スウェーデン旅行記/新天地編(3/)

3.ユッカスヤルビ3日目

 午前中はアイスホテル見学をした。
外観は大きな雪のカマクラがいくつもくっついているような感じで、正面にトナカイの皮と角で出来ている扉が着いていた。
中は意外と広く、扉を開けるといくつもの通路が続いていた。

アイスホテル正面

氷の回廊



 通路の両脇には小さな入口があり、沢山の小部屋に繋がっていた。
氷のベッドにトナカイの毛皮、氷のランプ・・(^^;
ホントにこんなところで泊まる人がいるんだろうか?
部屋は小さいものと、やや広く氷の装飾が施されているものがあった。
値段が違うのだろうか?
どちらにしても泊まりたくない。

氷のベッド

わびしい・・



 まだ作り中の部屋も沢山あって、ところどころで作業していた。
ホテル自体も増築している最中のようで、滞在中も雪を空高く撒いたり、ショベルカーかなにかがウンウン音を立てていた。

彫刻する女性

地道な作業が続く



 ホテルの中ほどに行くと、広い丸天井の部屋に出た。
中央に氷のカウンターがあって、丸い部屋の壁に氷の椅子が据え付けられていた。
氷のバーだ。
丸天井には氷のシャンデリアが吊り下げられていた。

 アイスホテルの付近には妙な形の構造物が沢山置いてあった。
何をするものかは見れば大体分かる。
おそらくアイスホテルを作るための枠だろう。
この枠を並べて上から雪を降らせて固め、後から枠を引き抜くのだと思う。
(この枠には骨組みがあるため、ホテルの構造物としては使えない→相棒は骨組みを外して枠をそのまま使うのではないか?と言っていた。結局真相は定かではない。)
問題は、枠を抜いたアイスホテルに、雪以外の構造物が組まれているのかということだ。
 今年も暖冬のようで、私達が滞在していた間もずっと暖かかった。(といっても零下の話だが)
こんな状況では3月くらいまではもたないのではないだろうか?(^^;



 昼頃、町中を散策した。
ここは変な地形をしていた。
ホテルの裏は雪原が広がっていて、そのずっと向こうに建物がポツリポツリと建っていた。
最初、湖に取り囲まれているのかと思っていたが、大きな川があるらしいということだった。
川といっても真っ白な雪しか見えないのでどこまで凍っているのかも分からなかったが、そんなに遠くまで歩く気力もないのでとりあえずは大丈夫そうだ。
(事実、川の上は風が吹き曝していてかなり寒く、長居したいとは思わない)

 町といってもかなり小さい。
ところどころに船のようなものが浮かんでいて、むしろ夏場のリゾート地なのだろうか。
但し、ホテルもほとんどないようだが。
途中、小学校らしき建物があった。
インターネットに載っていたというレストランを探し、それらしき店を見つけたのだが閉まっていた。

 近くの庭に馬がいたので、写真を撮った。
こんなところに馬がいるとは思わなかった。
服を着ているけど寒そうだ。(^^;
柵のそばに行くと、馬はすぐに近寄って来た。
妙な形の鳥もいた。
黒と白の羽根で尾っぽだけがやたら長く、引き摺るように飛んでいた。

ESAへの道

哀愁漂う



 町の外れの教会を訪れた後、仕事帰りのトナカイぞりが過ぎ去って行くのを見掛けた。
この辺りにトナカイ牧場があるはずだ。
奥の方へ入って行くと囲いの中にトナカイ達がいるのが見えた。
一応、辺りにいた人に許可をもらって、写真を撮りに近寄った。
トナカイ達はじっとしたままこちらを眺めていたが、やがて何頭かがこちらへやって来た。
でも、馬のよう懐いたりはしない。こちらを伺っているだけだ。
ここのトナカイはあまり綺麗じゃないな。
黒っぽいのとか、牛みたいな毛色がほとんどで、真っ白なトナカイはいなかった。
ちょっと残念。

教会

トナカイ牧場



その後、ホテルで昼食(ビュッフェ)をとった。
メインディッシュはトナカイの肉だった。

 ひと眠りして夕方の6時頃起床。
早い時間には空は曇ったり雪がちらついたりしていたが、やがて綺麗に晴れ上がった。
昨夜あれだけ大きいのが出たのだから今夜もいける!とかなり期待していたのだが、一向に兆候が現れない。
アイスホテルの上に出ていたオリオン座がすごく綺麗だった。
それと、星がたくさん流れていた。
双子座流星群は明日か明後日が最盛期なのだ。
1分間に5つくらい見えた時もあった。
ただ、双子座の位置がよく分からなかったのと(帰ってからオリオン座のそばだと知った)、視界が狭いという難点があった。
毛糸の帽子の上にダウンのフードをすっぽり被っているため、ほとんど顔の正面しか見えないのだ。(でないと体が冷え切ってしまうし、凍傷になるおそれもある)
流星観測には向かない格好だった。
その晩、オーロラは諦め、満天の星空と流れ星を堪能した。