーッという音が微かに聴こえるような気もするが、遠くの車の音かもしれない。

オーロラが輝いている時、真下にいる我々には何かが起こるのだろうか?電磁波か何かを浴びたりしているのだろうか?
特には、何も感じなかった。ただただ、ボケーッっと観とれていただけだ。

話は変わるが、オーロラを眺めている間、時折星が流れて行った。
レヴィでも何度か目にしたのだが、北極圏は流れ星が多いのだろうか?
それとも、単にそれだけ長いこと夜空を眺めていたってことだろうか?
普段は、じっくり空を見るなんてことないものなぁ。


次回のオーロラツアーは?

フィンランドから帰国後、ついに一眼レフを購入した。
相棒もますます乗り気になっている。
サーリセルカで出会った人達とメールのやりとりをした。みんな、また(観に)行きたいと言っていた。(笑)
ここ数年は太陽活動が最も活発な時期にもあたり、やっぱり観に行くなら今のうちだ。
ひとり20万もあれば、そこそこ楽しめるかな。
しゃーない、バイトでも探すか。